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犬神憑きの末裔  作者: 山田健一郎
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小周天の法

俺は今幽霊ビル(勝手にそう呼んでいる)の3階の302号室にいる。俺の部屋だ。

ビルの地下に俺の店ソーマと店の倉庫がある。1階は人外の者ご用達の不動産屋と旅行会社がある

2階は人外の者達専用の居住フロア。3階は人間専用の居住フロアだ。ビルの入り口に張ってある結界を通り抜ける力を持ち、人外の者に何らかの形で貢献する者だけが入居資格を得る。4階はオーナーとその家族が住んでいる。もちろん人外の者だ。

俺はフローリングの床の上にクッションを置いてその上に座っている。目の前のテーブルの上にはソーマの入ったグラスが置かれている。ソーマの見た目は赤ワインそっくりだ。ソーマの原料はヒマラヤ山脈の麓で採取したマンドラゴラ、チベット仏教の聖地ボダナートで入手した秘薬、ヒンズー教の聖地パシュパティナートで手に入れた秘薬等を調合して作る。

俺はソーマを一気に飲み干し結跏趺坐に座りなおした。小周天の法を行うためだ。佐藤さんの仲介により数日後に吸血鬼の住む屋敷に出向く事になった。それまでに仕上げなくてはならない。小周天の法とは仙道の修行法の一つである。仙道とは仙人になる道の事だ。仙人になるという事は不老不死を手に入れ宇宙の真理と一体化するという事らしい。俺は仙人になるつもりは無い。小周天の法を行うと、体が活性化され人間の持つ潜在能力を極限まで引き出せる様になるからだ。件の吸血鬼は2週間前にルーマニアのトランシルヴァニア地方から東京の空き家になっている洋館に移り住んできたらしい。すでに2人の若い女性をさらい生き血を吸い自分の忠実なしもべにしたらしい。ぐずぐずしていると次々と犠牲者が増えてしまう。

結跏趺坐に座り直した俺は両手を丹田にあるチャクラ スバディスターナの上で、丸いボールを包み込むように指と指を合わせた。そして息をなるべくゆっくりと時間をかけて吸い始めた。ゆっくりゆっくり少しづつ・・

肺の中が空気でいっぱいになったら今度は逆にゆっくりと時間をかけて息を吐いていく。息を吸い込む時に世界に溢れるエネルギーが自分の体内に取り込まれる事をイメージして行う。そして両手から丹田のチャクラに気が移動する事をイメージする。何度もこの呼吸法をしていると次第に丹田が熱を帯び温かくなってくる。体温も上昇し真冬でもTシャツで汗ばむくらいだ。そして十分に気が練れたら気を移動させる。尾てい骨のチャクラ ムーラダーラに移動させ呼吸法によって気を更に練る。胃のチャクラ マニプーラに気を移動させて、心臓のチャクラ アナルータ、喉のチャクラ ヴィシユダ、眉間のチャクラ アージュニャ、頭頂部のチャクラ サハスーラに移動させていく。頭頂部から大気に気を放出して終えるのが俺のやり方だ。自己流だが俺にはこれが合っている。そしてゆっくり身体を鎮静化させてから眠りについた。

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