2-2 オーダーメイド
エンジンが無い、つまりこの車がどんなに状態がよくても`心臓`が無ければ走らない。
「この車はな、数年前に店で買った車なんだよ。元々はレースカーとしてチューニングする予定だったんだが訳合ってそれは実現しなかったんだよ。」
滝斗は軽くため息を吐き、続ける
「それにもうコイツは現役じゃない、ワンメイクならまだしも今の車に勝てるような戦闘力もない、3世代以上も前の車だよ。今更やったって正直な話意味はないー
ーーだけどもーー
走りたいなら走りせる、走らせたいなら走らせる。お前がほしいというなら少しでもコイツを現役に引き上げてやる」
そう言って彼はハチロクの陰にある物を指した。
ーコイツのエンジンだよー
そこにはAE86型に搭載された 4A-GEU があった
テンロク自然吸気130馬力、けっしてターボが猛威を振るっている当時速いエンジンではな無かった。
しかし8千回転まで回り、甲高いエキゾートを高いレスポンスで実現するような車であった。
また、軽量な車体はとても扱いやすく、腕さえあれば下手なFRを越える潜在能力もあった。
「この車事態には定期的に手入れはしてあったんだ。ただエンジンは数年あけてないしきちんと走るかも分からない、完成するのには時間が掛かるかもしれないが8月中にはある程度走るようにしてやる」
滝斗は多少自慢げに言う。
実際にはこの車は生き返るかは分からない、またエンジンに火を灯し、走り出すかは誰にも分からない
ただこの車は必ず`サラブレット`として返り咲くのはここにいた3人には妙に感じられた。
目標は8月中