表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬神憑きの末裔  作者: 山田健一郎
12/20

悪魔

男が宙に浮いている。地面から1メートル位を浮遊している。上半身裸だ。

ネパール人のようだ。

周りには誰もいない。

だがこの場には異様な威圧感が存在する。魔界 地獄の気配がする。

俺は何度も経験してきた・・・・・だが今回は桁違いだ。


男に近づくと急に圧力が増した!めりめりと音を立てて男が変貌していく。

顔がカラスのそれに変わっていき背中に翼が生え始めた。

恐ろしいうなり声を上げ始めた。ソロモンが使役していた悪魔の一人だ!!


俺の背骨がごりっと音を立て動き始めた。背骨がゴツン、ゴツンときしみだした。

俺の中の魔が悪魔に共鳴している。体中に獣毛が生えてきた。

鼻が前に突き出し口が裂け牙が伸びてきた。身体が腕が足が倍の大きさに膨らんでいく・・・・

体中の骨が筋肉がきしんでいる。

意識が朦朧としてきた。頭の中で狗神が吠えている。

「人も魔も自分も食らいつくせ!!」

俺は狗神と同化した・・・・・・・・・


悪魔が素早い動きで襲いかかってきた。人間の目で追えるスピードでは無い。

だが俺の動きはそれをはるかに上回った。

悪魔の攻撃をかわし後ろに回り込み翼を引きちぎり首元に食らいついた。

貪り食った。俺の口元は悪魔の血と肉でぐちゅぐちゅになった。

悪魔が断末魔の悲鳴を上げた。俺は殴って殴って殴って殴って殴って・・・・・・

気がつくと周りから経文を唱える声が聞こえた。いい香りが漂ってくる・・・・・・・・・・・・

俺は気を失った。


俺は目を覚ました。

ベッドの上にいる。

「気がつきましたか。犬神さん」

なじみのラマ僧が立っていた。

「犬神さん、あなたは己の中に住む魔物に完全に取り込まれるところでしたよ。

 危ないところでしたが、なんとか引き戻せました」

「ありがとうございました。面目ないです・・・まだまだ修行がたりないようです」

「いや!犬神さん!あんな上位悪魔が出てきてしまっては仕方ないと思います。

 ところで犬神さんは死者の書に用があって来たのではないのですか?

 残念ながら死者の書は奪われてしまいました」

「奪われた?」

「ハイ、会話と風体から察するに日本人の集団だと思われます。

 一人の左手の甲の上には六芒星の刺青がありました」

「ソロモンの紋章・・・・・・・・」

「そうです。彼らは死者の書を使って悪魔を呼び出したのです。死者の書は時代を経てソロモンの秘宝とも

 呼ばれるようになりました。死者の書は悪魔を呼び出す事が出来るのです」


「犬神さん彼らは日本に戻ったことでしょう。四国の剣山にもソロモンの秘宝が眠っていると言われています。彼らを止めて下さい。このままでは地獄の釜の蓋が開いてすべての悪魔がこの世に出てきてしまいます。そうなれば人類は滅亡するしかありません。我々も全力で阻止するつもりですが、ぜひ犬神さんの協力が必要です」

「わかりました、今すぐ日本へ戻ります」


俺は一旦東京に戻る事にした。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