『色欲』との邂逅 2
二日間隔で更新しようと思ったんですけど...頑張ります。
なにぶん、受験生なもので(汗)
あと、今回から一人称にします。
「...だが断る」
「なんでよぉぉぉぉぉ!!!」
憤る彼女。それに僕は侮蔑を含んだ嘲笑で返す。
「...だって、また暴れるでしょ?」
「もう二度と暴れないわよ!そうじゃなくて...」
そこまで言いかけ、彼女は口を噤む。
その様子に僕は一抹の疑問を覚えた。
「...ねぇ、『色欲』ってそんな性格だったっけ?」
「誰のせいよ、誰の!」
吠える彼女。
だが、僕が覚えている限り彼女はこんな鋭いツッコミはしないハズだ。まさか───
「...偽物?」
「誰が、偽物、よーー!!」
はぁ、はぁ、と息を切らせながら僕を睨んでくる。
僕たちの和気藹々とした様子に『色欲』のボディーガード達はポカンとしていたが、ハッ、と我に帰る。
「貴様!アスモデウス様に馴れ馴れしくするんじゃない!!」
「そもそも貴様は何者だ!」
「取り敢えず捕らえろ!!」
怒濤の言葉攻め。
しかし、野郎からの罵倒なんて気持ち悪いだけだ。
「───ハッ!落ち着け私。コイツの言葉にイチイチ反応してたらきりがないわ!」
なんかブツブツ呟いてる。怖い。
「...そういえば、僕が寝てから何年くらい経ったの?」
ひらりひらりとボディーガード達を避けながらアスに質問する。
「え。あぁ...多分、五六八年三ヶ月と二十日じゃないかしら?」
キモイ。
「...キモッ」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「アスモデウス様がご乱心だ!」
「早くその娘を遠ざけろ!」
おっと、心の声が漏れてしまったようだ。気を付けなくては。
突然叫び始めたアスをぼんやりと眺めつつ、ボディーガード達の手から逃げる。
そういえばボディーガード達に自己紹介してないことに気が付く。
やっぱり人間関係は挨拶からだよね!
彼らの頭上を飛び、距離をとる。そしてくるりと振り返り...本来の姿に戻る。
僕の背中からは漆黒の翼が生え、体を淡い黒色のオーラが包む。そして、目からは深紅の粒子が溢れ出す。
自然と僕の口角が上がるのを感じる。
端から見ると、猛禽類のソレだ。
「...改めて。僕は【七大罪】が一人、『怠惰』のベルフェゴール。........よろしくね?」
───禍々しい、としか形容できないこの姿。僕はあまり好きではないのだが、インパクトがあって印象に残るので多用している。
彼らの顔を見ると真顔で固まっている。
ふっ、やはりインパクトがあったようだ。効果覿面である。
「...じゃ、また」
未だ固まり続けている彼らの姿を小気味良く思い、元の姿に戻る。
僕の魔力に気付いた野次馬が寄ってきては面倒なので、そそくさと退散する。
その日、世界が震撼した。
あの恐怖の代名詞とまで言われた【七大罪】のリーダー、『怠惰』のベルフェゴールが封印から解かれたのだ。
最強にして最凶、最悪の災厄、絶対強者、スーパーょぅι゛ょ。様々な伝説を残しており、世界にその悪名を轟かせた人物。
世界各国では既に『怠惰』対策が行われており、今後世界は混沌に巻き込まれるであろう。
【第二次人魔対戦】の日は、そう遠くないのかもしれない。
ロジャー・ハウマン著 『世界を語る』より抜粋
ょぅι゛ょ........強い(確信)




