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青春は終わらない

卒業式の朝。


校門前で、春人は泣きそうな顔で後輩たちに言った。


春人「……ついに……俺たち、卒業だ……」


晴「まだ式始まってないですよ……」


春乃「兄貴は泣くな!! 恥ずかしい!!」


七海はにこにこ。


レイは淡々。


亮は——


亮「おい、やべぇぞみんな。

 瑠璃のやつ……緊張しすぎて、教室から出てこれねぇ!」


全員「はぁぁぁ!?!?」


瑠璃には“人前が極端に苦手”という一面があった。


春乃「どうすんのよ亮!!」


亮「どうすればいいんだよ!! 俺だって焦ってんだよ!!」


そんな中、七海がふわっと笑う。


七海「行ってあげてよ。

 亮くんが連れてこないと、瑠璃ちゃん来れないよ」


亮「……わかった」


亮は走っていった。



瑠璃は空の教室で机に突っ伏していた。


亮「瑠璃……大丈夫か」


瑠璃はぎゅっと手を握る。


「……みんなの前、怖い……

 私……倒れたら……迷惑かけちゃう……」


亮は少し笑った。


「迷惑かけたらいいじゃん」


瑠璃「えっ……?」


亮は彼女の手を取る。


「迷惑かけられるのなんて

 “信頼されてる証拠”だろ?」


瑠璃の目が揺れる。


亮は続けた。


「俺は迷惑かけられんの、好きなんだよ。

 だって……

 お前を支えられる理由になるから」


瑠璃の頬が真っ赤になる。


「亮くん……そんなこと言われたら……

 泣いちゃうよ……」


「泣けよ。拭いてやるから」


瑠璃は涙をこぼし、そして——

笑った。


「……行こう。

 手、握っててくれたら……行ける」


亮「任せろ」


二人は手を繋いで歩き出した。



体育館では卒業式が静かに行われていた。


担任「では、卒業生代表——春人くん」


春人「……はい」


春乃「兄貴行ってこいー!!」


晴「落ち着いて!!」


レイ「泣くなよ」


春人「泣かねぇよ……(ぐすっ)」


会場が温かい空気に包まれる中。


——突然。

体育館の扉がバーン!!!! と開いた。


亮「みんなあああああ!!!

 瑠璃連れてきたぁぁぁぁ!!!!」


春人「お前今は黙れ!! 僕の大事な挨拶が!!」


レイ「台無しになったね」


七海「青春って感じ~」


春乃「亮!!! なにやってんのよ!!」


瑠璃は恥ずかしそうに頭を下げる。


瑠璃「ご、ごめんなさい……」


すると。


観客席の女子たち「亮くん偉すぎる……」

男子たち「リア充めえええ!!!」

先生「……青春だなぁ(泣)」


空気が一気に温かくなる。


春人は笑って言った。


「……これが俺たちだよな。

 いつも騒がしくて、

 迷惑かけて、

 でも……誰より青春してる」


体育館が笑いに包まれる。


春人は最後にこう続けた。


「俺たち罰ゲーム同好会は、

 罰ゲームなんてどうでもよくて……

 一緒にいる理由が欲しかっただけだ。

 みんながいてくれたおかげで、

 最高の学校生活になった。

 ありがとう」


会場から拍手。


春乃は泣きながら口を尖らせた。


「兄貴、ズルい……」


晴は春乃の手を優しく握り、


晴「……僕も、春乃さんのおかげで毎日幸せだったよ」


春乃「……バカ……好き……」


亮は瑠璃の肩を抱き、


亮「泣くなよ。

 俺がそばにいる」


瑠璃「うん……亮くん……」


七海とレイは微笑む。


レイ「いいね。青春って」


七海「うん。みんなのおかげで楽しかったよ」



外へ出ると、春の日差しが降り注いでいた。


春人、晴、亮は写真を撮りながら笑う。


春乃と瑠璃は照れながら談笑し、


レイと七海はのんびりと桜を眺める。


誰も、別れを感じていなかった。


なぜなら——


春乃「ねぇ、来週も部室集合でしょ?」


晴「もちろん!」


亮「当然!」


春人「卒業しても罰ゲームは終わらねぇからな!!」


レイ「同好会って、もはや家族みたいだしね」


七海「青春に終わりなんて、ないよ~」


亮は瑠璃の手を握りながら言う。


「なぁ、瑠璃」


瑠璃「なに?」


亮「これからも……

 一緒に泣いて、一緒に笑って……

 一緒に迷惑かけあっていこうな」


瑠璃は泣きながら笑った。


「……はい。

 迷惑いっぱいかけます……亮くんに」


亮「よし、受け止める!!」


春乃「青春かよーーー!!!」


春人「青春だなーーー!!!」


七海「青春だねぇ〜〜〜!!!」


レイ「はいはい、みんな青春お疲れ様」


そして全員は笑った。


桜が舞い、光が降り注ぎ、

涙と笑顔が混ざりあう中。


——罰ゲーム同好会の青春は、

永遠に続いていく。

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