第58話 ヤンキー男の娘
新しく作り上げた話です。いつもよりかなり短めになってますがよろしけお願いいたします。
それと人気投票の方もよろしくお願いいたします。
それでは本編に( ^-^)
凪side
「…ちょっとあんた。いつまであたしについてくるつもり??」
桜時市の繁華街"街"。その路地裏にてあたしは早足で歩きながら横の"男"にそう問いかける。
「あ゛ぁ?んなこと知るかよ。俺様の行く先にてめーが居るだけだろ??」
そしてさっきからあたしの横をまるでシンクロしたかのように歩くこの男――いや。男の娘はさっきからまったく同じ反応を繰り返すばかり。
いい加減あたしも頭が痛くなってきたわ…。
「はぁー…あんたもしつこいわね?なんでそこまであたしにこだわるわけ??」
「…ガキ。てめー、俺がてめーみたいな三下の小学生なんかに発情するとでも思ってんのか??あ゛ぁ??」
「うっさいわね。あんたこそ男のくせしてそんな格好してんじゃないわよ。変態」
「あ゛ぁ?俺のこの格好にケチつけんねかガキ??…上等じゃねーか。ぶっ殺すぞ??」
「ふん!!そんな女物の着物なんかを着たあんたにそんなこと言われても痛くもかゆくもないわ!!変態」
「…ガキ。俺達はもう我慢できねー。てめーの着てるそのオーダーメイドの制服ひんむいて路上に突き出すぞ?」
「あ〜らご生憎様。あたしのこれは列記とした学校の売店に販売されていたSSサイズの制服よ??オーダーメイドじゃないわ!!」
「ちっせー事に変わりはねーじゃねーか??あ゛ぁ??」
「さっきからあ゛ぁあ゛ぁとうっさいわね!!あんたこそ日本名物の【よいではないか?よいではないか?あーれー】されたくなきゃさっさとあたしの前から消えなさい!!目障りだわ!!」
「上等じゃねーか!!面に出ろやー!!!!」
――はぁー。なんであたしこんなことやってんだろ。確かさっきも今みたいな流れだったわよね…。
目の前の着物姿の彼。その姿を見てあたしはつい思い出してしまう。
この状況を作り出してしまったさっきのことを――
凪side(20分前)
「さて。一丁行きますか!!」
そう宣言した後。あたしは迷うことなく人が押し倉饅頭状態のその空間へと突撃していく。
まるでサウナみたいに暑苦しいその空間。だけどあたしには関係ない。
なぜならあたしの小柄(ロリって言ったら折檻よ?)な体はこういうときにこそ役に立つ。
そう。目の前にはギュウギギュウ詰めになった人の山。しかし抜け道は山というほどある。
――あたしにとってみれば。
小柄な体はこんな人の山に潜り込むには最適。あたしは人の中をまるで蛇のようにスイスイ進んでいくのであった。
我ながらなんてすばらしい体に産まれたのかしら…。
もう一度言うけど小柄なだけ。決してロリなんかではないわ!!
そこを間違えたら死刑だからね!?
あたしは心の中でそう高らかと宣言するのだった。
「んぎゅぅ〜〜……わっ!!」
――そうこうしているうちにあたしはついに人だかりを抜け出していた。
だが最後の隙間を抜けるとき勢い余って人だかりの円の中心へと転がり込んでしまう。
「あいたたたぁ〜…」
思わずそんな言葉が口から出てくる。だが次の瞬間。あたしの目の前に現れたのはあたしを気遣ったらしい優しい手――
「んだぁこのクソガキ。邪魔だ邪魔だ。てめーも俺の通行の邪魔するんなら……ガキだろうと容赦なくぶっ殺すぞ!?」
――ブンッ!!!!
――ではなく。なぜがあたしに蹴りを繰り出してきた金髪の和服美人だった!!
「あぶなっ!?」
「ちっ!!避けんなクソガキ!!大人しくのされてろ!?」
「はぁ!?ふっざけんじゃないわよ〜!!!???」
おそらくあたしと同い年くらいの金髪の和服美人。その一撃目の蹴りをあたしは本能的になんとか避ける。
だがなぜかさらに攻撃を仕掛けてくる彼女にあたしはバクテンしながらその攻撃を避け続けてまくった。
「あーもう!!なんだこのガキ!?イライラする!?」
そして遂に向こうが折れる。「ちっ!!」と大きく舌打ちした彼女はそう言うと大きく肩を揺らしながら息を整える。
その様子を見ながらあたしも逆立ちのままの体を腕をバネのようにして使い。一気に元の体制に戻した。
――こいつ。着物きてるくせになんて機動力?
