その言葉攻め、効果覿面につき
登場人物
ロリサメ:本名ムラサメ。100年以上前に作られた妖刀であり、体は妖刀が作ったマヤカシ。そのマヤカシはもともと和服美女だったが、力を使いすぎたことが原因で一時的に幼女の姿に。その結果ロリサメと呼ばれている。体も服も鉄のように硬い。
迷宮の一室、というかボス部屋で、俺はその少女――いや、幼女と一緒にいた。
「……いつになったらお前は元の姿に戻るんだ?」
と俺は幼い黒髪の和服幼女――ロリサメを見た。
本名、ムラサメ。その正体は彼女の腰に差されている幼い少女には分不相応に長いカタナだ。今の彼女の姿はカタナが作り出しているマヤカシに過ぎない。
とある事件の結果、力を使い果たした彼女はロリっ子の姿になっていた。
シエル以上につるペタな彼女の姿には、悪戯しようという気にもならない。
「力が回復すれば元に戻ります」
「だから、いつになったら力が回復するんだって聞いてるんだよ」
「わかりませぬ。何故、自分もこうなるのははじめて故」
ったく、本当は和服美人剣士なのに、こうなっては張り合いがない。
俺はロリコンではない。
だから――
「ところで、ご主人様。これに意味はあるのでしょうか?」
「どうなんだろうな。一応やってみた」
荒縄で亀甲縛りにされて天井からぶら下げられているロリサメを見ても別に何の興奮もしない。
というか、ロリサメも妖刀により作り出されたマヤカシなので鉄のように硬く、縄に縛られても何も感じていないだろう。
ロリサメとの約束で、彼女に罰を与えることになったのだが、縄で縛るのはこれじゃない感が満載だ。
「俺はロリへの悪戯には造形が深くないからな。ロリサメ、お前はロリそのものなんだから何かいい案はないか?」
「申し訳ありません。私もロリになって日が浅い故」
「だよな、俄かロリだもんな」
服を脱がそうにも、こんなロリの体見ても何も感じないし。
全く、俺が紳士過ぎるのも問題だな。
「例えば言葉攻めなどはどうでしょう」
「言葉攻めか――そういえば、お前の悪口ってあんまり言ったことないな」
と俺は頷き言った。どうせこいつには肉体的ダメージはないのだ。
それならば、精神攻撃での罰も悪くない。
俺は天井から吊るされた荒縄に溶解液をかけて溶かし、ロリサメを強引に落下させた。
そして、亀甲縛りのまま地面に転がるロリサメに対して言葉攻めを行う。
「シエル以上の貧乳に成り下がったロリババアが。唯一の取柄の剣の腕すらライバルのダンジョンボスの足元にも及ばないんだろ? 悔しくはないのか?」
「はっ、私は悔しいです」
「悔しかったら態度で見せてみろ。そんな這いつくばって地面とキスするのがお前の悔しさの表現か? はっ、地を這いまわる蟻のほうがはるかに有能だぞ」
「な、縄をほどいてください。さすれば私は必ずやご主人様のお役に立てるよう切磋琢磨を続けてみせます」
「よく言ったな。縄を解いてやる。ただし、切磋琢磨したからって結果が出せないようじゃお前は一生負け犬のままだぞ。わかったらとっとと立ち上がり、返事をしろ」
と俺は溶解液でロリサメの縄を溶かしてやると、彼女は立ち上がり、
「サーっ! それでは早速山にこもって稽古をしてきます」
と剣を持って足早に走り去った。
途中から気付いていたが、これって言葉攻めじゃなくて、軍隊の鬼教練指導官の鼓舞じゃねぇか?
と思ったが――でも少し楽しかったからよしとしよう。