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第40話 飼いならされた一角獣

『怒りは愚かに始まり、ヤケ酒に終わる』

―サモヌの賢人 ピタゴルァヌ―




あたし達は魔女の家で、町の近くまで送ってもらって、そこでおろしてもらったのよさ。


しばらく歩くと、緑の芝生に何頭か馬が草を食み、のんびりとしているのが見えるのよさ。

そんな中、1頭、頭に角のついた白い馬がいるのよさ。

あたし達は妙に気になって、その牧場で働く人を訪ねたのよ。

すると、その一角獣の飼い主と会えたのよさ。

小さな牧場で一角獣を飼う人と出会ったのよさ。

飼い主が声をかけると、一角獣はトコトコと近寄って来たのだわさ。

人になつく一角獣なんて、はじめて見たもので、ハレルも撫でさせてもらっているのよさ。


「大人しいでしょ?この一角獣は幼い頃から育てた子ですから、人を恐れないんですよ」


真っ白でつぶらな瞳の一角獣。

とても綺麗でかっこいい生き物なのよさ。


「あ、あの・・・わたくしもふれてよろしいでしょうか?」


「はい。どうぞ」


飼い主に勧められ、メメシアも恐る恐る一角獣をなでるのよ。

すると、一角獣は自ら頭をメメシアにすりよせてきたのよさ。

なんか、メメシアになついている様子なのだわさ。


「一角獣は処女になつくと聞いたが、本当のようだぜ」


っと、プロテイウスが言うと、メメシアは嫌そうな顔をしたのよさ。


「それ、セクハラですか?」


「あ、すまん。悪気も何も無く、つい口走っただけだ」


「気を付けてくださいね。次は車輪に張り付けにしますよ?」


プロテイウスはしょんぼりっくメランコリー。

男ばかりのコミュニティに長くいすぎた結果がこれだわさ・・・


「ねえ、あたしも撫でさせてほしいのよさ」


「どうぞどうぞ」


っと、あたしが撫でようとした瞬間


「ヒヒィィイイイイン!!ブルルルルルルルっ!!!!」


一角獣は上半身を上げて、あたしを威嚇したのよさ・・・


「・・・え?な、なんでぇ?」


もう一度、撫でようとするも、一角獣が睨んでいるのよさ。

あたしに撫でるなと言わんばかりに、息を荒げて睨んでいるのよ・・・


「マジョリン・・・もしかして、あなた、ビッチ・・・?」


「さっきセクハラを断罪したやつの言う言葉かね!?あたしゃーまだ、誰のものでもないのよさー」


「だって、この一角獣の嫌がり方、尋常じゃないですよ・・・まさか、あなた、飲んで酔って、その勢いで・・・なんてハレンチな!」


「勝手に想像して勝手に怒らないでほしいのよさ!あたしゃ~そういう事は起きて無いのよさ!残念ながらロマンティックな出来事とかも起こる事無く平凡に生きて来たのだわさ!」


「本当は、朝起きたら、知らない男の隣で寝ていたって事があったんじゃねえのか?」


「ねえのよさ!朝起きたら粉ひき所の風車に抱き着いていた事しかねえのよさ!」


「それはそれで末期よ」


「マジョリン・・・酔った勢いで・・・ッブ!」


ハレルは鼻血を拭きだしてしまったのよさ!


「何を想像してるのよさ!このマセガキー!」


「多分、マジョリンの事だ。心がオバさんだからじゃねえか?」


っと、デリカシーの無さに反省の色が見えないプロテイウス・・・


「心がオバさん・・・確かに、マジョリンはそういう所、ありますね・・・」


「納得しないでほしいのよさ・・・」


「いや、おっさんに近いのかもしれないぜ・・・見た目はそこそこの女子、心はおっさん・・・」


「それを言うなら、見た目は美女、心はおっさん、その名は魔法使いマジョリン!って、何を言わせるんだわさ!」


「心のおっさんを否定はしないのですね・・・」


「いや、思い出したぜ。かなり前に野生の一角獣に遭遇した時、マジョリン目掛けて突撃して来た事があったよな・・・やはり性質上、一角獣に嫌われやすいんじゃねえのか?」


「そうだねぇ~。あたしは一角獣に嫌われやすい性質~って、なんのフォローにもなってねぇのよさ!」


「一角獣は汚染された水を浄化させる力を持っています。もしかすると、マジョリンの体に流れる水は汚染されきっているのでは・・・」


「あたしゃー歩く下水道かーっ!」


「ま、ま、マジョリンは綺麗だよ・・・」


「ハレル・・・人を気にする前に鼻血を拭こうかねぇ?」


「ほら、一角獣に触れて、浄化してもらいましょ?」


「触れる事すらできねぇのよさ・・・」


メメシアがその場で座り込むと、一角獣も座り込み、メメシアの膝に頭をのせたのよさ。


「ほら、こんなに大人しい・・・」


「処女が好きって話し聞いたからか、よこしまな野郎だとしか思えないのよさ・・・」


「何を言いますか?ほら、こんなに穏やかな目をしていますよ」


「多分、メメシアの膝枕なら、おっさんでも同じ目をすると思うのよさ・・・」


「ほら、今、じっとしていますし、触るチャンスですよ。触って、浄化されてください」


「あたしが汚いと思われている事は気に食わないけどさ・・・まあ、ちょっと撫でるぐらいなら・・・」


っと、あたしが近寄った瞬間、一角獣は立ち上がり、走って逃げて行ったのよさ・・・


「普段はこんな事、無いのですが・・・なんか、ごめんなさい!」


っと言って、飼い主は一角獣を追って、走って行ったのよさ・・・


「え!?えええーっ!!逃げる程なの!!?逃げる程にあたしの事、嫌いなの!?ねえ!何が悪かったってのさ!あたしのどこが嫌になったのよさー!!」


っと、大声を上げても一角獣は止まらず、牧場をかけて行く・・・

なんか、酷くふられたみたいなのだわさ・・・


「・・・まあ、一角獣に嫌われたって、オレ達という仲間がいるじゃねえか。落ち込むな?」


「一角獣に汚物を見るような目で見下されても、マジョリンの素敵な所はそこじゃありませんから、気を落とさないでください」


「・・・・タラリ(鼻血)」


「もう、一角獣はこりごりだわさ!」




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