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第68話 暗雲タレコミまくり!

『肉体の強さより腎臓の強さを求めよ』

―サモヌの賢人 ピタゴルァヌ―




あたしは魔女監獄に囚われているんだけど、魔女がヴィルデ ヤークトを召喚する魔法を使ったもんで、あたしと女装魔法使いヴィトゥスと、放浪の錬金術師のフォースタス博士で対策を考える事になったのよさ。


「マジョリン。教会や修道院などで所蔵していた民間伝承の本とか、魔術に関する本を兵士の人が持ってきてくれたわよ」


「いいねぇ。早速読んでみようなのよさ」


すると、説話集の中に気になる記載がされていたのよさ。


「ヴィトゥス!見て見て!『必見!ヴィルデ ヤークトには〇〇をすればいい!』って書いてあるのよさ!」


「早速、いい情報あったのね!やるわねマジョリン!」


その内容を読み上げて見たのよさ・・・


「え~っと、『ヴィルデ ヤークトは凶悪な精霊、いにしえの多神教の邪神、戦死した戦士の英霊などが率いる狩猟軍団です。地上の人間や家畜をさらったり、殺害したり、建造物も破壊する事がある霊的な災害です』うん。基礎知識から説明するタイプだわさ」


「いいからいいから、対策を読み上げてほしいわ」


「はいはい・・・『ヴィルデ ヤークトから身を守る方法は、家の中に閉じこもり、しっかりと戸締りをし、ひれ伏し、祈り続ける事です』まあ、それはわかってるのよさ」


「そうよ。ほら、撃退方法はやく~」


「え~っと・・・『ヴィルデ ヤークトを撃退する方法』お、書いてあるのよさ『調べてみましたが、わかりませんでした。いかがでしたか?』」


あたしは思わず本を床に叩きつけてしまったのよさ。


「こんなくっだらない内容、羊皮紙の無駄なのだわさ!」


「まあ、他にも何かいい本があるかもしれないわよ」


あたしゃ別の本を見たのよさ・・・


「およ。魔物の倒し方の本って書いてあるのよさ!」


「どんな内容かしら?」


「読むのよさ・・・『オークの倒し方。素人丸出しのぶん回し攻撃をかわして前に出る。素早くバックをとり、背後から首を締め上げる。オークは判断力が鈍いので、何が起きているかわからぬまま意識を失い倒れる。止めをさす』だってお!」


「・・・それ、信頼できる本かしら?」


「まあまあ、ヴィルデ ヤークトの対策方法も書いてあるみただわさ」


「・・・どんな感じかしら?」


「・・・・『ヴィルデ ヤークトの倒し方。これまで紹介した戦い方を思い出し、最後の戦いは自分の目で確かめよう!』」


あたしは思わず本を床に叩きつけてしまったのよさ!


「シャイセーーーーッ!!ホアアアアアアアアアッ!!」


「ほら、落ち着いて・・・」


「やっけくそ~♪やっけくそ~♪・・・ピネェーーーーーーー!!!」


あたしは本をテーブルにぶつけまくってやったのよさ。


「マジョリンくん。おちつきたまへ・・・」


っと、フォースタス博士もあたしを止めに来たのよさ。


「いら立つ気持ちもわかるけど、どうか落ち着いてほしい・・・」


あたしは一息深呼吸して、落ち着きを取り戻せたのよさ・・・


「所でフォースタス博士は何をしていたのよさ・・・」


「私は錬金術師として、隣の部屋で対悪霊用のアーティファクトを作成していた。叫び声が聞こえたから来たのだよ・・・」


「邪魔してごめんだわさ・・・」


すると、ヴィトゥスが窓から外を見て、何か見つけたみたいなのよ。


「ねえねえ、空の様子がおかしい・・・変な雲が湧き出てこの上に集まっているのよ」


「まずい・・・ついに来るのかねぇ」


「とりあえず、身代わり人形を中庭に接地しておこうよ」


っと、あたしとヴィトゥスは10体製作した身代わり人形を縛って、背負って、中庭へ向かったのよさ。

中庭には、ハスラング将軍と、魔女狩り騎士のジャキエル、他に魔女狩り隊の兵士達がいたのよさ。


「将軍!空がおかしいのよさ!もしかしたら、そろそろ来るかもしれないのだわさ!」


「ああ、わかっておる。我らとて、何も準備をしていないわけではない」


そう言って、ハスラング将軍は壁の上を指さしたのよ。

壁の上には十字架に張り付けられた囚人達が並ばされていたのよさ。


「魔女を盾にする。あれ以外にも、壁に魔女を入れた鉄カゴを数個ぶら下げてある。やつらが同じ魔女の怨霊ならば、これで攻めにくくなるであろう」


うわ・・・一番残虐・・・


「でも、やつらはそういう情なんて残ってませんわ。ただ、怒りと憎しみ、苦しみ、復讐心と破滅願望で動く、殺戮の軍隊ですわよ。犠牲者が増えるだけですわ・・・」


「なら良い。処刑の手間が省ける」


ハスラング将軍は徹底的にクズを通しているのよさ・・・


「あの者達を今すぐにおろしなさい!」


っと、どこかで聞いた事のある声が・・・


「め、メメシア!!?」


「マジョリン。遅くなってごめんなさい」


メメシアとハレルとプロテイウスが中庭にやって来たのよさ。


「汝らは何者であるか?」


「わたくし共は魔王を討つ為に旅を続ける勇者とその仲間です。下劣な手段で人々を虐げる行い、今すぐに止めなさい」


「何を言うと思えば・・・貴公は我を何と存ずる?!選帝侯でもあるヤーバンブルク大司教に仕えし騎士であり、魔女狩り大将軍であるのだぞ!頭が高い!」


メメシアは手紙を広げたのよさ。


「教皇庁からの命令文です。ヤーバンブルクにおける魔女狩りはやりすぎています。今すぐ魔女に対する残虐な行為を止め、囚人達の調査のやり直しをするようにと書かれています」


「教皇庁だと?」


「10人の枢機卿猊下の署名もされています。今すぐに貼り付けた囚人達をおろしなさい」


「枢機卿だと?我は大司教に仕えている騎士である。我にそのような事を告げた所で、我は大司教の命令以外は受け付けぬ」


「大司教閣下は今、この地にいらっしゃいません。しかし、今頃司教区より派遣された使者がこの文章と同じものを、いいえ、あちらには教皇聖下の署名があるものが送られています」


「貴公は教皇庁につながりがあるのか?」


「わたくしの所属する道の聖母修道会はご存じですか?」


「ああ・・・国や地域問わずに各地をまたにかけて活動する、対抗宗教改革を行う厄介な連中って所だろ?」


「わかって頂けたのなら、速やかに囚人達を人として扱って下さい」


「ああ、わかったよ。貴公が何も持っていなかった事にすればいいと言う事がわかった」


最悪な非道下劣極まる魔女狩り将軍ハスラングと、最強暴走亜使徒聖女メメシアが・・・対立した!!




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