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犬神憑きの末裔  作者: 山田健一郎
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エルフと陰陽師

俺達は今スミスさんの家の応接間で作戦会議中だ。

エルフが二人、陰陽師が四人集まっている。

スミスさん、リンダ、俺、道灌、神崎悟、松田留美である。

神崎悟は最近売り出し中の若手陰陽師だ。20代前半だが実力は相当なものである。

イケメンすぎるところと綺麗な女性を見るとすぐ口説くところがちょっとうざい。

松田留美は珍しい女性陰陽師だ。呪力はとても強い。

この人も相当な美人でスタイルが良く神崎にいつも口説かれている。

道灌は面白く無さそうな顔をしている。美男美女が嫌いだからだ。


スミスさんは力が強い者を高額な報酬で雇う。

今回の報酬も普通の暮らしを数十年続ける事が出来る額をすでに銀行口座に振り込んでもらっている。

生死を賭ける仕事だ。当然ではある。

スミスさんが四国の高知について話し始めた。

「四国の高知、剣山に地下の洞窟へ降りる入り口が見つかった。地下には恐らく契約の箱が隠されていると思われる。密教集団ソロモンの紋章は死者の書を使い契約の箱を開こうとしているのだろう。

契約の箱が完全に目覚めれば、地獄の釜の蓋が開きすべての悪魔が地上に躍り出て人類は滅亡するだろう」


留美さんが不思議そうにスミスさんに尋ねた。

「スミスさんソロモンの紋章の信者達はなぜそんな恐ろしい事をするのでしょうか?」

「松田さん、彼らは人類が悪魔に食べつくされる事を望んでいる。彼らはそれが人類の救済だと思っているようだ」

「恐ろしいわ・・・」


「大丈夫ですよ!!留美さん!!あなたの事はこの僕がきっと守り通してみせますから!!」

神崎がウインクしながら白い歯を見せて笑った。


俺と道灌は目を合わせて苦笑いした。


契約の箱とは失われた聖櫃とも呼ばれている。

マナを納めた金の壺、アロンの杖、モーゼの十戒を記した石板が収められていた箱の事だ。

マナとは旧約聖書に登場するエデンの園のリンゴ(もしくはリンゴに似た果物)を暗に指しているのではないかと考えられている。たぶんソーマやネクターなどのような、伝説上の神々との関わりを持つ食物だろう。

アロンの杖は数々の奇跡を起こしたと言われている。

時に蛇に姿を変え、触れた水を血に変え魚を死に至らしめ、蛙の大群を出現させ、ブヨやアブを大量発生させ、疫病を流行らせ、雹を降らせ、イナゴの大群を発生させたとも言われている。

ユダヤ人のエジプト脱出時には、モーゼが杖を掲げると海が割れ道を開き、追ってきたエジプトの軍隊を海に飲み込んだ杖と同じものとされている。

ソロモンが契約の箱を所有していた時代では金の壺とアロンの杖はすでに失われていたらしい。


道灌がぶっきらぼうに呟いた。

「この人数じゃ、ちときつい・・・・」


「大丈夫ですよ道灌さん。私の知り合いの人外の者達も集まりますから」

スミスさんがぎこちなくウインクした。



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