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咲夜修行中!~火傷娘と先輩の。退魔師修行、ことはじめ~  作者: 弓弦
第三章「継実の獣と雷夜の声」
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第五話「先輩、『友達』ってどう話せばいいですか?」


「――え?」


 先輩の言葉に慌てて振り返ると、少し離れた路地の影から。少し灰色がかった髪の、眼鏡を掛けた小柄な女の子が顔を半分だけ覗かしているのが見えた。私が振り返ったのを見た瞬間、半分だけ見えていた顔に焦りのような表情が浮かんだ。


「……横貫(よこぬき)さん?」


 思わず彼女の名前を口にすると、横貫さんはビクリと大きく肩を一度大きく震わせる。半分だけ見えていた顔がすすっ――と道の影に消えた。


「……やはり、そうなのか?」

「――た、多分……」


 確かめるように聞いてくる先輩に、私は何となく自信が持てないまま返した。


 でも、確かにあの一瞬見えた顔は、確かに月曜日教室で声を掛けてきてくれた『横貫さん』だったように思う。人の顔を覚えるのはそんなに得意では無いけれど、流石にあんなに印象的だった彼女の事を早々見間違えはしない――と、思いたい。


「……どうしましょう……? 先輩?」


(いや、こんな質問、先輩も聞かれても困るだろうけど……)


 ……こういうときはどうするのが正解なのだろう?


 情けないことに、思わず先輩の方に向かって助けを求めた。案の定、先輩も思案するように先ほど人影が引っ込んだ辺りを見つめている。


(……声、を掛けてくれたら良かったのに……)


 ――もしさっきの声が本当に横貫さんだったとしたら。せっかく会えたのに、ああやって声を掛けて貰えなかったというのは……『友達』になることが出来なかったという証明のように思えて少し寂しかった。


 そのまま、首を傾げる先輩と二人。一抹の喪失感と共に、人影が消えていった曲がり角を見つめていると。


 ……一度は引っ込んだ人影がひょっこりと角から姿を現した。

 ――やはり、壁の向こうから姿を現した小柄な女の子は。横貫さんに違いなかった。


(……あいさつ、しないと……)


「……横貫さん……」


 なぜ彼女がそんな所に居たのかは分からない。でも、とにかく『声を掛けないと』と声を出そうとして、自分の声が(ひど)(かす)れている事に気がついた。


 ――さっきまで、先輩と話していたときはそんな事は無かったのに。

 今は、言葉一つを出すのも辛いくらい、言葉が口から上手く出てくれない。まるで、妖魔に首を締め付けられていたときのようにじわじわと喉の辺りが圧迫されているように感じる。


「――っ、横貫……やはりそうですか……」


 (しゃが)れた私の声で名前を呼ばれた横貫さんが、観念したように唇を噛み、微かに首を振りながら少しずつ近付いてくる。


「……おはようございます。咲夜(さくや)さん……その、っ、決してっ……覗いていた訳では無かったのです……」


 伏し目がちに見上げてくる横貫さんの視線が、冷たく私の火傷跡を覗き込んでいるような気がして、思わず一歩その場で後ろに下がった。左手を前髪に沿えて、(みにく)い傷跡が彼女の視線に触れないように覆い隠す。


「……ふむ」


 ――後ろで、先輩がなにか呟いた気がした。


(……そうだ。今、後ろに先輩が居るんだった……)


 今、自分は先輩の目の前に居る。その事をつかの間忘れてしまっていた。

 だが、先輩の声を聞いた事でその事を思い出し――急に、自分の今の姿を見られているのが……『怖く』なった。


(……こんな、かっこわるいところ、見られたくなかったな……)


 クラスメイトと出会っただけで、声が出なくて、ただ傷跡を隠している事しか出来ない自分を先輩に見られるのが、自分でもどうしてか分からない位――『恐ろしい』

 手先から冷たく力が抜けていくような感覚がして、思わず乾いた唇を舌先で軽く舐めた。


(……なんで……っ、なんでだ……っ! 普通に、さっきまで話せたのに……っ!)


