1-2意思
向条のハチロクのエンジンはノーマルでもできる程度の事しかしていない
それはポート研磨とヘッド面研の2つ。
それは圧縮を上げて若干の高回転型にした程度でノーマルとは対して変わりはしない事だ。
だがそれはそのエンジンの性能がノーマルの100%を出している場合であって走りこんだエンジンどころか古い旧車のハチロクに取っては大事なことでもある。
旧車や年式が落ちている車をチューニングするにあたって一番最初に大事なこと
それは本来の、ノーマル時の性能に戻すことだ
下手に弄った車は粗悪なものだしメンテナンスをしてない車は壊れてしまう。
このエンジンはOHを2回している、エンジンのメンテナンスはバッチリだろう
あとはアタリを付けていくだけだ
向条は連日は車を走らせて既に走行距離は3500kmを超え、エンジンは少しずつ雄叫びをあげる
キャブの音がそれをさらに力強くさせマフラーからは期待のサウンドが漏れる
ある一角の公道に彼は車を停めた。
そこはここから1km弱ずっと直線の場所
「ハチロク(おまえ)の本当の声を聞かせてくれ、ハチロク」
向条はシフトを1速に入れクラッチを切る
アクセルを踏み込み、一回、二回、三回と徐々に回転を高めながら吹かす。
エンジンは力強く、甲高く咆える
「ハチロク」
そう言って向条はクラッチを繋ぐ、回転はすぐさまレットゾーンに飛び込んで行く
二千、三千五百、五千、八千
すぐさまクラッチを切り二速にシフトノブを叩き込む
三速、キンコンと音が聞こえる。四速、エンジンは雄叫びをあげながら車速はどんどん伸びていく
五速に叩き込んだときにはスピードメーターは150キロをオーバーしていく
(すごい・・・・)
向条は自分の中で処理できないものを感じる
(お前はすごいよ、本当に)
スピードは180キロをオーバーしていく
実際ノーマルエンジンで、ましや路面の荒れた公道でで180キロを叩きだす
これはありえない事だがこのハチロクの心臓にはそれだけの事ができる
そして向条が認めたマシンというのもある
約1kmを走った向条は車を法廷速度にまでスピードを落とし思い浮かべる
(あの時のコイツはまるで狂馬だ。軍馬とはちがう、ありあまる力が全身に回り雄叫びをあげる。コイツならいける、できる)
そういって彼はついこの間、KP61とHCR32と一緒に行った峠へ消えてしまった