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時の秒針  作者: †HYUGA†
第二章;異端者編
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第54話 天より野に舞う


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悲しいっす。お願い誰でもいいからいれてくれ!!



では本編へ( ^-^)_旦〜


           `


???side



「相変わらずこの国の学校は騒がしいな……」




俺は自らの目から入ってくる情報に鬱陶しさを感じながらポツリとそう呟く。


だが相変わらずうるさいこの【空間】にいるザコどもに俺の言葉は届いてない。寧ろ俺の呟きの後からさらに騒がしくなった気がする。


なぜなら俺は日本語で呟いたからではない【中国語】で呟いたからだ。周りの奴らは「マジで中国語だぜ!!」やら「やっぱりカッコいいよね!!」とか「今何て言ったんだろ〜??」などざわめきが増す一方。


俺はこの【空間】にうんざりとしていた。




「……虫けらが♪」




俺は今度は上級の笑顔を浮かべながらこの場の声援にも似たざわめきに応えるようにはっきりとそう口にする。もちろん中国語で。


意味が分からないこいつらにはきっと自分達の都合のいいように受け取られたと思う。これだから人間は滑稽なんだ――


先入観に捕らわれあたかもそれが自分自身の力だと信じ続けている。


全て【地球】の意志だと言うのに――




「……虫けらっすか」


「!?」




だが次の瞬間。俺は目の前にいる虫けらどもとは明らかに違う臭いがするやつが目の前にいることに気がついた。


それは最初【血】かと思うくらいに鮮やかな朱い髪を持つ少女。だが彼女の瞳は笑ってなどいない。言わなくても分かる。こいつは他のやつらとは違うと。


言葉云々の前に虫けらどもとはその身に纏う空気が違った。そう――この国では珍しい血の雰囲気がしたのだ。




「……言葉。分かるんですか??」


「ふふふ。それはどうっすかね??もしかしたら偶々口にした言葉が当たっただけかもしれないっすよ??」


「……そうですね。どうやら僕の勘違いみたいです。忘れてください」




俺はこの目の前の少女がどうも気に入らない。確かに"俺達"と同じ臭いはするがこいつは【血】を嫌ってるように思える。


それが気に入らない。力があるのに力を使わないその姿勢が気に入らなかった。




「……そう殺気立たせないでくださいっすよ。空気が悪いっす」


「え…えぇ。申し訳ありません」




このとき彼女の言葉に俺はある種の確信を得た。確かに俺は彼女に対して無意識に殺気を出してしまっていたようだ。


だがこちらとしても紛いなりにもユニオンナンバーズの一員。チルドレン計画の第2被験者でもある。無意識とはいえ出す殺気は戦闘のプロでも感じ取れないくらいに抑えられているはず。


でもこの女はその僅かな殺気を受け取り感じたのだ。これだけで俺は確信した。この女は"敵"だと――




「…実は僕。この学校に来て間もないんです。ここで出会えたのも何かの縁。よろしければお名前をお教えしてもらっても構いませんか??」




俺は今できる最高の営業スマイルを浮かべると冷静に周りには談笑をしてるようにしか思わせないように女に尋ねる。すると女のほうもそれに応えるようにこれ以上にない営業スマイルを浮かべた。