 つい、いましがたも床井のおばさまと話をした所だった。別に、その時は普通に話だって出来たはずなのに。


 ――なんで?

 ――なんでっ!


 考えれば考えるほど、『なんで』という疑問だけが頭の中でで空回りしていく。それが余計に自分を焦らせ、そんな事しか考えられない自分が情けなくて――


 視界が狭く。暗く。冷たく。寒く。凍え――


「――落ち着け。……咲夜」


 ――トンと、両肩に暖かな感覚が広がった。


 はっとして、首だけをひねって先輩の方を振り返ると、柔らかい笑みを浮かべている先輩が居た。そのまま、振り向いた私の首筋に顔を近づけるように、先輩が近づいてくる。


「……ほら。落ち着きたまえ。――君の級友は、どうやら(たま)さか行き会っただけのようだ。随分、バツの悪そうな顔をして居るでは無いか?」


 呆けていた私に(かつ)を入れるかのように、ぐっと引き寄せられそっと耳元で(ささや)かれた言葉は、私以外に聞こえないようにとても静かな声だった。しかし、その声はじわっと水がしみこむように私の頭の中に染み渡り、空回りする頭の中をゆっくりと包みこんでいく。


 ――もう一度、前を向き横貫さんの表情を確かめた。


(……あれ? たしかに……先輩の……言う通り……?)


 さっきまで、冷徹に私の顔の傷を見透かすようにこちらを見ていたように思えた彼女は、よくよく見てみれば顔を耳まで赤くして、こっちをちらちらと伺うように見つめているだけだった。そこには、先ほど感じたような(くら)く冷たい視線は感じられない。


 ――ふっと体から力が抜けた。


(……私、今、こんなに力が入ってたんだ……)


 冷静さを取り戻した頭が、ふわりと暖かさを全身に広げる感覚と共に、どこか人ごとのように自分の体が強張っていた事を教えてくれる。


 ――私の両肩に手を添えていた先輩が、後ろで笑う気配がした。


「――ああー、取り込み中すまんな。良かったら、紹介してもらってもかまわんか?」


 先輩が私と横貫さん。『二人』にはっきりと聞こえるように大きな声でどこかわざとらしさを感じる声で聞いた。その言葉に、今度こそようやく完全に落ち着いた思考が戻ってくる。


「……あ、そうでした。先輩……先輩の言うとおり。同じクラスの横貫さんです……」

「……横貫(よこぬき)加奈子(かなこ)です……そちらは、二年の穂積(ほづみ)先輩ですね」


 慌てて先輩に横貫さんの事を紹介すると、横貫さんは自分の名前を名乗った後。紹介もしていないのに、すぐに先輩の名前を言い当てた。一瞬迷うように視線を向けたかと思うと、先輩に右手を差し出す。


(……そういえばなんで、横貫さんは先輩の事を知ってるんだ……?)


 考えてみれば、話しかけてくれた時も、そんな事言っていた。


(――確か『あの二年の穂積氏』とか……っ!)


 思い出しながら、その記憶に引きずられるように、『愛の抱擁』だとか思い出すだけで恥ずかしさが込み上げてくる単語が脳裏をよぎり、体温が何度か上昇したような気がする。


(そ、そもそも……勘違いも良いところだし……)


「ほう……?『知っている』とは?」


 先輩もその事が不思議だったのか、横貫さんが差し出して来た右手を握り返し、愉快そうに口元を緩め問い掛けた。横貫さんは、それが当然であるといった様子で……だけどどこか、投げやりな感じで呆れた表情を浮かべている。


「……二年の穂積先輩といえば、新入生の間でも有名なので」

「……まったく、かなわんな。何かというと要らぬ噂をばらまく輩が居るものだ……」


 先輩が、なぜか投げやりな様子で答えた横貫さんにかかっと笑った。


(……そういえば……なんで先輩も『横貫さん』だって分かったんだろう……?)


