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野良聖女~鎖が解かれたので自由に生きようと思います~  作者: 三川士ぱりぃ
ミルトランド王国編
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館にて(貴族使用人)


 どうも。

 とある侯爵家の使用人をしておりました。ギンムゾルと申します。

 何故過去形かと申しますと、侯爵家はお給金は良かったのですが、あまり良い主人とは言えず・・・戻ったとしても無理難題を突き付けられるのが目に見えておりまして。

 とはいえ、生活にお金は必要ですし。。。簡単に辞めると言い切れない気持ちもございます。

 暫く様子見をして、戻るなら皆に合わせたいと考えております。

 悩ましいことでございますね。

 

 それにしても、良い主人であったのか、そうでなかったのか、それぞれの館の使用人を見れば、一目で分かります。

 使用人の顔つきや、結束力など、これほどに違うのかと感心いたします。

 実に興味深いことでございます。


 おや?あちらの子爵家の使用人は素晴らしいですね。

 不安な面持ちの者が大半の中で、あそこだけ空気が違います。

 大変働きやすい職場と聞いておりましたが、噂通りのようでございます。

 

 あのような誇り高い表情を見ると、羨ましくなってしまいます。

 私も心からお仕えできる主人に出会えていたら・・・いえ、言っても詮無いことですね。


 皆様、お館に戻るとお心を決めているようですが・・・。少し様子を見た方が良いのではと、老婆心ながら思ってしまいます。

 周りを見渡しても、直ぐにでも戻ろうと思われているのは少数派です。

 どう考えても使用人不足です。

 となれば、主人を思って戻っても、王城や高位貴族に攫われてしまうのが容易に想像がつきます。


 殿下ほどの選民思想はないにしても、平民を道具だと思っている貴族が多いのもまた事実。

 貴族であっても、上位貴族に下級貴族は逆らうことができません。

 差し出せと言われ、拒める者などいないのです。


 私たちの思いが、絆が、権力を上回ることなどあるのでしょうか。

 もしあるのならば、それを見てみたい。

 などと思うのは、お伽話をせがむ子供のようですね。


 でも・・・アリア様なら、そんな夢を見せてくれる。

 そんな気がしてしまうのです。

 




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