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今が始めどき!プランターでサヤエンドウを作ろう

前回、今から作り始めても間に合う野菜として、ニンニクの紹介をさせていただいた。


私はそれを書いているうちにはたと思った。

(あっ、この育て方紹介、今始められるものを先に紹介しないと、もったいないや。)


来年の春まで始めることができないような夏野菜よりも、今読んでよさそうだと思ったとき、すぐ動けるものを紹介すべきだと。


なので、本来はミニトマトを紹介するはずだった本作の第4弾は、急きょ予定を変更して、今からでも作れる野菜、サヤエンドウの紹介をしようと思う。11月終わりまでに資材を準備して、12月はじめには種をまくようにすれば、来年の春に収穫できる。


春野菜としてのサヤエンドウは、買ってくるよりも育てた方がずっとおいしいことを伝えたい。鮮度抜群、甘みたっぷりの春野菜、サヤエンドウの作り方を、今回ご紹介しよう。


いつも通り資材紹介をする。今回もプランターは6リットル以上のものを使う。土も野菜用培土を買おう。お気づきの方も多いだろうが、このふたつは大概、セットで使う事が多い。だからなおさら、土は大容量を買ってしまうのがお得なのだ。


そして、今回も初めて使う資材がある。

1つめが支柱(しちゅう)だ。サヤエンドウの栽培にはこれが欠かせない。

サヤエンドウは(つる)をのばして支えになるものを器用にクルクル掴み、それで植物体全体を支える。

逆に蔓が掴まるところが無いと茎ごとベタッと倒れる。サヤエンドウの茎は軟らかく、自分の重さを支えることができないのだ。倒れると実のつき方も悪いので、必ず支えを作ってそれを掴ませながら育てていこう。


支柱の種類としては、いわゆるイボつき支柱の、なるべく細いもの(8ミリがあれば一番いい)、そして長さは1メートル50センチくらいのものを使おう。あまりに長いと自分の頭上はるか上まで蔓が伸び、収穫が面倒になるし、使い終わった時に保管するのに嵩張(かさば)るのもよろしくない。数はプランター1つにつき3本だ。


もうひとつ、苦土石灰(くどせっかい)もサヤエンドウには必要になる。これはマグネシウムとカルシウムの入った肥料で、サヤエンドウの生まれ故郷、中近東の土を再現するためのものだ。これはプランター1つにつき100gくらい。土を最初に入れる時にまいておこう。


そして、サヤエンドウは苗を買ってもいいが、この際、種から育ててみるのはいかがだろうか。サヤエンドウは不思議なもので、種から丁寧に育てるほうが、苗を買って育てるより簡単なのだ。種は余るので、余った種は買ったときの袋のまま、切り口を折って閉じ、冷暗所で保管しよう。3年ほど種として問題なく使える。


さあ、一通りの資材と種は揃えた。いざ栽培開始だ。

まず野菜用培土をプランターに8分目まで入れて、苦土石灰を100g、土に混ぜ込む。シャベルがあったほうがはかどるだろう。混ざったら水を1リットル入れて、土を平らにならす。そして二晩、そのままにしておこう。二晩のあいだに苦土石灰が徐々に土になじんで、サヤエンドウに適した土になる。


苦土石灰が土になじんだら、出来上がった土に種をまこう。種はプランターに(じか)まきする。プランターの真ん中に指で第1関節の深さまでくぼみをつけ、サヤエンドウの種をふた粒、または3粒くぼみに入れる。入れたら上から土をかぶせる。これでOK。芽が出るまではサヤエンドウの力を信じて待とう。種まきを12月10日くらいまでにできればスムーズに芽が出るはずだ。


約4〜5日で芽が出てくるのがわかる。かわいらしい芽が見えたら水やりを開始する。芽の小さいうちは霧吹きで1日おきに水を与えるのが一番いいが、コップから静かに水をあげてもかまわない。水の勢いで根元の土を抉ってしまわぬようにだけ注意。

芽が出て10日ほどで、いちばん育ちの良い芽を1本残して、他をハサミで切る。少しかわいそうだが2本3本と芽を残しておくと、そのどれもがちゃんと育たなくなってしまう。間引きはいつも心痛いものだが、大切なことなので感謝の気持ちをもって行おう。


