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第27話 強制転移とチアガールな舞依


新作ラブコメ×料理×義妹を投稿中です! こちらもぜひ!


タイトル:【連載版】幼馴染に振られた俺が、国民的アイドルの義妹に手料理を振る舞った結果

URL:https://ncode.syosetu.com/n3415ij/


 

「な、なに!?」


 実菜が動揺した様子で叫ぶ。

 ダンジョンの音を聞いて、これから何が起こるかわからないという様子だ。

 夏菜子も同様だ。


 だが、経験豊富な冒険者ならわかる。極めてレアケースだが、これはー。

 俺は叫ぶ。


「全員、武器と装備を手に取れ!」


「え?」


 裸にタオル姿の舞依がきょとんとした様子でこちらを見る。

 その舞依に上戸が怒鳴った。


「強制転移が始まるの!」


 そう。ダンジョンの中には近隣の人間を強制的にダンジョン内に転移させる力を持つものがある。


 強制転移――珍しいから俺も遭遇したことは数えるほどだが、これほど冒険者にとって嫌なことはない。

 いきなりダンジョンの深層に飛ばされ、嬲られて殺されたり、モンスターの苗床にされた女性冒険者も多い。

 

 そんなとき、できることはただ一つ。

 武器と防具を装備すること。これもなしにダンジョン内に転移させられれば、モンスターたちの玩具に成り下がるだけだ。


 全員大慌ててで装備を手に取る。まだ裸の舞依たちは着替えも必要だ。

 ええと……。


 俺は近くの部室のような場所に飛び込むと、そこにはダンジョン用の武器、防具もあった。あとチアガール衣装みたいなのも……。


 急いで舞依たちを案内する。


「進一……」


 実菜が不安そうに俺を見上げる。彼女は自衛軍の制服を先に支給されて着替えも終わっていたし、装備も身に着けている。


「一緒にいられるよね?」


「ああ。心配するな」


 俺はくしゃくしゃっと実菜の綺麗な髪を撫でた。


 実菜がくすぐったそうに嬉しそうにうなずく。近くにいるのだから、転移後もすぐ近くに飛ばされるはずだ。過去の事例ではそうだった。


 だが、実菜の願いは叶わなかった。

 大混乱のなか、数十秒後に強制転移が起き――。


 次の瞬間、目を開くと、俺はダンジョンの中にいた。

 ダンジョンといってもいろいろある。海辺のような爽やかな風景とか、大自然の森林とか。


 だが、ここは本当にいわゆる「ダンジョン」を思い浮かべる、薄暗い場所だった。

 鉱山のような場所といえばいいだろうか? 


 俺は照明用の魔法を使い、あたりを明るくする。

 すると、一人の少女が座り込んでいた。


「……舞依?」


 こくんと彼女は不安そうにうなずいた。赤い綺麗な髪がふわりと揺れる。

 秋原舞依。女子高生冒険者パーティの盾役で、ギャルっぽくていつも明るい子だ。


 その舞依は気弱そうに俺を上目遣いに見る。ダンジョンに無理やり転移されて、怖いのだろう。


「他の人は……」


「いなさそうだな」


 どうやら全員バラバラの場所に転移させられたらしい。近くにいるのは舞依だけだ。夏菜子も上戸も玲奈も……実菜もいない。

 配信用のドローンだけはなぜかあった……しかも電源も入っている。


 その舞依はチアガール姿だった。慌てて着替えたからだろう。衣服が少し乱れているし、サイズも合っていない。へそ出しルックだ。

 胸元が空いていて、大きな胸の谷間が強調されている。


「あ、進一さん、あたしのおっぱいに目が釘付けですね」


 さっきまでの怯えた様子が消え、くすっと舞依が笑う。

 俺は慌てて目をそらした。


<えっろ!>


<さすが舞依ちゃん!>


<グラドル並だよな>


<スカート丈も短いし>


 舞依はコメントを見て、恥ずかしそうに胸を手で隠す。

 もともと舞依はスタイル抜群で、かなりの長身だ。それなのに小柄な女子生徒用のミニ丈のチアガール衣装を着ると……。


「こ、これ……ショーツが見えちゃいそう」


 舞依がつぶやいて、スカートの裾を押さえる。

 ぎりぎり下着は隠せているが、動いたらこの限りではないと思う。


 少なくとも尻はちらっと見えてしまうだろう。


「でも、進一さんにだったらエッチな目で見られても平気です」


 舞依がからかうように言う。けれど、その瞳は潤んでいた。


「馬鹿なことを言うなよ」


「えー、進一さんだってあたしに興味津々なくせに! 手を出してくれてもいいんですよ?」


 舞依はふふっと笑う。

 俺は舞依に手を伸ばした。舞依がびくっと震える。


「し、進一さん……本当にするんですか? 進一さんがしたいならあたしは大歓迎ですけど、でも……」


「何もしない! そうじゃなくて、立てるか?」


 なーんだ、という顔で舞依はほっとしたような残念そうなような、複雑な表情を浮かべる。

 そして、俺の手を取った。


「進一さん……ここは……?」


「おそらくダンジョンの下層だ」


「下層……!」


 舞依たちは一度、笹島ダンジョンの下層に入り、全滅し凌辱されかけた。

 しかも、このダンジョン笹島ダンジョンより明らかに難易度が上だ。


「あたしたち……地上に戻れるんでしょうか?」


「おまえを無事に帰すのが、師匠である俺の役目だ」


 俺がそう言うと、舞依は嬉しそうにうなずいた。


<ひゅー、かっこいい! 橋川!>


<わたしも橋川さんにあんなこと言われてみたいです!>


 コメント欄が盛り上がる。

 だが、状況は楽観視できない。俺が他のSランク冒険者と組んで戦えば、このダンジョンでも問題なく攻略できる。


 けれど、現実にいるのは舞依のみだ。仮に他のSランク冒険者――たとえば智花がいても、一緒に戦うことはできない。

 俺のトラウマのせいだ。


 それに、実菜たちがどうなったのか、俺はかなり心配だった。せめて智花や上戸と一緒だと良いのだけれど……。

 もし実菜や玲奈、アリサが単独でこのダンジョンに放り込まれれば……。どうなるかは想像したくない。

 

 だが、少なくとも舞依は俺の守れる範囲にいる。

 まずは舞依を守り、地上へと戻ろう。


「進一さんのこと、あたしは信じてます」


 舞依が柔らかく微笑んだ。その言葉に、俺もうなずいた。





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