表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/123

第72話 黙示録の女

『老兵飲まず、ただ飲まされるのみ』

―陸軍元帥グダラス・アッカーサー―




あたしはハレルを後ろに乗せ、箒にまたがって戦場と化した街の空を飛行するの!


空は真っ赤に染まった・・・

燃え盛る硫黄の塊りが街に降り注ぐ!

それは怨霊共を、街と共に焼き始めた!

まさに終末世界の光景のようなのよ!


修道院の屋根の上、いびつな形の破壊天使達と共に、羽を生やし、殺戮の天使と化したハスラング将軍がいた。

この黙示の空はハスラング将軍の暴走した実践カバラが招いたのだ!

メメシアは力の開放を止めている・・・


「なんで、メメシアは奇跡術を使っていないのかねぇ?」


「たぶん、奇跡術同士がぶつかり合う事を危惧しているんだ。一度解放させたのは、街中に警告する為の奇跡を起こす為だよ。だって、それ以降、奇跡術を使っていない」


箒にまたがって飛ぶあたし達の後ろに怨霊の狩猟軍団がついてくるのよ。

あたしは進路をそらすも、狩猟軍団はあたし達を追い抜かし、修道院に向かって飛んで行く!


「こいつら、あたし達を狙っているんじゃない・・・ハスラング将軍を狙っているのよ!」


「このままじゃメメシアも巻き添えに!」


奇跡術を使えるメメシアなら、こんな怨霊共にやられる事は無い。

でも、今の状況は危険なのよ!


「マジョリン!ボクはここで降りる!だから、メメシアを頼んだ!」


そう言って、ハレルは箒から飛び降り、建物の屋根に着地したのよ。

軽くなった分、速度を上げて、怨霊共を追い抜かし、メメシアに急接近!


「メメシア!ここから離れるのよさ!あたしの手を掴んで!!」


伸ばしたあたしの手をメメシアは振り払ったのだわさ!

そして、すれ違いざまにメメシアは・・・


「マジョリン・・・その飛び方は異端です。止めなさい」


「!!!!」


あたしは急停止できず、そのままメメシアの脇を通り過ぎてしまったのよさ!


「馬鹿メメシア!そんな事言っている場合じゃないのだわさ!!」


メメシアとハスラング将軍は怨霊共の群れに飲み込まれてしまったのよ!


あたしは旋回してメメシアの方へ進もうとしたんだけど、怨霊共がどんどんハスラング将軍に吸い込まれて行くのだわさ!

いったい、何が起こっているのよさ!


「マジョリン!無事だったのね!」


ヴィトゥスとフォースタス博士が大きな建物の屋根の上にいたのよさ!


「ヴィトゥス!博士!何が起きているの!?」


「ハスラングは神聖なるセフィロトとは対極のクリフォトの力に飲まれている!秘術書を学んだのだろうが、術を正確に使いこなせていないのだ!」


「それは、奇跡術とは言えないものになってるって事でいいのかねぇ?!」


「そうだ!あれは奇跡術とは真逆の存在だ!闇の魔術だ!」


怨霊共を、いびつな形の破壊天使と共に飲み込んだハスラング将軍の姿は変貌した・・・

頭は7つに別れ、計10本の角、そして7つの冠・・・まるで、黙示録の獣のような姿だったのよ・・・

あたしは再びメメシアに向かって飛んだのよ!


「メメシア!相手が使っているのは奇跡術じゃないのよさ!!闇の魔術なのだわさ!」


魔獣と化したハスラング将軍は7つの口から炎を吐きだしたのだわさ!


「メッサーヴィントホーゼ!!」


あたしは竜巻魔法を放ち、炎を巻き上げ、ハスラング将軍にお返ししたのだわさ!

自らの炎に焼かれるハスラング将軍!

もう、彼に知性は残っていないようだったのよ!


「メメシア!もう、彼は人じゃないのよさ!」


メメシアは目を閉じ、手をあわせ、祈りの言葉を繰り返している・・・

精神を集中させている・・・

どうやら、奇跡術を発動させるみたいなのよ!


「マジョ・・・コロス・・・イタン・・・コロス・・・」


「そんな姿になっても・・・もう、異端はあんた自身だってのにねぇ!」


あたしは残りの魔力を集中させる!


「フォイアロートプファイルっ!」


矢の形状をした炎の魔力の塊りをぶっ放す!

魔獣の体に突き刺さり、爆発!

3つの頭を吹き飛ばしたのだわさ!


「マジョリン!離れて!そして、振り返ってはいけません!」


メメシアは準備が整ったようなのさ!

あたしはメメシアに言われた通りに、メメシアに背を向けて急いで飛んで離れたのよ!


「デウスロヴォルトっ!!!」


メメシアの大きなお声と共に周辺が真っ白になるほどの強い光が放たれたのよ!

直視しなくとも、五感で感じ取る事ができたのだわさ・・・

天空を貫く光の柱がメメシアに降り注ぐのが!

赤く染まった空は十字に引き裂かれたのよ!

その霊圧の強さ、爆発のような衝撃波にあたしは吹き飛ばされたのだわさ!

教会の鐘にぶち当たって、ゴーーーーンってめっちゃ鐘は鳴るし、体は痛いし、うるさいし、頭に響くし、目が回るのだわさ・・・


気が付けば、空は青空に変わっていて、修道院の屋根の上に、天に向かって祈りを捧げるメメシアの姿が見えたのよ・・・


その後ろに白くなって固まったハスラング将軍がいたのよさ・・・

ハスラング将軍の姿は砂のように崩れ去ったのよ・・・

そう、塩の柱となったのだわさ・・・


どうやら、全てが解決したみたいだわさ。


「マジョリン!大丈夫!?」


ハレルが駆けつけてくれたのよ。


「いたただけど、大丈夫だわさ」


大空に虹が現れていたのが見えたのよ。


「どうやら、無事に困難を乗り越えたみたいだねぇ・・・」


「マジョリン、見て!みんながマジョリンを呼んでるよ!」


教会前に集まった人達、プロテイウス、ヴィトゥス、フォースタス博士、みんな無事だったんだねぇ・・・




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