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初恋の人をNTRされた僕はマッチングアプリで出会ったグラマーなのっぺらぼうとつきあうことになりました。  作者: 白鷺雨月


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第二十七話 顔喪失症の改善

 九月の上旬、僕と麻里子さんは奈良県立大和(やまと)記念病院を訪れた。

 麻里子さんの顔喪失症の改善が見られたからだ。

 受付を済ませ、僕たちは呼ばれるのを待つ。

 ほどなくして野平かさんという呼び出しの声が病院のロビーに広がる。

 僕と麻里子さんは佐渡綾乃先生の診察室に入る。

「こんにちは野平さん、水樹さん」

 大人の色気を放ち、佐渡綾乃先生は僕たちを出迎える。

「メールを確認しました。顔喪失症の改善がみられたということですね」

 佐渡綾乃先生はパソコン画面のカルテを確認する。

「ええ、そうです」

 僕が麻里子さんの代わりに答える。

 続いて麻里子さんはサングラスとマスクをとる。

 麻里子さんの顔があらわになる。

 彼女の顔を見て、佐渡綾乃先生はふむふむと頷く。

 この日の麻里子さんはかなり濃いメイクをしている。眉の形は黒ではっきりと書かれている。アイメイクも黒縁ではっきりとしている。逆に肌は白粉おしろいでコントラストをつけている。

 唇は青みがかった口紅を塗っている。

 どことなく僕の感想だけど、セクシーな魔女をイメージさせるメイクだ。

 そして僕は麻里子さんに触れていない。

 以前は麻里子さんの体に触れていなければ、彼女の顔は他人には認知出来なかった。

 だが今は触れていなくても麻里子さんの顔は他人に認知される。

 その証拠に佐渡綾乃先生も麻里子さんの顔を認識されているようだ。

 

 麻里子さんに触れていない状況でも他人に顔を認識させるにはある条件がある。

 それは僕が麻里子さんの視界に入っているということだ。

 試しに僕が診察室を出ると麻里子さんの顔にうっすらとモザイクがかかった。

 これは佐渡綾乃先生も確認したことだ。

 もう一つはこの濃いメイクだ。

 これは猫矢夢乃さんと僕とで麻里子さんに宅コスして発見したことだ。

 ふとした瞬間に僕が手を離したときに猫矢夢乃さんが麻里姉さんの顔が見えると叫びだしたのだ。

 麻里子さんの描いた「夢食みジャック」のジャック・オー・ランタンをイメージしたメイクをしていた時に発見されたのだ。


「なるほど。違う自分になるというのが良い方に働いたのかもしれませんね。別人格になるようなメイクをすることで過去のトラウマから決別できたのかもしれませんね。兎に角にも水樹さん、あなたの存在が野平さんの精神に安定をもたらしているのは確実ですね」

 佐渡綾乃先生は麻里子さんの顔と僕を交互に見た。

「水樹さん、これからも野平さんを支えて上げてください。将来的に顔喪失症が無くなるかもしれません」

 にこりと佐渡綾乃先生は微笑んだ。


 

 佐渡綾乃先生の診察には僕も同意見だ。

 これで麻里子さんの社会生活もかなり改善されると思われる。あのクレヨンモザイクから解放されるのだから、生活はやりやすくなると思う。

 顔喪失症から抜け出すには僕が必要だと佐渡綾乃先生は言った。

 麻里子さんに必要とされるのは彼氏としてはうれしい限りだ。こんなに誰かに必要とされたのは人生で初めてだからね。


「夏彦さん、これからもよろしくね」

 病院を後にして道を歩いていると麻里子さんは僕の顔をまじまじと見て、そう言った。

「ああっもちろんだよ」

 麻里子さんに僕はそう答えた。



 アートシティ漫画大賞の審査員特別賞の賞金は二十万円だということだ。約二カ月以上かかってこの収入だから、金額だけを考えると効率は悪いと思われる。

 二カ月のあいだ生活を顧みずに漫画に取り組んで二十万なのだからコストパフォーマンス的には良くない。

 しかし入賞者には漫画雑誌「アートシティ」に読み切り掲載され、そして次回作を連載会議にかけられるという特典がつく。

 麻里子さんの「夢食みジャック」はアートシティ11月号に掲載されるという。

 いわばプロ漫画家への道筋が見えてきたというわけだ。


 麻里子さんの自宅に戻り、僕は夕ご飯の準備をする。この日の夕ご飯は麻里子さんの好物のお好み焼きだ。

 麻里子さん曰く、焦げたソースとビールとの相性は抜群だということだ。

 僕はお酒に弱いので良くは分からないけど美味しそうにビールを飲む麻里子さんを見るのは大好きだ。


 野菜とお肉を切り、下ごしらえを終える。

 僕のお好み焼きはこんにゃくをいれるのがポイントだ。まあ、けっこうベタなポイントではあるけどね。

 前に寝屋川の実家に帰ったときに母親に教えてもらったやり方だ。

 今夜は麻里子さんの入賞お祝いの意味もこめてお好み焼きには海老とイカも入れよう。デラックスお好み焼きだ。ビールもエビスビールにしよう。


「用意ができたよ」

 僕は二階のアトリエルームのドアを開ける。

 麻里子さんはパンティーだけの姿で椅子に座り、机の上の原稿用紙に向かいうんうんとうなっていた。

 扇風機の風をその一糸もつけていない美巨乳に当てていた。

 そう言えば麻里子さんは夏はおっぱいが熱くなると言っていたな。麻里子さんの場合、人よりも大きいので熱が人一倍こもりやすいということだ。


「ああ、今いきますね」

 麻里子さんはパンティー一枚だけの姿で立ち上がる。ぷるぷるとふるえるおっぱいを凝視する。

 これは今夜もハッスル間違いなしだな。

 しかし、上半身裸でホットプレートでお好み焼きは火傷してしまうので僕は泣く泣く麻里子さんにTシャツを着せた。

 麻里子さんは僕といる時は安心しきるのか、下着姿もしくはパンティーだけというのが多い。

 無防備な姿をさらすのは安心しきっているからと思われるが、エロくて仕方がない。目の場のやりどころに困るというか、うれしいというか。



 夕ご飯を食べたあと、原稿がうまくいかずにストレスがたまった麻里子さんに僕はこの日の夜も搾りとるだけ搾りとられたのであった。

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