 よく考えてみれば、さっきは先輩の方が先に横貫さんの事に気がついた。それも、あんな僅かに見えていた姿だけで、だ。


(……あれ? そういえば、昨日一緒にご飯を食べたときも、先輩『眼鏡と言えば』って、横貫さんの事を言ってたけど――私、横貫さんが『眼鏡を掛けてる』なんて……言ったかな?)


 昨日うちに来た先輩が慰めてくれたときの事を思いだして、内心首を傾げているといつの間にか先輩と横貫さんの間で会話が進んでいた。


「――そうか。そうだな……横貫君、君はどこか行くところだったのか?」

「……はい。たまには出かけてみるのも良いかと思ったのです……そちらは……デートですか……」


(――『デート』っって!? ……やっぱり、横貫さん、なにか誤解してる……!)


 聞こえてきた単語に、先輩に恥をかかせないように慌てて否定しようとして……

 ――視界に映る、口の端をにやりと吊り上げて笑う先輩の笑み。


(――あ)


 ――嫌な予感を覚えたときには、すでに手遅れだった。


「――いや、なに。これから二人で映画でも見に行くかと話していてな。――なあ? 咲夜?」

「――え? あ、はい。 ……って、あ……え……?」

「――映画……ですか……それは随分と楽しそうなことですね」

「――だろう? いや、実はな――」


 ――『デートじゃ無い』と否定しようとしたところで、疑問系で投げかけられた言葉に思わず答え、そこに一切の嘘が含まれていなかったせいで、つい、肯定の言葉を返してしまった。


 ――結果、その前の言葉を否定するタイミングを(いっ)してしまう。


「……ぇ?」


 ――どうしよう。


 致命的な誤解が生まれたまま進んでしまった話に、小さな声が漏れると、横貫さんと話していた先輩が涼しげな顔で意味ありげな流し目を送ってきた。


(――あ……やっぱり、今のって……! 先輩……わざとだ……!)


 ――先輩、横貫さんが誤解したのを良い事に、わざと私に否定するタイミングを作らせなかったらしい。どうやら、先輩のまたいつもの悪ふざけみたいだ。


(……でも、先輩……否定しなくて、良かったのかな……?)


 先輩が否定しなかった事に、不安を覚えながら……同時に、『嬉しい』と思ってしまっている自分がいる。


 ……元々、私と先輩が一緒に行動しているのは『妖魔に襲われるかも知れない』というただそれだけが理由だった。毎日の買い物も。今日、こうして先輩を遊びに連れ出す事が出来たのも。すべては、その一点だけが理由だ。


(――でも)


 さっきの、『遊びに行くらい、普通に誘えば良い』なんて言葉。

 それに、今の、『デート』なんていう大それた言葉を否定せずに誤魔化してくれた先輩に。


 ……ついつい、僅かに期待してしまう自分が居るのだった。


 別に、『恋仲になる』だとか、そういう類いの話ではないのは分かっている。ただ、それでもやっぱり純粋に。『義務感』だけで接している相手に、いくら何でもそこまでの冗談は言わない気がするのだ。


 ……本当に、あくまで私の希望。淡い期待にしか過ぎないけれど。


(……これから、本当に。妖魔の事とか、全部無しに。もっと一緒に居られたら……嬉しいな)


 ――そう、思うのだった。


(……でも――ううん。違う。だから(、、、)、もっと頑張ろう。――先輩と居て、恥ずかしくないように)


 ……一緒に、居てくれる先輩が、いつか、どこかで。『一緒に居て良かったな』って思ってくれるくらい。


(……それは、流石に……無理かも……)


