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1.目覚め


 うぅ……ん。


『あら、起きた?』


 ここは……? 僕は一体……そうだ! 皆は!?


『あなた以外は死んだわ』


 なっ!?


『凄いわねぇ……あなただけ生き残るなんて』


 なんで僕だけ……。


『なんででしょうね? あなたはこれからどうするの?』


 どうするって……どういう意味?


『そのままの意味よ。このまま生きるのか、それとも皆を追って死ぬかしら?』


 それは……。


『ふふ……ねぇ、もしも全員生き返れるとしたら……どうする?』


 えっ!? どういう……こと?


『私のお願い、聞いてくれたら生き返してもいいわよ?』


 お願い……? そもそもアナタは一体誰なんですか!?


『私? 私は女神よ。サルバス、という世界のね』


 神様!? なんでそんな人が僕なんかを……。


『それは〜……ヒ・ミ・ツ。それで〜? どうするの? 私のお願い、聞いてみる?』


 ……聞きます。


『良い子ね〜? お願いの内容は着いてからのお楽しみ。それじゃ、私の世界でがんばって〜?』


 へっ? うわぁぁぁぁ!?


「いたたたた……ここは……?」


 さっきまで居た白く眩しいところから一変して周りは草原、後ろには木々の生い茂った森。森とは反対側の遠いところには高い石の壁が見えた。


「どこ!? それに、お願いの内容って……」


 そう叫んだ途端、光と共に紙が落ちてきた。それを受け止めて僕は書かれている文字を読む。


『いらっしゃ〜い! 私の世界、サルバスへようこそ! さて、お願いの内容だけど、それはまぁ最後に書いておくわ。まずは冒険者登録かしらね? 冒険者ってわかるかしら? まあいいわ。とりあえずあなたに伝えとかないといけないのはステータスのチェック方法だけ。ステータス、分かる? 分かるわよね。チェック方法は簡単、『ステータス』って心の中で呟くだけ! ね、簡単でしょ〜? それじゃ、頑張ってね〜? お友達の命が掛かってるから〜』


 そして、最後にはこう書かれていた。


『・冒険者ギルド長が着服したという証拠になる書類を盗み領主邸へと届ける』


「これが、お願いの内容?」


 にしても……女神の目的はなんなの? こんなことしたって女神にはなんも得なんかないと思うんだけど……。そんなこと考えても無駄か。


「よしっ! やるぞ!」


 とりあえずその冒険者ギルドってとこに行かないとね。さっき見えた石の壁が多分、街の外壁のハズだから……。


 あれ? 街なんだから、門番とか居るよね。怪しまれない?

 あ、そうだ。ステータスをチェックしないと。『ステータス』。


-----ステータス

名前 日野ひの 達也たつや 年齢 十七

レベル 一 職業 使徒

体力 D− 魔力 C+

攻撃 F− 防御 F


ギフト 『翻訳』『魔力感知』『魔力制御』『収納』『鑑定』『健康体』

-----


 ホログラムみたいに半透明な板が出てきて、その上に僕のステータスは載ってた。なんかギフトってやつが色々あるなぁ。説明とかないの? ポチれば出てくるかな?

 そう思ってギフトをタッチしてみると……。


-----

『翻訳』Gランク

Gランクの『翻訳』。一つの言語の翻訳ができる。

-----


-----

『魔力感知』Fランク

Fランクの魔力感知。自身の魔力と外に広がる魔力を感知できる。

-----


-----

『魔力制御』Fランク

Fランクの魔力制御。自身の魔力を制御できる。

-----


-----

『収納』Gランク

Gランクの収納。 2立方メートル以内の物なら入る。

-----


-----

『鑑定』Gランク

Gランクの鑑定。鑑定したモノの価値、状態、情報が分かる。

-----


-----

『健康体』ランクなし

健康体。状態異常や病に掛かりにくくなる。

-----


 要するにギフトはゲームで言うところのスキル、技能ってことかな。ちなみに職業の使徒って……。


-----

使徒

神の願いを叶える存在。

-----


 僕は神様のパシリかよ。


 とりあえずステータスは確認できた。色々と不安だけど街に向かおう。まずは冒険者にならないと……。

 石壁に近づき門の前まで行くと、やっぱり門番が立っていた。どうしようか。


「おい! そこの君!」


「へっ?」


「街に入るのなら早く入りなさい!」


「あっ……はい」


 どうすればいいか分かんなくて固まってたら門番の人からそう言われた。街に入ると石畳の道が続いていて、奥の方には広場が見えた。


「あぁ……」


 日本ではめったに見られないような光景で、僕は本当に異世界に来たんだと実感してしまった。


「一体キミはどこから来たんだ?」


 その声で後ろを振り向くとさっきの門番の人が。


「あ……えと」


「はぁ。街を案内しよう、付いてきなさい」


 なんかよくわかんないけど門番の人が案内してくれるみたい。


「ここは第三区。主に冒険者ギルドや商業ギルド、それから武器屋、宿屋などがある」


「冒険者ギルドって、どこですか? 冒険者になりたいんですけど……」


「冒険者? キミが?」


「ダメなんですか?」


「あ、いや……驚いただけだ」


「そうですか」


 なんなんだろう、この人。


「俺の名前はハウザー。キミは?」


「日野です」


「ヒノくんか。分かった、冒険者ギルドまで案内しよう。ちょうど、ギルドマスターにも用事があるしな」


「そうなんですか。……あの、門番の仕事は大丈夫なんですか?」


「あぁ、大丈夫だ。同僚に任せてある。」


「なるほど」


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