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想定外

長ったらしい校長先生の話が終わって、クラスが発表された。

クラスはA~Dの四つに分かれていて、上から順に優秀とされてる。

僕はもちろんDだった。隣の子もDだった。泣きたい。


「君のその髪、綺麗な白だねー!!」


...この子、嫌味で言ってるのかな?

この白い髪は魔法を使う人にとっては忌むべきものなはずだけど、それを綺麗って。


「...僕は気にしてないけど、他の人の前ではそういう言葉は言わない方がいい。君まで避けられてしまうよ。」


「いいの!!綺麗なものは綺麗だし、私は他に人にどう思われようと構わない!」


お、おう。この子すごいな。ここまで自分に正直な人間は見たことないな。


「君がいいならいいんだけど。そういえば、まだ自己紹介してなかったね。僕の名前はソロモン。」


「私はサクラ・ビブリア!!サクラって呼んで!その髪色でソロモンだと苦労しそうだね。大変だろうけど頑張ろうね!!」


なんでこんなに憐れまれてるんだろう?気になるな。


「なんでそんなに苦労しそうなんだい?僕はソロモンって名前は誇りに思ってる。聖天魔道士の一人だしね。」


「あー、君は知らないのかな?ソロモンは聖天魔道士の中で、落ちこぼれって言われてるんだ。大戦の最中、行方を晦まして逃げたって言われてる。聖天魔道士も否定しなかったからそのまま語り継がれちゃったんだって。」


...なんてことだ。この僕が、落ちこぼれ??聖天魔道士の中では一番強かった僕が?魔王を封印するために色々やったのに。これは、僕がこの酷評を覆さないと...。


「そうだったのか。頑張らないといけないな。」


「うん。なんかごめんね?名前をバカにされるのは嫌だったよね。ごめん。」


「気にしないで。これからよろしく。」


「...うん。よろしくね!」


これは、やることが増えそうだなぁ。

そんなことを思っていると、生徒会長様がなにか言ってるのが聞こえてきた。


「やぁ、誇り高き魔術学院に入学できた優秀な者達よ。私はこの学院で生徒会長をやっているベーゼ・ディザイアだ。以後お見知りおきを。さて早速だが、諸君らの中にはこう思っている者もいるのではないか?なぜ、この学院に白が混じっているのか。なぜ、この学院で白を見なくてはいけないのかと。」


圧倒的に嫌な予感がする。今この場にいる白は僕だけだ。視線が一気に集中する。嫌な視線だ。


「そこで、私はそんな諸君らの思いを汲み、一人だけに決闘の許可を与える。諸君らの中で、我こそはという者がいれば名乗り出よ。」


...きっとあいつがくる。


「私がっ!!!私がやります!!」


ほらきた。


「ほう、先程揉めていた少年だな?他に誰かいないのか?いないのならば、この少年に決めてしまうが。」


...これって拒否権無いのかな?


「いないようだ。では、これより白との決闘を始める。中央を空けたまえ。フィールドを展開しよう。両者は中央に来たまえ。」


あ、拒否権ないやつだわ。

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