あたしもゆっくりと息を大きく吸い込みながら息を整える。
だが目の前の彼女の運動能力にあたしは動揺してしまっていた。
『『はぁ…はぁ…はぁ』』
牽制しあうようにお互いを睨むあたしたち。既にあたしたちの動きについてこれなかったのかさっきまでいた人だかりはまるっきり見えない。
よくよく周りを見てみるとさっき居た場所とはまったく別の場所。
すでに真備に任せた方の人混みすら見えない場所まで来てしまっていた。
――そしてその景色の中あたしの心にあったのは最早人だかりへの興味なんかではない。
人だかりの中心にいた彼女の正体についてであった。
「…あんた誰よ?」
不本意ながら本日2回目のそのセリフはあたしの目の前にて思いっきりあたしのことを睨んでいるそいつにはこれ以上にないほどの挑発となった。
「あ゛ぁ??なんだこのクソガキは…ぶっ殺すぞ」
「…あたしはあんたの事を聞いただけなのになんで殺されなきゃいけないの。だいたいあんた。その格好でその言葉遣いって…」
「うっせーなクソガキ。俺がどう喋ろうが勝手だろ。マジでぶっ殺すぞ?」
「ならせめてその格好何とかしなさい。ギャップ萌どころの問題じゃないわよ」
――そう。皆さんもDREAMしてみてください。
目の前には金髪の長い髪を腰まで伸ばした美少女。
しかもそんな容姿なのに格好がピンクを色の主体とした和服を着ているというギャップ萌サイコー!!!!なパッキンの美少女。
不覚にも女のあたしでもドキリとさせられてしまった彼女。
だがもしそんな彼女が――
「あ゛ぁ?何訳のわからねーこと言ってやがんだこのクソガキ?マジでぶっ殺すぞ!?」
――物凄く口が悪かったらどう??
あたしはギャップ萌を通り越してギャップ引きしてしまったわ…。
そしてこの一連の動作であたしはこいつがどんな奴か判断した。こいつは――
【最低な“男”】。
「…ちっ。なんでこんな最低ヤローなんかと会っちゃったのかしら?」
「んだとテメー。その舌打ち聞こえてないと思ってんのか?あ゛ぁ?」
「あーはいはい。悪かったですね。ごめんなさい。この変態“女装男”」
「あ゛ぁ?んだと…人のファッションに口出す前にまずはお前の体型なんとかしろよクソガキ!?」
「…っ!?うっさいわね!?人が気にしてることを…!?」
「見た目は大人ぶって中学の制服を着た幼稚園児だけどな。はぁん!!テメーなんか大人しくママのおっぱい吸ってお昼寝してな!!」
「…!?…上等じゃない!!表にでなさいこのヘンターイ!!!!」
――こうしてあたしは1人の最低な"男の娘"と出会ったのだった。
「――あ。よく考えてみればここが表じゃない」
「あ゛ぁ?どこまでナメてんだこのクソガキ!!!!」
`
作「今回は男の娘キャラ。むしろ"おと娘"キャラの登場でした〜」
日「ふぅ〜…ヤンデレじゃなくてよかった…」
輝「すみませんヒナタン。前回はちょっと調子にのりすぎちゃったみたいです。そこで今回は――」
真「おっし!!今回は俺の話を聞いてくれ日向!!」
日「…真備か。まぁ真備ならそうそう末恐ろしい話はしないだろうから安心だな…」
輝「えぇ。そういうことです。というわけで今回のテーマは"ダルデレ"ということで行きます」
日「ダルデレか…すまん。俺は聞いたことないな」
真「大丈夫!!それを今から俺が例え話を元にしながら話すからな!!――あるところに隣同士に暮らし幼馴染の男女がいました」
日「おい待て真備。それじゃあ前回と同じだろ?」
真「まぁ待て日向。ここから話が分岐していくから――お互いに一人暮らしの少年は自然に幼馴染の少女へと家事全般を任せるようになる――」
日「うーん。あんまり変わってないような…」
真「ところが少女は家事は得意なのに全然働かず動こうとしなかった」
日「前言撤回。無茶苦茶変わってる!?」
真「そんな少女を見て少年は自ら家事をしようとする。だが少年はまったく家事ができなかった」
輝「あははは〜そう言えばヒナタンもそうですね〜」
真「そして家事ができない少年と家事をしない少女の生活は続き。ついには――」
日「ごくり…」
真「続きはWebで!!!!」
日「お前もかー!!!!」
輝「いやーなかなかよかったですねマキビン。まるでヒナタンの将来を暗示しているような内容でした」
真「へへ!!まぁ俺の手にかかれば朝飯前だぜ!!」
作「てなわけで空気な俺復活だぜー!!次回予告!!
守られ護られいつもいつもみんなに助けられる。
そして今回もまた助けられてしまい少女は涙を流した。
しかしそんな少女にも貫き通したい意地がある。これはか弱き少女がほんの少しだけ強くなるお話。
分岐点に立たされた少女はその瞳に勇気を灯し決意する。
次回【決意の桜】」
日「問題nothingだぜ!!」
知「ヒナく〜ん。そろそろご飯だよ〜?」
日「チエ!!これからも末永くお付き合いをお願いします!!毎日味噌汁作ってください!!」
知「へ?へ?ふぇー///」
真「…なぁ輝喜。日向は自分が何言ってんのか本当に理解してるのか?」
輝「いえ。たぶんしてませんね…これが餌付けの効果でしょうか?」
真「…ご飯食わせる代わりに人生食われてりゃ話にならねーよなー」
輝「マキビンうまい!!座布団一枚どうぞ!!」
次回に続く!!