 でも、少なくとも『アイツと一緒に居たのは最悪だった』……なんて思われないように。もう少しだけ、もう少しだけ頑張ってみようと思った。


(……ただでさえ、私と一緒に居るときの先輩、散々な目に遭ってるんだし……)


 ……妖魔に殺され掛け、かと思えば身代わりになろうとしたり。

 ……本当に、私に出逢ってからのこの数週間。先輩に取って(ろく)な思い出が無いはずだ。


(……私にとっては、大切な思い出が一杯だけど……)


 今も左手に付けている腕時計。それから、バッグの中にしまっている『パスケース』を意識する。

 ……ほんのりと、左手に持っている腕時計が、先輩と同じ暖かさを送ってくれているような気がした。

――そう。だから……まずは、手始めに。第一歩。


(……踏み出しかけて、足踏みしてしまった一歩を、もう一度踏み出して……みるっ!)


今も先輩と話している横貫さんの方を向いて、一歩踏み出した。


「――横貫さん……!」

「はい……」


 突然声を掛けた横貫さんの、少し驚いた猫のような瞳を見て、ふと――教室で横貫さんから言われた事を思いだした。


(……そういえば、敬語を使わないでって……名前も『加奈子』って呼んでって……言われてたんだっけ……?)


 ――いつの間にか。再び『横貫さん』呼びに戻ってしまっていた。

 ……正直、いきなりの名前呼びはハードルが高い。


(だけど……敬語無しで話すくらいなら)


 お凜ちゃんと話をするときのように、話をすれば。――なんとか、出来そうな気がした。


「――これから、『出かけてみる』って、どこ……行くの?」


 若干の抵抗に言葉を詰まらせながら、勇気を出してそう言ってみた。


 横貫さんが確かめるようにじっと見つめてくる。真っ正面から見つめられる事に、抵抗を覚えて、思わず左手が顔に伸びそうになるのをぐっと我慢した。先輩が、私の事を勇気づけるように見つめてくれている。


「……なんですか? そんなこと……一緒に行きでもしてくれるのですか?」


 横貫さんが、一度開いた瞳を、再び感情の読めない半目に閉じながら、そんな風に聞いてくる。横貫さんの言葉に咄嗟に言葉に詰まってしまった。


(……先輩との予定があるから、一緒に行くのは出来ない……な……)


 ……横貫さんが少し突き放したように言った言葉に、僅かに『責められている』気がして、『無理だ』と返す事に罪悪感を覚える。


 でも。今日は――先輩がせっかく誘ってくれた。だから――横貫さんと一緒に行くわけには行かない。


「――そ、それは……」

「――私は、かまわんよ。咲夜」


 『ごめんなさい。無理です』と続けようとした言葉を、先輩の囁く声が遮った。驚いて振り返ると、こちらに向かって微笑んでいる先輩が居た。


「……その代わり、今日の『デート』の分の埋め合わせは、大きいがな? ――可愛い後輩の、級友との遊びに付き合う位、喜んでさせて貰うとも。だから、今度付き合ってもらうぞ? 映画と……あとは食事にでも」


 横貫さんに聞こえないくらい小さな声で話しながら……くっくっと、おもしろそうに喉の奥を鳴らすように先輩が笑って居る。わざと『デート』にアクセントを置いた、巫山戯(ふざけ)るような言葉とは裏腹に。先輩の言葉はとても冗談だとは思えないくらいに真剣だった。


(――つまり、先輩は……今日、横貫さんと出かけても付き合ってくれると言ってる……?)


 ――ならば、今横貫さんの質問に『はい』と答えても問題ない……わけだ。


 ……なぜか。一瞬、なぜか胸の辺りが、急に切ないような、微かな(うず)きをあげた気がしたが、すぐに先輩の心遣いに答えるために、頷いた。


「――分かった。一緒に、行ってもいいの?」

「!?……本気で言っているのですか?」


 横貫さんが、一度は半目になった瞳を、『信じられない』という風にもう一度見開いている。だから、そんな彼女に私の『意思』をちゃんと伝えるために、私はもう一度大きく頷きながら伝えた。


「……横貫さんと、一緒にお出掛けして……みたいな。……その、せっかくだし」


(……せっかくって……なにがせっかくなんだろう……?)