そして知るのだ。これから敵になるもの同士。お互いの名前を――




「いいっすよ♪うちの名前は【天野うずめ】この学園の中等部2年っす♪」


「ありがとうございます。僕は【李・悶】この学園には2週間前にやってきました。学年は3年です」




――ここに新たな宿命が始まった。






日向side



「……【天野うずめ】か」




昼休み。俺。チエ。凪の3人は普段なら立ち入り禁止のはずの屋上にて昼食を取っていた。


人が落ちないために張られたフェンスにもたれ掛かり屋上全体を見渡してみる。


するとそこには未だにあの日の傷跡が何カ所も残っており俺達の心をブルーにさせる。


だけどそれでいい。


あの日の事は忘れることはないと思うが心に深く刻まなければいけない。そう思った俺達はわざわざここで昼を過ごすのだ。


だがそんな気持ちにひびを入れるかのように屋上の扉が勢いよく開く。


そこから現れたのはいうまでもない。あの夜以降始めてみる真剣な面持ちをしま真備だ。


そして彼の口から託された言葉。それがこの名前だった――




「なるほどねぇ〜。その子と輝喜があたし達の前からいなくなる前に謎の密会をしていた……と。確かにこれは100%と言っていいほど怪しいわね〜」


「コウ君が私達に言わないで単独行動するなんてそうそうなかったからその……うずめちゃん?はもしかしたらコウ君の秘密を知ってたかもしれないってこと?」


「あぁ。たぶんそれで問題nothingだと思うよチエ。俺もだいたい同じ考えだ」




その名前と彼女の大まかなプロフィールを聞いた俺達は三者三様にそう返しお互いに頷きき合う。


太陽の高さと校庭に広がる校舎の影の形から見ておそらく今は1時少し前くらい。


真備は弁当に手を着けていないし女のチエと凪は食べるのが遅くまだ弁当が残っている。たぶん食べ終わるのを待ったらそれで昼休みは終わってしまう。


さらに俺達は良くも悪くも学園で目立つ存在だ。それこそ他学年の教室に顔なんかだしたら――考えたくもない。


"そして何より――"とそこまで考えて俺はチラリと横目である部分を見る。白くて綺麗なある部分を――だから結論。




「……この【天野うずめ】を尋ねるのは放課後にしないか??」





俺は全員を見渡し少し思考した上でそう結論を出して皆に提案をした。




「どうしてだ日向??俺のことなら気にするな。3分で飯を胃に入れる自信があるから」


「いや…違うでしょ」




真備の食事を冒涜したような言葉にすかさずツッコミを入れる凪。さすがは双子だと賞賛を贈りたいよ。


俺はそんな一見アホみたいなやり取りに苦笑いしつつその質問に応えるため弁当の包みを横に置いた。




「うん。考えてもみたら俺達は揃いも揃って言いたくないがこの学園の有名人だろ??」




俺の問いかけに凪は頷き真備は「あぁ」と相槌をうつ。ちなみにチエはさっきから俺のことをジト目で見てるが――なんで??


――まぁ。気にした所でどうでもないか。と俺は話を続ける。




「――で。そんな俺達が生徒が溢れ出る昼休みにしかも他学年の教室にでも行ってみろ??どう考えても問題nothingじゃないだろ??」


「――分かった。それ以上は何も言わなくてもいい。寧ろ言わないでくれ」




俺の話を聞いてでうやら真備は想像したらしい。それで頭の中で考えた結果。あのおぞましい映像が流れたのだろう。


そう。言うなれば海外スターが来日したときの空港のような映像を――




「てなわけで。俺はわざわざそんなことせずに放課後彼女を校門で待ってる方がいいと思う。放課後なら下校指導の先生が校門に立ってるから用事がない生徒は真っ直ぐ帰らなきゃいけねーしな。飯もまだ食ってないし」


「……そうだな。そうさせてもらうかな」




俺の意見を素直に聞いた真備はおとなしく弁当のナプキンをとき始める。


さすがに日本古来からある陰陽師の家らしく純和風の風呂敷のような模様をしたナプキン。その下から現れたこれまた純和風の弁当箱を開け真備は焦ることなくゆっくりと中のだし巻き卵を口にした。


