すきなひと?(1)
…
「ここは?」
悩んでいると
「佐友!」
「榎並?」
「おい、大丈夫か?」
「皓大…。あっ、いたた…」
「触らないで!傷がひどくなっちゃう」
「私…どうなったの?」
「足と手の骨折。あと背骨もね…私…こわかった。とめられなかった。あの男は暴力団。凄い勢いで佐友の事殴ってたよ!もちろん気を失った後も…あ、あと妹ちゃんと弟君お見舞いにきてるよ」
「おねえたん?だいじょーぶ?痛いの痛いのとんでけやる?」
「姉ちゃん!気づいたか!」
「痛いの痛いのとんでけも必要ないし龍平も一応は紗央理のお兄ちゃんなんだからしっかりしなさい!お姉ちゃんあっ、いや榎並と皓大の前ではかっこつけンなって何度も言ってるでしょ!あっ、背骨も腕も足も痛い!もう!怒らせる龍平のせいだよ!」
「ごめんなさい」
「ほらほらそんなに怒ってる佐友なんて俺嫌いだぞ!しかもかってに怒ってんのはお前だろう!」
もう!また皓大に嫌われた!って確かに勝手に怒ってるわ。あれれまた泣いてる。榎並が口を開いた。
「皓大のばか!女心もわかんねえくせに口出すなって言ってんだろうが!私がなんでこんなに怒ってるのか分かってんのか?皓大がむかつくから怒ってんだよ!勝手に怒ってるだと!?それは龍平のために怒ってんだろ!?勝手にぐちぐち言って私はもともとおしゃべりだししょうがないけど男ならそういうのはぐっとおさえるんだよ!あっ、邪魔だね!ごめんね佐友。だけど許せない。佐友を泣かせるまで責める皓大なんて好きじゃない!大っきらい!!」
「いいの…私今まで自分に嘘ついてた…皓大も好きなのに普通に女の子っぽくないし。榎並が羨ましかった…女の子っぽいししかもスタイルもいいし…だから性格もいいから男の子に好かれていたでしょ?だから…」
「佐友…」
私、本音話せた!その嬉しさと同時に後悔の気持ちも出てきた。だって本音話したら絶対榎並が傷つくって気づいてたのに…どうして本音言っちゃうの?私…言わないってホントは心で決めてた。なのに…
「佐友里…やっぱ俺も駄目だな。全然おまえの気持ちわかってなかった。お前もつらかったんだな…ホントはみんなに甘えたかった。なのに俺が邪魔してお前ホント怖かったよな。暴力団に襲われたりして傷ついてたよな…ホントは俺と榎並が仲良くしててなんでだろうって思ってたよな。お前は親父もおふくろも働いてて龍平と紗央理の世話もやんなきゃいけねーのに学校いっても俺の…俺のお世話して…」
「榎並、皓大。私本音話したよね?だけど本当はこんなこと言いたくなかったんだよ…ホントだよ!なのに…榎並も皓大も、もちろん、龍平も佐央里も傷ついたよね?私ってホント最低!」
「おねえたんは最低じゃないよ!いい人だもん!佐友里わかるもん!ママとパパが働いててもおねえたん頑張ってるもん!佐友里のお世話もしてくれてるもん!」
「そうだよ!お姉ちゃん優しいよ!やな人はお姉ちゃんを傷つけた暴力団だもん!」
「みんな…ありがとう…」
「佐友。私傷ついて何かないよ!むしろ佐友の本音聞けて良かった。ありがとう!でも覚えておいて!私は優しくない!スタイルも良くない!性格も良くない!女の子っぽくない!」
「ありがとう。」
そして退院のひ
「ありがとうございました」
ウイーン
「あっ!紘!」
「よっ!迎えに来たぞ!帰ろう!」
なんかいいかんじになった!って思った人いない?むふふ。じつは私と紘は同居することになりました!!これでお話はおしまい!