無人島
無人島に流れ着いてから数日。
女性は何も食べられずにいた。
このままでは息絶えてしまう。
女性は落ちていた大きな鍋を蹴り飛ばした。
ずっと悩んでいた女性だったが、ついに良い方法を思い付いた。
それは卵を茹でて食べること。
女性は自分で産んだ卵を鍋で茹でた。
そしてその卵で空腹をしのいだ。
大きさはダチョウの卵ほどあるのでお腹は一杯になった。
自分の体内で作られたものを自ら食べる。
この方法なら一生、楽して生きられるかもしれない。
女性は卵を産める鳥人間に生まれて良かったと思った。
五年が経ったが、ゆで卵だけの生活はまだ続いていた。
娯楽はないが女性の生活は充実していた。
女性は無人島から抜け出すことをもう諦めている。
鳥人間は羽があり、飛ぶことが出来るのに。