それを確認した俺はその犬のような姿にクスリと笑みを漏らしチエの方に体を振ろうとして――




「ふふふ♪ヒナ君♪私嘘つきは嫌いだよ??」


「すんませんしたー!!??」




怖いくらいに楽しそうな笑顔をつくりながらわざわざパンパンと自身の膝を叩くチエがおり。その後光がさすような姿に反射的に土下座していた。


さて。なぜこんなことになったでしょう??実は答えは分かってたりします。




「ねぇヒナ君??さっきヒナ君の瞳はどこを見てたのかな〜?」


「……問題nothing。全力で黙秘します」


「私…ね。ヒナ君の事なら勘が良くなるんだよ??怒らないから正直に言おうね??」


「くっ……!?だっ…だがチエの問いは明らかに自供の強要。裁判では俺が勝利できる!!」


「……今日から一週間。朝のお迎えと三食の食事抜き」


「すみません。ごめんなさい。俺が悪かったです。だからそれだけはどうかご勘弁を……!!!!」




結局俺は俺自身の財政を預かられている目の前の銀髪幼馴染には勝てなかった。


これが【HINATA KILLER】と呼ばれる俺専用最終兵器【姫ノ城知恵理】だ。




「ふふふ♪じゃあヒナ君♪ど・こ・み・て・た・のかな??」


「……なあチエ。本当に言わなきゃいk――」


「ヒナ君…幼馴染の私にも言えないことなの……??」


「うっ……/// 言う!!言うから!!そのウルウルは止めてくれ……!!」




俺の魂からの叫びにチエはさっきまでの涙目から一変。男殺し(寧ろ俺殺し)の微笑みを浮かべあからさまに自らの一部分をペチペチ叩いて俺の応えを待つ。


その行動に逆らう気はなかった。俺は火照る顔を逸らし拳を握りしめ――




「……ふ……もです」


「ふふふ♪ヒナ君♪聞こえないからもう一回♪」


「あーもう!!お前の"ふともも"つったんだよ!!これで問題nothingだろ!?」




正直に言う。何だこの羞恥プレイ!?俺は全力でこの場から逃げ去りたいんだが!?




「……何をラブコメってんだか」


「ん。まぁこんなのも輝喜がいなくなってから初めてだよな??俺の話聞いて安心したんじゃないか??」


「……それもそうね。あの2人もだいぶ参ってたってことか」


「違いない。今はこのままにしとくか。もういっときこの久々の平和なひと時を……な?」


「分かったわ。このまま2人を見守りましょ」




真備と凪のそんな会話が俺の耳に入る。端からいい人みたいな空気だがつまりを言うと俺達を放置すると言ってるのだ。


この薄情者!!




「はぁ〜。なんか自分で言うのもなんだが今の俺って変態じゃないか??」


「ん〜??確かにヒナ君は変態さんかな?理由つけてまで温かい屋上。しかも私の膝枕で寝るためにあんなに頭を働かせたんだから」


「……本当に何でもお見通しだな」




詰まるところを言えばそういうことだ。俺は変態だからチエのふとももを見てたわけではない。


寝たいからチエに膝枕してもらにたかっただけだ。


だから俺は決して変態なんかではない!!




「わぉ♪ヒナ君肯定しちゃったね♪大胆発言♪」


「……俺は寝る!!!!」




あまりに不利な状況下。俺は照れ隠しに手を頭に敷いてゴロンと横になる。そして周りの声はすべてシャットアウトし脱兎のごとくという言葉みたいに素早く逃げるように瞳を閉じた。




