王都到着
「んー、冒険者になるにしても魔法が使えないと不便だしなぁ。今のままでも使えることには使えるけど疲れるしなぁ。精霊との契約は魔術学院に行かなきゃ出来ないし……。王都まで走るか。」
〜道中〜
「王都まで地味に遠いし、一人で向かうのも寂しいものだな。ホムンクルスでも作っておけばよかった。禁忌だけどね。」
そう言いながら、僕は一人王都までの道を走り抜ける。途中で行商人のおじさんに驚いた目で見られた気がするけど、僕は何も見てないし気にしてない。……いいね?
〜王都〜
「ここはいつ来ても混んでるよなぁ。人混みはあんまり得意じゃないんだよなぁ。まぁ、一人は寂しいんだけどさ。さてと、転生前と比べて何か変わったこととかあるかな〜?」
と、魔術学院に行く前に辺りの店を見て回った。
見たことない食べ物や魔導書、魔道具が売ってて年甲斐もなくワクワクした。
外見の話じゃなくて中身の話ね。外見でいうと15歳くらいだからワクワクしててもおかしくないはず。きっとね。
見て回った店の店主になんでこんなに賑わっているのか聞いたら、明日は年に一度の魔術学院の一般入試で、推薦の貰えない村の子供たちが試験を受けに来ているそうだ。
こいつはついてるぞ。魔術学院の入試は方式が変わってなければ魔法は使わない。魔道具に魔法を流して適正と魔力量を測る方式だったはずだ。
「まぁ、この髪色だと受けさせてもらえないかもだけど。」
髪色には本人の魔法適性が反映されやすく、魔道具がないときはそれが判断基準になっていたそうだ。
一般的に適正がない者の髪色は白。そして、僕の髪色は白だ。
……この見分け方が正しくないことは転生前に知ってた。転生前も白だったからね。
白は全魔法適正で、測っても出ないことが多い。前に使われていた魔道具は魔力の波長を見るものだったけど、全魔法適正は波長が一定で検出されにくいんだ。
「まぁ、なんでもいいか。」