三時限目 龍騎士としてのお仕事
はじめてのおつかいのBGMをかけながらお読みください。
町へと言ってみるとそこは異世界情緒があふれる村落だった。町の外側には畑が広がっており、中心に行くにつれて木製であろう家々が見えてくる。
中央であろう所にはちょっとした広場になっており、そこでは町全体のイベントごとなどが行われるのが想像できる。
さて、最初に役所に行って身分証を作るのだったかな?
「お、おい見てみろよ! 白い龍だぜ!」
「ほんとだ!! 真っ白い龍様だ」
「隣にいるのはパートナーの龍騎士様かな?」
……非常に目立っている。
ヴァイスはこのままでは町に入れないと言って、小さな姿に変わった。それでも成人男性よりかは大きいが。
龍騎士のパートナーである龍は自分自身の姿を変えられる能力があるらしい。
人とパートナーになった時に魔法が多少使えるようになるということだ。
「…………あまり目立つのは好きではないのだが」
『それはまぁ……慣れてくださいとしか言いようがありませんね。この辺りでは龍騎士なんて物珍しいでしょう。あそこに龍騎士の夫婦がいたのは30年くらい前の話になりますからね。そこからはあまりこの町と交流はしていなかったようですし』
「それって白ノ竜が言っていた設定なのでは?」
『実際にいたらしいですよ? 本当は数年前に他界したようですが』
「お子さんはいたのか?」
『いえ、子宝には恵まれなかったみたいです』
そうか……その夫婦のためにも一生懸命生きてみようか。その夫婦の息子として。
『その夫婦の苗字がドラクルらしいので、セイヤ様は”セイヤ・ドラクル”と名乗るのがよろしいかと』
「わかった。名前を聞かれたらそう答えよう」
2人して町を歩いていると、走行しないうちに役所と看板が掲げられた立派な木造建築の建物にたどり着いた。
立派と言ってもこの町のほかの家々よりはということであるが。
「ごめんください」
ちなみにヴァイスは外で待機している。
「はーい! どちら様ですか?」
奥の方から声が聞こえる。
役所と言っても受付やカウンターがあるわけではなく、一般的な民家より少し豪勢だなという感じだ。
村長の家兼役所ってところだろう。
「町はずれの丘の家から来ました。セイヤ・ドラクルと申します」
「あぁ! あの龍騎士様の夫婦が暮らしていた家ですね! ……あれ? でも」
そう言って出てきたのは10代と思われるであろう少女だった。
髪の色はくすんだブロンドで、瞳の色は青色。小ぎれいな顔立ちでそばかすが少し見える。
可愛らしい少女だった。
「その夫婦の息子です。龍騎士のとして修行の旅をしていたのですが、久々に帰ってきたのです」
「そうだったのですか! それはお疲れさまでした。ご両親はお元気ですか? 町に顔を見せに来ていなかったのでお父さんたちが心配してたので」
「父や母は旅の途中で……」
「そう……ですか。お辛いことを聞いてしまって申し訳ございません」
「いえいえ、龍騎士としての素晴らしい最後でした。俺も両親を見習って立派な最後を迎えたいものです」
「立派な心掛けですけど、死に急ぎはしないでくださいね?」
「えぇ。そう簡単に死ぬ気はないですよ」
「その意気です! っと、失礼しました。今回はどのような要件で?」
「実は私身分証明書を作っていませんでしたので、それを作りに」
「あぁ、旅をしていたんでしたね。わかりましたそれではおつくりします」
そこで簡単な書類を書かされ、無事に身分証明書”マジックカード”を作ることができた。
「何か仕事はないでしょうか? 旅から戻ってきて力が有り余っておりまして」
「ウフフ、そうですか。そうですね……最近町の周りにモンスターが多くなってきているようなので狩りをお願いしてもよろしいですか?」
「かまいませんよ。龍騎士のとしての腕がなりますね」
モンスターと呼ばれる生物がいるらしい。ここに来る途中にヴァイスに聞いている。
確か気性の荒い動物だということらしい。
その肉や皮を加工して売っているお店もあるらしいから。そこに遺体などをもっていけば多少は売れるだろう。
さっそく向かうとしよう。
「それではさっそく行ってきます!」
「はい! 気を付けていってきてくださいね」
「そういえば……お名前を聞いていませんでしたね」
「あぁ、そうですね。私ったらうっかりしていました。私の名前は”ナナリー”この町の町長の娘です」
「ナナリーさんですか」
「いえ、敬語は不要ですよ?」
「それじゃ、ナナリー。行ってくる」
「はい」
こうして俺はヴァイスと一緒にモンスター退治へと向かった。
要約
マジックカードを作りに村長宅へ行ったセイヤ。
そこで娘のナナリーとであう。
異世界での最初のお仕事はモンスター退治に決まった。
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