「て…照れ隠しに寝るなんて…ヒナ君可愛い♪」




なにか聞こえたような気がしたが俺はそれを盛大に無視してゆっくりと頭の思考を止めていく。


背中に当たる暖まった地面の妙な暖かさ。吹き抜けるまだちょっと冷たい風の心地よさ。そして照りつける太陽の適度な陽光。その全てが俺を眠りへと誘った。


昨夜あまり寝てないのもまた眠りを増長させる特効薬となっている。


春の揚々としたこの感じ。俺はとても好きだ。


寝やすいのもさることながら口から息を吸い込むたびに流れ込んでくるこの甘い空気も俺はとても気に入っている。


この空間がずっと続けばどれだけ幸せか。そう思ってしまう。あの日のことを一瞬でも忘れられるこの空間が――


だがそれは本当に一瞬のこと。俺はこの暗闇に閉ざされたこの空間の中でどうしても思い出さなければいけない。


あの日のことを――輝喜がいなくなったあの日のことを。




――みなさんお別れです……。大好きでしたよ……。




はっと目を開けると瞳の中にはあの日と同じような青い空が飛び込んできた。


俺はどうやら輝喜と最後に会ったときのことを思い出してしまったらしい。あのときの朝日をバックにした切なげな輝喜の顔がフラッシュする。


俺はあの顔をどうやら一生忘れられそうにない。




『『………………』』




そのとき。俺は辺りが妙に静まり返っていることに気がついた。雲が流れる音さえ聞こえてしまいそうなほど静まった空気。


俺は一瞬寝過ごしてみんな帰ったのかと思い寝ころんだまま顔をさっきまでチエ達がいた方向に向ける。


しかし俺の予想とは反してチエも真備も凪もさっきとまったく同じ場所でなぜか固まっていた。


凪はなぜかしらマジックペンを持っておりチエがそれを両手で必死に止めようとしている。無論2人とも固まっている。


真備は口におにぎりを加えた状態にあり例のごとく固まっていた。




「……問題exist??」




俺はそんなみんなの様子にポカーンと口を開けてそうポツリと呟く。だけどそれでもみんな動かなかった。




「The desire to be happy is common to all as of us……」




そして次の瞬間。俺の光は何者がの手によって遮られてしまう。俺に乗るのは人の形をした漆黒の影。


俺はその影の正体を知るためにゆっくりと顔をもとの場所まで持ち上げていく。

だが結局寝ころんだままの俺。顔をさっきの位置に戻すのにそこまで時間はかからなかったためその姿を見るのは簡単だった。朱い髪をしたその姿を――




「こんにちわっす♪」




その鈴のような声に俺は反応できない。なぜならばその声の主の姿を見て俺自身もほかのみんなと同様に固まってしまったからだ。


俺の顔を真上からのぞき込むように見るその少女。


その姿はあのときの輝喜と同じように太陽の逆行によって神聖なものに思える。


言うなれば"天から野原に舞い降りてきた天女" と言えるくらいだ。




「だ…れ…??」




そのとき遂に固まりが解けたのかこれまた鈴のような声が響く。ずっと隣で聞いてきた声。チエの声であった。


そして俺達は知る。【天】から【野】舞い降りたようなその少女の名前を――




「こんにちはっす先輩方♪"天野うずめ"と申しますっす♪」




           `


作「はい。てなわけでみなさんこんにちは。前回はお休みでしたが今回からまたいつもと同じく敵キャラ情報を載せていきたいと思います」


知「よろしくお願いします♪」


作「じゃあいつもながら時間がないのでさっそく敵キャラさんに来てもらいましょう〜。今回の敵キャラさんはこの人です」


黒「黒羽だ。よろしく頼む」


作「はいよろしくお願いします。今日の敵キャラはこの人黒羽さん。ちなみに本名は


"黒羽一樹(くろばいつき)"


と言います。さらに言わせていただくと一応異端者のリーダー的な人です」


黒「ツンデレのマトーバや生意気なクルースがいるから纏めるのが大変だ」


知「あははは……確かに2人ともキャラこゆかったもんね……」


作「いつもいつも空気にされてたまるかー!!てなわけで黒羽の詳細を述べていきたいと思います。まずは容姿ですがイメキャラはバカテスの【常村】なのでモヒカンが特徴。ちなみに常村をもうちょっと格好良くした感じです。で人の呼び方に特徴があります」


知「あ!!そういえばさっきも私と作者さん呼ぶときおかしかったよね??」


黒「俺は名前を呼ぶとき人の名前を伸ばす癖があるんだ。例えば来栖ならクルース。的場ならマトーバみたいにな」


知「ふ〜ん。ちなみにちなみに私は何て呼ぶの??」


黒「ん〜。ヒメーノジョウじゃないか??」


知「……呼びにくくありません??」


黒「気にするな。俺は一切気にしないから」


作「はい。止め止め!!次回予告行きます!!


ついに邂逅した日向達と天野うずめ。彼女の目的とは何なのか??


その目的を掴むため日向達が彼女に問い詰める。


同じ頃。瑠奈は異端者の2人にある指示を下す。彼らの目的とは一体??


次回【三つ巴の思惑】」


日「問題nothingだぜ!!」


知「そういえば何で今日は黒羽さんが来たんですか??普通リーダーなんかは最後だと思うんですけど??」


黒「……作者が最後の一人の名前を忘れたからだ」


知「ひょ??」


作「いつもながら俺空気!?いい加減構って〜!!」



次回に続く!!

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