春休み
晴れた夏の日は嫌いだ
必要もないのに肌が焼ける
夏の雨は嫌いだ
雨上がりの蒸し暑さが気に入らない
晴れた夏の夜は嫌いだ
アスファルトが街を温め始める
雨の降った夏の夜は嫌いだ
夏のくせに涼しくて気味が悪い
冬は大っ嫌いだ
たまに降る雪は嫌いではないけれど
水気を多く含んだ雪は嫌いだ
傘を差さなければいけないから
軽くて小さい雪は嫌いだ
すぐに溶けて足元を濡らすから
積もる雪は特に嫌いだ
足が雪に埋まり濡れてしまうから
春は嫌いだ
嫌いな虫が湧いて出てくる
花は嫌いだ
葉の裏には必ず何かがいる
水辺は嫌いだ
意味があるのかないのか虫が浮いている
花粉は嫌いだ
別に花粉症ではないけれど
秋は嫌いだ
思いもしないところから虫が降る
紅葉は嫌いだ
もうすぐ冬になるのだと思い知らされる
秋の風は嫌いだ
冬の風よりも空しい思いをさせられる
秋は空が特に嫌いだ
空を見上げているだけで気分が沈む
犬は嫌いだ
笑っているような顔が癇に障る
猫は嫌いだ
調子に乗った態度が気に食わない
人間が嫌いだ
自分の事しか考えられないと気付いてしまったから
親が嫌いだ
どうして我が子の前では立派になれるのだろうか
自分が嫌いだ
嫌う事しか出来ない自分が気持ち悪い
妹が嫌いだ
顔が自分と酷く似ているから
先生が嫌いだ
間違った大人の姿を見せられているようで
じゃあ僕は何が好きなのだろうか
多分きっと何も好きではない
じゃあ僕が嫌いでないものは何だろうか
多分きっと全て嫌いだと思う
だけどまあ僕だって
いつか何かを好きになれる日が来るのかもしれない
そう考えて気持ち悪い笑みを浮かべる自分が
僕はどうしようもなく嫌いだ
だからもう
布団に潜るとしようか
夏休みの宿題で文学作品を一つ作れと言われました。
知るかンなもんと思いつつも出来上がった失敗作です。
……失敗作を上げるのもどうかと思いますが、まあ中二的、あるいは…………な思想を持った人は共感できるかも、いや出来ないか、ん? などと考えた末、一応、もう二度と作れそうにない作品っぽいので上げることにしました。
寝起きで不機嫌度MAXな時に書いた割に最後辺りでは目が覚めて、ちょっといいこと書こうかな……、ってなってます。
まあ、暇は潰せたかな? 程度の作品なのでそこまで気に留めなくても結構だと思います。