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脈流(RW1)  作者: 智路
第2部 幼鳳のさえずり
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第3-4話 次元と元数

第3-4話 次元と元数

「物質界は3次元だという主張があるが、どう思う」

「誰も確かめた者はいない」

「では、ガウスの次元の定義を聴こうか」

「かつては、次元同士は独立していなければならないとされていた。しかし、この世界に完全独立系は存在しない。完全独立系のことは知っているよな」

「当たり前だ。地球では初等教育で学ぶ」

「つまり、次元も相互に交わっているのだ。相互関係があるということだな」

「お前。今交わると言ったな。後で交わる集合の話をしてやる」

「おお、聴かせてもらおうか。話を戻すが、われらが3次元と呼んでいるのは、見えている部分の次元だけなのだ。しかも、人は3次元を直接認識できない。認識できるのは、2次元だけなのだ。残りの立体部にあたる1次元は測定などによって補完や推測しているだけだ。そして、次元が独立しなくともよいなら時間も次元に数えることができる。つまり、次元とはこの世界をどのようにみるかという考え方によっても変化するものだ」

「それだけか。その程度なら地球の中等部で学ぶぞ」

「話は最期まで聴け」

「話してみろ」

「2つほど披露しようか。1つは、元数についてだ。次元と元数は深い関係があることは知っているな。そして、われらが3次元と呼んでいる物質世界は、実数だけが人に見えたり感じたりできる。この前提で話を進めると、2元数を線型結合 x + yεなどで表し、 xを実数部として扱うという定義は真実と異なる可能性が高いことがわかる。2元目が+ yεであるか否か誰も確かめた者はいないのだ。この実数世界でさえ非線型であるのに2元数が線形であるという定義は、あまりにも短絡的過ぎる。2元目は+ yεではなく完全に未知なのだ。これは、物質界の上流界の研究が進めば、明らかになるだろうというより、わたしの次元論と上流界の研究は共に進むことになると思っている。上流界は未知の元数が次元を構成している可能性が高い。そして、物質界は上流界の元数が特殊なとき現れる次元で構成されている」

「面白い。わたしも知っていたことはあったが、そこまで考えたことはなかった。で、もう1つは?」

「複素数についてだ。 2元目は未知だと言ったが、複素数だとして考えるとこの物質界の説明がつくことがある。説明できたからといっても真実とは限らないが、問題へのアプローチにはなるだろう。さて、この物質界の物質同士の関係、即ち力は2乗が支配している。この前提から2元数の1元目の実部は負の値を持たない。負の値を物質界にもたらすのは2元目の虚部である。こう考えると何故時間が過去に向かって進まないのか説明がつく」

「もっと詳しい説明を聴かないと理解できない部分もあるが、それはあの紋章に繋がると思うか」

「思う。思うが、確証はない。だから、こうやって二人で論議しているのではないか」

「そうだった。つい、この論議が嬉しくて目的を忘れていた」

「お前、優のことをどう思っているのだ」

「ど、どうといわれても……」

「そういう意味じゃない。本当に心配しているのかと聞いているのだ」

「あ、当たり前のことだ」


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