第57話 不思議な魔女
この度。第57話〜第59話までのお話を変換させていただくことを御了承ください。
そしてこの変換に関してもしかしたら混乱される方もおられるかもいたしません。そのことを作者として深くお詫び申し上げます。
作者†HYUGA†
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???side
「おい!!いったいどこに連れて行くんだよ!!??」
「…分からない。 I は言われたとおりに動くだけ。じゃないとお母様に誉めてもらえないから」
"街"の華やかな街並みが建ち並ぶ中央通り。だがそこから道一本外れた裏道は昼なのに薄暗く人通りなど見あたらなくなる。
そしてそこを歩く2人の影があった。
1人は体格がよく見た目スポーツが得意そうな体育系少年――羽前真備。もう1人はなぜかトンガリ帽子に箒を持った所謂魔女っ子スタイルの少女である。
一見してみると何の接点もなさそうな2人。実際に約20分前までは真備自身こんな状況になってしまうとは予想だにしてなかった。今日はもう何も起こらない高をくくっていたのだ。
しかしそれでも真備は彼女と一緒に進んでいく。
なぜなら目の前にいる彼女は【寂しがりな魔女】だったからである――
真備side(20分前)
「…なんだこりゃ」
俺こと羽前真備は一気に突撃を繰り出した人混みの中にいた1人の女の子を見て思わず空言のようにそう言ってしまう。
なぜなら俺の目の前に突然姿を現したのはまさしく魔女っ子。
アニメやら漫画やら小説やら。とにかくそのへんのもんに出てきそうなはっきり言ってこれを着ている奴が普通の顔した奴ならかなり痛い格好なんだけど――
なんでだろうな。こんなの一切興味ない俺が言うのもあれだがめちゃくちゃ似合ってる!?
ぶっちゃけそのままテレビにいてもおかしくなさそうなのがなんか俺の前に出てきやがったのだ!?
「……??……??……??」
そいつは突然転がり込んできた俺を不思議そうな顔しながら見つめてくる。
少しだけ低めの身長故。おそらく一見すると俺と彼女は兄妹のようにも見えてしまいそうだ。
だが敢えて言おう。姉貴じゃなくこいつみたいな奴が妹ならよかった!!
俺は可愛らしい――所謂萌えというジャンルにおいてこれまで出会ってきた女の子の中でも上位に入る彼女を見ながらうんうんと頷いてしまう。
ちなみに姉貴はNOだ。ツンデレにもロリにも興味はない。あとついでに血のつながった姉弟だし。
知恵理はありだがわざわざ振られにいくほど俺はバカでも鈍感でもない。こいつの場合はさっさと日向とくっついちまえばいいものを――なんでどっちも告白しねーんだ??
他の女子と言えば百合。だけど百合はどちらかって言うと苦手なタイプだ。あの男言葉と人の弱点を的確に突いてくる情報力。おそろしい。
うずめちゃんは今日会ったばかりだからまだ何とも言えないな。
最後に刹那だけど――あいつに至ってははよく分からん。
最初は俺と姉貴を殺そうとしてきたけど、後から姉貴が言うには実は繊細で泣き虫らしいし。極めつけが別れ際のあれ。
なんで頬を赤くしてたんだあいつ??本当に不思議だな??
まぁもしかするともう二度と会えないかもしれないから何とも言えないんだけどな――
そこまで考えて俺の思考は再び現実に帰される。なぜなら俺の頬に何かが触れたからだ。
「…??…何か用か?」
俺はその手の主である目の前の魔女っ子に思考の中から目を移し尋ねる。
すると魔女っ子は逆にまるでなにも知らない幼子のように心底不思議そうな顔をしながら首を傾げるのであった。
「… You 誰?? You も I をいじめるの??」
だが俺は彼女の声を聴いた瞬間。それは俺自身の勘違いだと気付かされた。
何も知らない幼子のような顔――どうやらそれは俺の勝手な妄想だったみたいだ。
実際に彼女の声を――今にも泣いてしまいそうな彼女のその声を聴いてしまった俺は今まで抱いていた感情を一気に開放されてしまった。
「いじめる…??何でそう思ったんだ??」
だから俺は怯えた目をしながら俺の頬に触れている彼女を安心させるために優しくそう語りかける。
「…ここにいる人はみんな I を写真に撮ったり触ったりして虐めるの……だから You も I の事虐めちゃうかも……って」
「へぇ〜そうなんだ…だってよ皆さん??」
そして彼女の口から出された言葉は明らかに犯罪まがいのバカどもがやらかしてきた"あれ""これ""それ"そのままサツ(警察)につきだして良さそうなものばかり。
俺は頭が痛くなるのを抑えながら周りにいるヤローどもを思いっきり睨みつけた。
『『………っ!?』』
俺の睨み。さっきから「なんだこいつ??」みたいな目で見ていたバカどもの一部がそれだけで半歩後ろに下がってしまう。
しかも幸か不幸か。その殆どがうちの学園の制服を着た奴らだから俺の睨みに大半が怖じ気づきこの場から立ち去っていった。
「……あんたらはどうする??まだここに居るか??」
――だがそんな空気の中でも立ち去らない奴らがいる。はっきり言って血統書付きのバカどもだ。
話は変わるが。今俺が着ている制服は黒を主としたまぁ一言で言うなら【学ラン】と呼ばれるものだ。基本的にラフな格好が好きな俺は気に入ってないが今はこの話はいい。
問題はあっちの制服。あちらの制服は茶色を主としたブレザータイプのちょっとばっかし大人びた制服だが――1つだけ確認させてもらうとこの街に学園は1つしかない。
それはつまり。今目の前にいるこいつらが――
「なんだこいつ。中等部の分際で俺たちのやることに口を挟むんじゃねーよ」
「…どうもすんません先輩方。俺は不器用なんで」
――桜時学園【高等部】の悪ガキどものおなーりーだということだ。まったくマジで胸糞わりー……
思わず心の中で悪態を突いちまう俺。だけどそれも致し方ないことだ。
"この子"を見るあいつらの目がむちゃくちゃ気にいらねぇからな!!
