偽物の世界だとしても。
僕は二つの世界で生きている。
ひとつは現実と呼ばれる世界。
そしてもうひとつは夢の中の世界。
普通、夢の中の世界は意識的に動くことは出来ない。
そして目が覚めればすぐに忘れてしまう。
でも、僕は夢の中の世界で意識を持つことが出来る。
しかも、起きようと思えば起きることだって出来る。
でも逆に言えば、僕が起きようと思わない限り、永遠に夢の中の世界で生きることが出来る。
夢の中の世界は僕の頭と連動している。
つまり僕が思い描く夢がそのまんま世界となる。
夢の中の世界は本当に楽しい。
でも、現実の世界が本当の世界。
現実の僕がいない限り、夢の中の世界には行けない。
現実の世界は楽しくない。
僕の両親は僕の記憶に居ない。
母は僕を産んですぐに死んだ。事故死だったらしい。
父はそれがショックで僕を置いて自殺した。
どうやら僕は愛されていなかったらしい。
そして僕は孤児院に入った。
そこではいじめにあった。僕は愛を知らない。
だから人との関わり方を知らなかった。
現実の世界には僕を理解してくれる人がいない。
でも夢の中の世界では僕を愛してくれる人がいる。
現実の世界では感じられない愛と幸せを感じられる。
だから永遠に夢の中の世界で生きていたい。
でも現実の世界を放ったらかしにすると死ぬ。
現実の世界で死ぬと夢の中の世界も消えてしまう。
つまり夢の中の世界だけで永遠に生きるのは不可能。
現実の世界でもしっかり生きていかなければいけない。
それでも僕は夢の中の世界で永遠に生きたい。
例え、偽物の世界だとしても。