 我ながら自分で言いながら、何を言っているのか分からない……『勇気』などと、意気込んで見たところで、最後の最後で自信を持って言えない自分の優柔不断さに半ば呆れながら。だけど、横貫さんと、ちゃんと友達になるには『今しかない』……根拠は無いが、そう思って前言を撤回することはしなかった。


 黙り込んで死まった横貫さんの反応をそっと(うかが)う。

 顎先に指を当て、黙考していた横貫さんが、おずおずとした様子で口を開く。


「……そう、ですか……その、ちょっと……失礼します」


 良いながら、横貫さんがその場でくるりと体を翻し、私達から表情を隠すように後ろを向いた。そのまま、小さな声でぶつぶつと何事か呟く。『じr――』『でも――』と何かを考え込んでいる様子だ。


 ちらっと私達に視線を向けた後、大きく肩を上下させ、回れ右するようにこちらを向いた。


「……その、穂積先輩も、いらっしゃるのですか?」

「……ああ。まあ、ちと事情があってな。悪いが今日の所は咲夜と一緒に居らねばならんのでな。すまないが、同行させて貰う事になる」

「……そう、ですか……」


(……やっぱり、嫌……だったのかな……)


 先輩と話ながら、無表情の中でどこか顔を引き攣らせているように見える横貫さんを見て。段々と『やっぱり迷惑だったんじゃ無いだろうか?』という不安が襲ってきた。


(……そうだ。横貫さん、『行ってくれるのですか?』って言っただけだし……)


 ――そもそも別に、横貫さんはそこまで強く一緒に行こうと言ってくれた訳では無かった。


(考えてみたら、休みの日に突然遊びに行く先に突然親しくもない私達が着いていくのは、嫌だろうし……)


 ……段々と、悪い予想ばかりが浮かんでくる。

 ひょっとしたら、断られる為の方便だったのかも知れない。それなのに……


「……分かりました。では、よろしくお願いします」


 ……しかし、その言葉は、あまりにあっけなく。ごくごく普通に帰ってきた。


「あ……」


 思わず、声にならない声が喉の奥を突いて出てくる。しかし、それはすぐに理解へと変わっていき――


「――良いのっ!?」


 思わず、横貫さんの言葉が信じられなくて身を乗り出した。

 すると、横貫さんは顔を僅かに引き攣らせ――両手を突き出し。今の言葉を否定するように両手をぶんぶんと大きく左右に振り払った。


「――や、やはり、社交辞令だったのですね……っ!? ま、間違えました! その、ど、どうぞお二人で……」

「え!? や、違っ……」


 その表情と、焦ったような『社交辞令』という言葉に思わず私も焦りながら否定しようとするが、同時に『間違い』だと言われてしまったせいで、『何が間違いだというのか』『何がダメだったのか』『咄嗟になんと答えるのが正解か』、分からず言葉が喉の奥で迷子になった。


 そのせいで、横貫さんと二人、ただひたすらに無言でお互いに首を振り合う事になる。


「……君らは、良く似ているな……」


 ――そんなパニックを起こしている私達の傍ら。

 先輩が、呆れたようにくっくと喉を鳴らす声が聞こえてくる。


(……先輩、お願いですから……笑ってないで助けて下さい……!)


 数分前に抱いた決意は一旦置いて。私は先輩に内心助けを求めるのだった。



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いつも応援・ご評価ありがとうございます。

おかげさまで、ジャンル別日間ランキングで19位を頂くこともできました。
これからも、お付き合い頂ければ幸いです。

*******↓ 『もうひとつ』の物語 ↓******

「ラリカ=ヴェニシエスは猫?とゆく。」
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