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野良猫のみた幻想郷  作者: 稜の幻想日記
7/17

猫と吸血鬼妹 終


 ザシュ――とフランドールの持つレ―ヴァテインが突き刺す音が部屋中に響いた。


「ガフッ……ゴフ……」


 ビチャビチャ


――真っ赤な血が床にマキチラサレタ




「にゃ?」

 にゃんで? にゃが輩は生きているのニャ? にゃんでレミリアがいるんだニャ?

にゃんでレミリアの胸にレ―ヴァテインが刺さっているのかニャ?にゃんで……?


 

「アハッ♪ お姉様から殺られに来てくれるなんて私、ゾクゾクしちゃった」

「にゃ……」


「……フラ……ン……ゴホッ!?」

 やめるにゃ! それ以上しゃべっちゃだめにゃ! 傷が塞がるまで!


「あれぇ? オカシイなぁ。なんで傷を再生させないのかな? もしかして種族が壊れちゃったの?」

「にゃ?」

 なんで、早く傷を再生しにゃいんだにゃ! もしかしてレ―ヴァテインが刺さったままだからニャ!?

 


「フラン……お姉ちゃん。フランこと……理解できてなかった……わね」



 ビチャ ビチャ



――口から血が流れ落ちる。



「お姉様。なんで今になってそんな事を言うの! 私だって本当は誰も傷つけたくない、だけど、一度、暴れだした力は抑えられない。だから! 最後まで悪いフランでいさせてよ!」

 

 にゃ? まさかフランは力に操られているのかにゃ? 


「フフッ……大丈夫よ。私の命に代えても貴女を助けて見せるわ……たった一人の妹だもの」



 爆ぜた。



 真っ白な光がにゃが輩の視界を染める。そして、視界がもとに戻るとそこは。





「あ、スカーレット二世! おはよう」

 にゃんで? 元気なフランが? まさか。


「あ、まってどこに行くの!」

 


  ~猫移動中~


「にゃ?」

 レミリアどこにいるにゃ!

部屋にもいなかったにゃ、まさか……?!



「あら? スカーレット二世!」


「ニャっ!」

 この声はレミリア!


「スカーレット二世、フランになにもされなかった?ケガしてない?」

「にゃ……!」

 よかったニャ……あれが夢で。


「しかし、あの子ったらどこにいるのかしら?」



 ――幼げな声が廊下に響く。


「スカーレット二世こんなところに……あ、お姉さま」

「あら? こんなとこにいたのね。フラン、そろそろおやつよ。行きましょう」

「お姉様……さっきはごめんなさい!」

「フフ、かわいい妹のしたことよ? 気にしてないわ」

「お姉様!」



――抱きつく妹をみて猫は静かに一鳴きしてその場から消えた。



つづく


・・

・・・

・・・・

・・・・・


この時、猫は自分の能力の本当の力を知る由もなかった。

吸血鬼姉妹はここで終わりです。次回は誰かな?

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