第一話「魔王の過去」
「貴様、今何と言った?」
「近所迷惑だと言ったんです。」
「魔王に対して随分、無礼な言い方だな・・・。」
「殺るつもりですか?・・・・いいでしょう。うけてたちます。」
そう言って女は俺に戦いを挑んできた。
土といい、女といい、貴様らは魔王を知らんのか?俺はそう思いながらも聖剣アロンダイトを
異次元から呼び寄せた。
・・・
ん?おかしい。異次元の扉が出てこない。俺は自らの魔力の残量を確認した。
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おいおい、冗談だろ!やめてくれ。せっかく復活したばかりなのに!!
「はぁっ!」
俺はその後、女によってフルボッコにされた。
「くっ・・・。すばらしい力の持ち主だ・・・。その力、もしやこの世界の王なのか?ならば、殺されても仕方がない。俺を殺れ・・・。」
「何を馬鹿な事を・・・。」
そう言って女は俺に手を差し伸べてきた。俺はぎょっとした。
「何をしているのだ、貴様!敗者は殺すべきであろう!」
女は、一度変なものを見るような目つきでこっちを見たが、再び俺の手をとった。
そして、俺を助け起こしたのだ。一体何を考えているのだ!?
「人をそう簡単に殺すことなんてできるはずないじゃない!」
女はなんと俺を倒したのに泣いているのだ。一体どうしたと言うのだ!?
「腹が痛いのか?魔王を倒したのに何故、泣く?」
俺はなぜかその後、再び強烈な攻撃をくらわされ地面に倒れた。そして、深い眠りについた。
夢の中―――
それは、あるとても天気の悪い日のこと・・・
城に一人の男が訪れました・・・
その男は自らを魔王と名乗りました。
彼が一度、呪文を口にすれば兵士は頭を抱え倒れこみました。
「陛下!自称魔王がこの城に侵入してきました!」兵士。
「何!?さっさと倒さんか!」国王。
「それが魔王にはなにやら奇怪な技が使えるようで兵士はみなそれにやられてしまいました。」兵士。
その時、兵士五人がかりでしか開かない巨大な扉を一人で開け、黒いローブに包まれた男が入ってきた。
その手には、たくさんの人の血がついた剣があった・・・
「えぇい!さっさとやってしまえ!」
国王陛下は兵士に怒鳴り散らした。
「ハッ!」
兵士達は急いで武器を構えて突入してきた。
「ふん・・・。馬鹿な事を・・・。無駄な血を流さずにすんだのに・・・。」
男は向かってくる兵士達に一言唱えた・・・