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年終わり、家族と

大晦日なので。

最近執筆が停滞しております。

年明けからは頑張ります(予定)。

「シンデレラ様、今年もお世話になりました。

来年も誠心誠意、お世話をさせていただく所存です。

よろしくお願い致します。

シンデレラの侍女はそう言いながら、小さな袋を手渡した。

「ええ、こちらこそよろしくお願いしますね。

ところで、この袋は何なのかしら?」

シンデレラは渡された袋を開けようとした。

「ああっ!シンデレラ様、まだです!まだお開けにならないでくださいませ!」

侍女は大声で止めた。

「ご、ごめんなさい。まだ開けてはいけないのね?」

「わ、私のほうこそ、大きな声を出してしまい申し訳ありません・・・・・・!これはこの一年、お世話になった方に贈るもので、新しい年が来てから開けるとヴェルデシュタインでは決まっているのです。」

「まあ、そうなのね。どうしましょう、私何も用意していないわ」

「よろしいのですよ、初めてお知りになったのですから。サルスではこういったものなどございませんでしたか?」

「・・・・・・さあ、どうでしょう。私はいつも部屋に閉じ込められていたから・・・・・・」


 

『なんでこんな日にまでお前の姿を見なきゃならないんだい』

 

『今日はここから出てくるんじゃないよ!』

 

『大丈夫よお母様。外から鍵を掛けておけば、こいつはここから出られないわ』

 

『ふん!いっそのこと、この中で死んでくれないかね』

 

『それじゃあ家の掃除を誰がするの?私は嫌よ』


 

いつもそんな声を聞きながら、シンデレラは一人寒い部屋の中で震えていた。

シンデレラの憂いの表情を見た侍女は、

「申し訳ありません、シンデレラ様。辛いことを思い出させてしまいました・・・・・・」

「いえ、良いのです。あの人たちとはもう何の関係もありませんし、何よりこれからの私の家族はあなたたちですから」

「シンデレラ様・・・・・・!」

「ふふ。では、私は少しタツキの所に行ってくるわ。これは確かに受け取りました。ありがとう」

「城内ですが、くれぐれもお気をつけくださいませ」

「いつも一人で行ってるから大丈夫よ」

そう言ってシンデレラは自室から出た。

 


「シンデレラ様、これを受け取ってください!

来年もよろしくお願い致します。」

「これも!」

「私のも!」

歩いている途中、城に仕える人たちからたくさんの袋をもらった。

「みなさん、こちらこそよろしくお願いします。あと、ごめんなさい。私何も用意できていなくて・・・・・・」

「お気になさらず!これは見返りを求めるためのものではありませんから!」

いつの間にかシンデレラの手にはたくさんの袋が乗っていた。

 

 

 

「タツキー、開けてー?」

「?シンデレラ?」

扉の向こうからシンデレラの声がする。

扉を開けると、たくさんの小さな袋を抱えたシンデレラ。

「ありがとう」

「そんなに貰ったのか」

「ええ。ってタツキ!なんで教えてくれなかったの⁉」

「何がだ?」

「お世話になった人たちに贈るって、私知らなかったわ。みなさんくれたのに・・・・・・」

「そうだったな、すまない。来年はしような」

「・・・・・・ええ」

ふてくされるシンデレラを見て、タツキの頬がゆるむ。

「そんなにたくさん貰って、俺のも貰ってくれるか?」

タツキは着ているジャケットの内ポケットから小さな袋を出し、シンデレラの前に差し出した。

「・・・・・・受けとりたいけど、手が塞がってるの。上にのせて?」

「はは、本当にたくさんだな。とりあえずそこにあるテーブルに置こう」

「ありがとう」

シンデレラを部屋の中へ促し、扉を閉める。



「シンデレラ、これは私たちからだよ。来年もよろしくね」

「お父様、お母様、ありがとうございます!」

「よかったな」

「ええ!今年は用意できませんでしたが、来年こそは必ずお渡ししますね!」

「うん、待ってるよ」

「シンデレラ、俺にもあるよな?」

「ふふ。どうしよう?」

「え。」

 

 

こんなに楽しい年越しは初めて。

いつも新しい年など来なければいいと思っていたから。

でも、この国に来て、この人たちの家族になれて、私は幸せよ。

 

お読みいただきありがとうございます!

いったい袋の中には何が入ってるのでしょうか?

それは年明けのお話で♪

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