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【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!  作者: DAI


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第67話

ここは試練の森。


リリィは、自分自身の前世である野原百合と対峙していた。一度は倒れたリリィだったが、フィーネの声に励まされ、再び立ち上がったのだった。


「百合。戦いの本番はこれからよ。」

リリィの瞳からは闘志が漲っていた。


「お前も嫌い!みんな大っ嫌い!」

百合はリリィが立ち上がったことに驚いた顔をしたが、すぐに元に戻った。いや、前にも増して怒りに燃えている。


「百合、私は出来ればあなたとは戦いたくない。あなたは私だから。」

リリィは百合の眼を真っ直ぐに見つめて話す。

「私には何もない!憎い!リリィも嫌い!」

百合は聴く耳を持たないようだ。黒いオーラが増大している。

「仕方ないね。あなたを倒すわ。」


リリィは、百合と間合いを取った。

「光よ、出でよ!ライトニングアロー!」

リリィの両手から無数の光の矢が放たれ、百合に向かう。

百合は防御の姿勢を取るが、光の矢は全て命中した。

百合は攻撃に耐えたように見えたが

左足にガラスが割れたようなヒビが入り、その一部は欠けていた。

「クッ......」

百合の表情が少し歪んだ。


「行くわよ!ライトニングボール!」

リリィが両手を高く掲げると、そこから無数の光の玉が空中に舞い上がる。そして、リリィが勢いよく両手を下ろすと、光の玉は百合目がけて飛んで行った。


ドドドドドッ!


全弾が百合に命中する。


「クハッ!」

百合の左右の腕にガラスのようなヒビが入った。かなりのダメージを受けたようだ。


「百合、これで終わりよ。ライトニングドラゴン!」

リリィから放たれた光が竜となり、百合を襲う。

百合はひとたまりも無く光の竜に飲まれた。

辺りが真っ白い光に包まれる。


「勝った......!」

リリィが勝利を確信したその時、

「お前なんか大嫌いだっ!!」

光の中から百合が飛び出してきた。

左手の拳がリリィの腹に直撃する。が、百合の左手は粉々に砕け散った。


「百合。決着は着いたわ。」

リリィが言う。

「まだだ!まだ私は負けてない!」

百合がもの凄い形相でリリィを睨む。

「百合、もう、止めよう?あなたは頑張ったわ。」

リリィが優しく言う。

「私は、みんな殺す!リリィも!」

百合は、残った左手の拳を繰り出そうとするが、力無く空振りしてしまった。

「百合、あなたはもう十分戦った。もう休んでいいのよ。」

リリィが優しく語りかける。

「私は...負けてない!」

百合は、立ち尽くしていた。


リリィは百合に歩み寄り、抱きしめた。

「あなたは私。私はあなた。もう、誰も憎まないで。」

百合の目から涙が溢れる。

「これからは、私があなたの分まで生きる。あなたと一緒に。」

「私は、みんな嫌いだ。」

百合が泣きながらつぶやく。

「嫌いでいい。それも全部、私が引き受けるから。」

リリィがそう言うと、百合の顔が穏やかに変わった。

「ありがとう...リリィ...」

百合の身体が輝き、リリィに吸い込まれた。

百合の姿は消えた。


「百合、あなたの想いは引き継いだわ。」

リリィは呟いた。


ゴゴゴゴゴッ!


遺跡の壁の一部が動いて、出口が開いた。


「これで先に進める。」

リリィは、出口に向かって歩き出した。


出口を通ると、また森が続いている。リリィは前に進んだ。


しばらく進むと、森の中に突然、神殿が現れた。

白い石造りの神殿は、荘厳な雰囲気を醸し出している。

正面に入口が見える。


「とにかく、入ってみよう。」

リリィは建物の中に足を進めた。


白い石造りの神殿の内部は、長い廊下が続いている。

両側には柱が並んでいて、妖精の姿が彫ってある。


永遠に続きそうな廊下を進んでいくと、急に目の前が開けた。

豪華な装飾と中央に大きな玉座がある。


リリィは、玉座に近付いて行った。


遠くからは誰も座っていないように見えたが、近付いてみると小さな妖精がちょこんと座っている。


「あなたは誰?」

リリィが聞いた。


小さな妖精はリリィの方に目を向けて答えた。

「わたくしの名前はアリエス。精霊の神です。リリィ、よく試練を乗り越えましたね。」


「精霊の神様...あなたがここに導いたのね。」

リリィが言う。


「そうです。あなたに試練を与えたのは、わたくし。」


「何のために試練を与えたの?」


「女神の魂を持つ子供。リリィ、あなたを本当の力に目覚めさせるためです。」

アリエスは、そう言って両手をリリィに向けて伸ばした。そして、何やら呪文を唱える。


リリィの身体が青白い光に包まれた。

髪の毛が逆立ち、暖かい何かに優しく包まれる感じがする。


光はすぐに収まった。


「これで、あなたの持つ全ての力が解放されました。」

アリエスがふうっと息を吐いた。


リリィは、自分の両手を開いて不思議そうに見る。

「何処も変わってないけど、なんだか力が溢れる感じがする。」


「リリィ、あなたは将来、女神になる器です。これからも頑張ってください。」

「私が?女神?」

リリィは驚いた。


「リリィ、もう一つ、大事な話があります。魔神のことです。」




その頃、


精霊の里では、フィーネが昼寝をしていた。いつの間にか、イブ、ハク、モック、ドンキーも戻って来ていて、一緒に並んで寝ている。


「リリィ...パンケーキが出来たわよ...」

幸せな夢を見ているようだ。


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