決戦
日付を間違えて予約投稿をしてしまったみたいです。
ストック無いので、1日空いてしまいました。
すみません。
いざ、決戦です!
意気揚々と呪いの館に赴いたアリアを前に、出迎えた魔王は明らかに挙動不審だった。
「お、お前・・・確かに浄化を頼んだけどなぁ、なんだよこの魔力量は・・・やりすぎだろ!」
「いえいえ、こんな凶悪な複合呪いを浄化するのは初めてなので、やりすぎなんて無いですよ!」
「いや、異常に気付け?俺!生身なんだけど!?」
「魔王様でしょ?大丈夫ですよ!!さ、四の五の言わず片付けますよ!」
「ばっ、お前、待て!」
アリアは集中した。
聖女達から託された陣を丁寧に引き出す。
西に接する隣国、ニーシェン国の聖女からの陣。
「一の陣。セリアンヌ様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
南に接する隣国、スグナン公国の聖女からの陣。
「二の陣。ロザリー様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」」
スグナン公国の西南にあるモッティンニー国の聖女からの陣。
「三の陣。エレーナ様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
東に接する隣国、ヒガッシュ国の聖女からの陣。
「四の陣。ステイシー様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
ヒガッシュ国より北東にあるホクトレーベン神聖国の聖女からの陣。
「五の陣。フローラ様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
ヒガッシュ国とホクトレーベン神聖国の南にあるトーナンベルデン国の聖女からの陣。
「六の陣。ヴィオラ様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
スグナン公国の南にあるハルミナージュ国の聖女からの陣
「七の陣。フェリシア様の浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
そして、その全てを受け放つ私の陣。
「八の陣。私、アリアの浄化陣、展開。
強化増幅陣、展開」
魔王の前に、整然と16の陣が並んだ。
「お前馬鹿だろ!そんなに強化して陣が持つわけないだろ!!」
「大丈夫です。聖石に相談済です」
「おまっ、話せるのか!?」
「いえ、でも魔力の揺らぎや流れで分かります」
「何それ分かんねー!つか、お前紐付きだろ!何でこんなの扱えるんだよ!!」
「意味が分かりませんが・・・。聖石の準備もできたようです。あなたも準備してください」
「準備?なんの!?最後のお祈りでもしろって?俺まだ死ぬ気ないけど!?」
喚く魔王に狙いを定め、アリアは一の陣に魔力を流した。
「術式起動」
既に魔力を内包している浄化陣は、アリアの魔力に反応し、ふわりと白銀の輝きを纏った。
そして、高く澄んだ音色を奏でると、強く発光し、強化増幅陣に飛んだ。
受け止めた強化陣は、乾いた破裂音を上げて、聖魔力を一回り大きくする。
強化された聖魔力は、次の二の陣へと飛ぶ。
三の陣、四の陣・・・。
2種の音色が連続して空気を震わせる。
音が鳴る度に増す圧力。
八の陣で、全ての聖魔力を受け止めると、一際強く輝きを放った。
「浄化砲発射!煮凝り吹き飛べーーーっ!!」
アリアの叫びと共に、神々しいまでの輝きが巨大な強化陣に飛び込む。
──────刹那
爆発と呼ぶに相応しい白銀の光が、魔王も、館も、大地も空も、何もかもを飲み込み、一帯を白く染め上げた────




