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3-1 ドライバーは・・・
まだ残暑が続いている。
外はジリジリとまだ太陽がアスファルトを照らしている中、向条と灰村は自分の車の元へと足を進める。
「なんだって灰村の借りた駐車場はこんな遠いんだよ!」
「そりゃお前、金ないから安くて広いところ探してくれっつったんだろうが!!」
「あぁ、確かに言ったさ、けどな。何が哀しくて家から3キロもあんだよ!?」
両手で頭をガシガシする向条だが
「でもいいだろ、今に原チャでもくれてやるからよ。それに2台で月1500円だぞ?安いだろうが」
「だったら早く持ってきてくれ。てかお前バイクもってなかったか?中型の」
「ふっ、現在ドック入りでパーツ待ちだ」
「コカしたのかよ」
そんなこんなで一時間弱、歩きつづけるとまわりは林で車20台は置けそうな駐車場があった。
もちろん、そのど真中に二人のハチロクと32が止まっている。
「殺風景だな、見事に・・・」
まわりに車などない・・・・あるにはあるが車・・・というかあれは錆びた箱で原型などない
「まぁ迷惑かかんないし、やりたい放題だからバッチグーだね」
「おい、誰からここ借りた」
「近所の爺ちゃん」
「おい、待て」