ところでサヤエンドウは、ニンニクと同じように、芽が出た直後はたいへん強い耐寒性がある。私の畑では11月の終わりころに種をまいて、芽が出たばかりの状態で冬越しさせるのだ。当然冬の間全く育つことはないが慌てない。来る時が来ればちゃんと育ち始めるのだから。


サヤエンドウが育ち始めるのは3月頃から。ウメの花が咲いたらだんだんサヤエンドウも育ち始めると覚えておこう。


背丈が徐々に高くなるサヤエンドウ。ここで支柱を立てよう。だいたい背丈が15センチを越えたら支柱をまず真ん中に、サヤエンドウの茎に添えるように一本立てる。根っこが傷むのが嫌な方は、支柱を少し根元からずらして角度をつけ、斜めに支柱を立てると良い。

支柱は3本用意してあるはずなので、もう2本は、サヤエンドウの両脇に立てる。蔓が届くように、両脇の支柱がサヤエンドウの葉っぱの一番外側に触るくらいの距離に立てる。大きくなると真ん中だけでなく、両脇の支柱にも蔓が届き、クルクル掴まって枝が伸びるようになる。


支柱立てをしたらプランターをよく日が当たる場所に置こう。土が乾きやすくなるので水は土の表面が乾いたら200ml、コップなみなみ1杯ほどをあげよう。気候にもよるが1日おきくらいの頻度で水やりをすることになるはずだ。


4月、桜が咲いた頃からサヤエンドウも花芽を持ち始める。サヤエンドウの花は赤紫の本当に綺麗な花だ。よく晴れた日にはかすかに甘い香りを放っているのを感じるかも知れない。それがハナアブやミツバチ、マメコバチといった虫を呼び寄せて受粉を促すのだ。サヤエンドウの花と戯れる虫たちの姿は、何ともかわいらしい。


気温上昇にともなって土が乾くのも早くなる。花が咲いたら水やりは毎日だ。花が受粉するとその後、実ができてくる。サヤエンドウの場合は実ができたら、アイスを食べるときの木のスプーンくらいの大きさから食べることができる。だいたいここで4月後半、ゴールデンウイーク前くらいだろうか。肥料を追加すれば6月末まで長く楽しむこともできるが、べつにやらなくてもよく育つし、うどんこ病を早くから呼び寄せるので私はサヤエンドウに肥料はやらない。


サヤエンドウは新鮮さでその味が大きく変わる野菜だ。スーパーなどで買ったときに特別美味しいとは思わないかもしれないが、とれたてのものを食べたとき、それが決して大げさでなく、贅沢なごちそうであることを感じるはずだ。なにせ甘さと香りが全然違うのだから。さっと茹でてそのまま食べるだけでも心の底から春の喜びを感じられるだろう。


ここで食べ方も1つご紹介したい。新鮮なサヤエンドウの天ぷらだ。収穫したものを軽く洗って、天ぷら粉2に水3の割合で混ぜた衣をつけ、莢5つ分程度を、かき揚げの要領でまとめて170℃の油で揚げる。衣が軽く色づいたら引き揚げて油を切り、塩で食べよう。これが本当においしい。私はそれこそ山菜の天ぷらよりこちらのほうが好きだ。そのくらい、春の新鮮なサヤエンドウは美味いのだ。


今まで紹介した中では一番手のかかる野菜の紹介となった。だがその分、食べるときの楽しみは大きいし、育てるだけの甲斐がある野菜だ。春の贅沢、とりたてのサヤエンドウを目指して、ぜひ、今からチャレンジしてみてほしい。


以下5段階評価によるサヤエンドウの評価

暑さに耐える力★★※¹

寒さに耐える力★★★★※²

作りやすさ★※³

※¹残念ながら暑さに弱い。30℃から上の気温に少しでも当たると一気にバテてくる。豆用の肥料でバテるのを先延ばしにできるので、長く収穫したい方はホームセンターの店員さんに聞いてみよう。


※²寒さには本当によく耐える。マイナス5℃まで耐えられるので基本的に寒さ対策は必要ない。それより寒くなるときだけは屋内に入れてあげよう。


※³初期投資は2千円ほどだが手間がかかる。支柱はあるし春になってから特に作業が増えるので難し い評価とした。

逆に、これを作っていて難儀に感じないなら、たぶんあなたは野菜作りが元から好きな素敵な人なのだ。胸を張ろう。

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