「……で?先輩方は一体何がお望みで??」
「そうだな。とりあえずおまえの後ろにいるその子を所望するかな。後は――今俺達の前にいる生意気な後輩が地にへばり付く姿を――」
おそらくリーダー格であろう男の声に周りにいるやつらはゲラゲラと下素な笑いを漏らす。
今までもこんな奴らは何度も見てきた。これでも伊達に超美少女の姉貴や知恵理とツルんでるわけじゃない。
だがこいつらはこれまで俺達に喧嘩をふっかけてきやがった奴らの中でも低底の奴らだ。
相手の力量を量り見ることもせず。総てにおいて自分こそが世界の中心だろうと勘違いしてやがる頭じゃなく躰から腐ってやがる糞ったれな奴ら。
――でも。今まで俺達に喧嘩を売ってきたそいつらが最後にどうなったか――
俺はそれを思い出してついつい口元を悪人ばりに歪ませるのだった。
「……さてと。不本意だけど糞退屈なパーティーの始まりだ」
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作「今回は魔女っ娘の登場でした〜」
日「また。濃いキャラクターが出て来たな〜」
輝「えぇ。一人称は英語で"私"を意味する"I"二人称は同じく英語であたなを意味する"YOU"それに付け加えてどうやらクーデレみたいですね」
日「あぁ。ツンデレの凪。クーデレの魔女っ娘。となると次はヤンデレあたりが来るんじゃないか(笑)」
輝「あははは〜あり得ますね〜。……ところで知ってますかヒナタン?実はヤンデレは主人公ともっとも親しい女性キャラに発生する可能性が高いんですよ?例えば――幼馴染とか」
日「――は?」
輝「まぁ。例えばの話ですけど――隣同士に住む幼馴染の男女。お互い一人暮らしの少年は自然に幼馴染の少女へと合い鍵を渡し家事全般を頼むようになる――」
日「何か聞いたことがあるような設定だな…」
輝「そんなある日。少年は寝付きが悪かったのか丑三つ時の時間帯に目を覚ましてしまう。初めは眠い目をこすりながら体を起こした少年であったが…ふとある異変に気がついた」
日「まぁ。俺はそんな時間に起きることはないけど…なぁ輝喜。この設定ってやっぱり――」
輝「話を折らないでくださいヒナタン。おほん――ガザ…ガザ…と隣の部屋のから音がする。少年はその音に完全に目が覚めてしまい。恐怖を覚えながらもその音の正体を確かめるためにドアの隙間からそっと覗き込む。するとそこには――」
日「ごくり…」
輝「続きはWebで♪」
日「っておーい!!そこまで伸ばしといった何じゃぁあい!!俺眠れないよ!?夜眠れなくなっちゃうよ!?」
輝「またまた〜ヒナタンが夜眠れないなんてありえませんて!!」
作「そうだよな〜。で、空気なので次回予告!!
少女は1人の少年と出会う。だが彼は――いや。彼女はおかしかった。
和服金髪美人の彼。そんな彼に少女はたじろぐ。
次回【ヤンキー男の娘】」
日「問題nothingだぜ!!」
知「ヒナく〜ん。そろそろご飯だよ〜」
日「ひっ!!ちょっと待ったチエ!!おまえの手に持ったそれは何だ!?」
知「…?…何って包丁だよ?あれ?ヒナ君どこ行くの〜!?」
日「俺はまだ死にたくなーい!!!!」
知「…うふふ。もうヒナ君たら――私の作ったもの以外食べたらダメなんだからね…」
輝&作『『え゛?』』
次回に続く!!