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脈流(RW1)  作者: 智路
第2部 幼鳳のさえずり
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第1-16話 深い穴

第1-16話 深い穴

「3先祖神からの伝言を伝える。即刻作業を中止せよ。ほどなく、3先祖神の配下のものたちが、救出に来る手筈となっている」

「はは~。有難いことです」

 セガルの者たちは、勝智朗のことを完全に信じきっているようである。騙していることに些か心が痛むが、仕方のないことだと思って勝智朗は塞がれた通路を辿って入り口を見つけた。よくよく見れば塞いだ跡がわかるのだが、この広大な湖からそれを見つけることは不可能に近かった。

「アバさん、突入しろいう命令です」

「どこから突入しろというのだ?」

「こちらです」

 そこは、超人類の何人かにとっては移動に30分くらいの場所であった。空海もその何人かの中の一人である。

「空海さん、ここを壊してください」

 合掌した空海の右手と左手の隙間から灼熱の閃光が放たれた。

「これなら、わたしにも出来たわ」

「お前は壊し過ぎるのだ」

 誰からともなくシヴァは苦言を受けるのであった。ともあれ、地底への通路はできた。後続隊を待つものと思っていたが、

「わたしが、一番乗りよ」

 またしてもシヴァであった。

「お前なぁ、もう少し後先を考えろ」

「いえ、続いてくれませんか。急ぐのです。日蓮さんは戻って後続隊を連れて来て貰えませんか」

 シヴァが一番乗りであったが、最速の者は空海である。

「また、岩塊ですが……」

「ちょっと、待ってください。この岩塊の先に彼らがいると怪我をするかもしれないので」

 そう言った勝智朗は確認が済むと、

「やってください」

 勝智朗の先触れがなければ、セガルの者たちは驚いたであろうが、

「助かった。3先祖神様はわれらを助けてくれるのだ」

 そういう声があちこちから聞こえた。しかし、通路ができても、ここにいるのは空海一人であった。シヴァなどは、まだ道半ばである。それでも、空海は、

「次は、どうすれば?」

「こっちの洞にきてください」

 勝智朗はリータにこの洞から人を遠ざけておくように話していた。

「ここの地下にできるだけ深い穴を開けてください」

「ふむ」

 そう言うと同時に合掌した手から先ほどの岩塊を壊した閃光とは比べ物にならないエネルギーがほとばしった。洞の全てが50cmに近い水溜りとなっていたが、その水は空海の開けた大穴に吸い込まれていった。後は後続隊のアバが来てから判断を仰ぐことになっていた。

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