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ツンデレ妹、恋に落ちる

春人(兄)のクラスではなく、

妹・春乃のクラスでの話。


教室の朝。

春乃は机に突っ伏していた。


(うう……なんか胸がざわざわする……

 昨日のあいつの顔思い出すと変な感じ……)


昨日。

罰ゲーム同好会に顔を出したときのこと。


亮(兄の友人/自称エロい)の、

あの軽い笑顔と、バカみたいな言動。


そして、七海と春人が手をつないで帰る姿を見て。


胸がちょっとだけきゅっとした。


(……なんか、むかつく……)


そこへ、クラスの扉が開く。


「よっ、春乃。眠そうじゃん」


現れたのは、転校生——


九条 くじょう・はる

・男子

・落ち着いた雰囲気

・天然気味の優しさ

・学校の女子の注目をさらっている


「……なに。用?」


春乃はツンと顔を逸らす。


晴は笑った。


「なんか、困ってる顔してたから」


「困ってないし!」


「そっか。じゃあよかった」


そう言って、軽く髪を撫でるように春乃の横を通り過ぎた。


(……へ? 今、なんか、撫でられた?

 いや、違う、通っただけ……!?)


春乃の頬は一瞬で真っ赤になった。



放課後。

春乃は再び兄の同好会に来ていた。


ドアの前で腕組みしていたのは副会長の 相沢レイ。

毒舌で有名な男だ。

レイが面白そうに言う。


「今日は“告白シミュレーション罰ゲーム”。

 対象は……春乃ちゃん」


「なんでよ!?」


「妹は研究材料として優秀だから」


「やだ!!」


しかし、七海が優しく言う。


「春乃ちゃん、無理だったら言ってね……?」


「……い、いや、やる。

 私だって、そういうの……普通だし……」


(な、なんでカッコつけてるのよ、私!?)


するとレイがカードを取り出し読み上げる。


お題:『好きな人に、照れずに“好き”と言う』


「む、むりむりむり!!!!」


七海「春乃ちゃん可愛い……」


レイがニヤリ。


「じゃあ春乃ちゃん、試しに“兄以外”で想像してみようか。例えば……」


そのとき、部室の扉が開いた。


「すみません、転びそうになった人がいたので送ってきました」


晴だった。


春乃「…………えっ」


春乃の顔が真っ赤になる。


レイ「あ〜これは……面白い展開が来たねぇ」


春人「やめろレイ。妹を巻き込むな」


七海「春乃ちゃん、晴くんのこと知り合いなの?」


春乃はぷいっとそっぽを向く。


「べ、別に全然。

 たまたま挨拶しただけだし」


晴は微笑む。


「でも春乃さん、教室でも僕に話しかけてくれたよね?」


「してない!!」


「いや、したよ。『なんで隣の席なのよ!』って」


「それ会話じゃない!!」


部室が爆笑に包まれた。



帰り道。


春乃はカバンを抱えて歩く。

そこへ晴が追いついてきた。


「春乃さん。今日の、楽しかったよ」


「……別に、楽しくないし」


「そっか。じゃあ明日は楽しくなるように頑張るよ」


にこっと笑う。


(……なにその笑顔……ずるい……)


晴がふと真剣な声になる。


「春乃さん。

 君、誰かのことすごく大事に思ってるんだね。

 さっきの部室でわかった」


「……兄のことよ。悪い?」


「悪くないよ。

 でもね——

 君は“誰かを好きになる顔”も、ちゃんとしてた」


「…………え?」


晴は少し照れながら言う。


「その表情、すごく可愛かった」


春乃の心臓が爆発した。


「な、ななな、なに言ってんのばか!!!!!」


走り去っていく春乃。


晴は優しく笑って呟いた。


「……春乃さん、真っ赤だったな」



別ルート。

兄・春人と友人・亮。


亮はふと呟く。


「なぁ春人。

 お前の妹……」


「ん?」


「……可愛くね?」


春人「絶対に手を出すな(殺意)」


亮「ごめん!!!」



その夜。

ベッドで春乃は天井を見つめる。


(なんなのよあいつ……

 急に近づいてくるし、褒めるし……

 でも、嫌じゃなかった……

 むしろ……)


胸に手を当てる。


(ドキドキしてる……

 これ……なに?)


自分の変化が、よくわからない。


でも——


思い出すのは、

教室での笑顔。

部室でのあの表情。

帰り道の優しさ。


(……晴、か……)


ほんの少しだけ、小さく呟いた。



翌日。

晴は春乃に向かって自然に笑う。


「おはよう、春乃さん」


春乃は——


「っ……お、おはよ……!」


顔を真っ赤にして返事した。


その瞬間。


クラスの女子たち × 兄・春人 × 七海 × 亮


全員が一斉に叫んだ。


「春乃、恋したな!!」


「うるさいーーーーーー!!!!」


春乃の恋は、まだ始まったばかり。

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