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【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!  作者: DAI


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第38話


ここはウエス国の森の中。


ゲンブがフィーネに対して繰り出した激しい攻撃は、クレーターを作る程の猛烈なものだった。フィーネの姿は何処にも見えない。


「あとはこの娘を魔神様に献上すれば、おれの天下だ!」

ゲンブが叫ぶ。

リリィは逃れようと必死にもがくが、余計に締め付けが強くなる。

「フィーネ!」

涙を流しながら両手でゲンブの腕を叩き逃れようとする。

「いい加減に大人しくしろ!」

ゲンブが腕を更に強く締め付けた時だった。


「やめてーーー!!」

リリィの全身が蒼白く輝き出した。

「な、なんだ!何が起こった!」

ゲンブは思わずリリィの体の束縛を緩めた。

リリィの全身の輝きが更に強まる。

「ウワーッ!」

ゲンブが赤子のように弾き飛ばされた。

「フィーネを殺した。あなたを許さない。」

リリィは淡々と話し、ゲンブの方を睨んだ。

「お、お前に何が出来る!」

ゲンブは立ち上がりながら、リリィの方を睨み返した。

リリィの全身から蒼白い光が放たれ、その髪の毛は逆立っている。瞳は蒼白く輝きゲンブをじっと見ている。

「私はお前を倒す。覚悟しろ。」

リリィが右手を前に出すと手の先が輝き出す。

「面白い!やってみろ!」

ゲンブは防御の体勢をとって、攻撃に備える。

「ライトニングアロー。」

リリィの手から光の矢が放たれる。その矢は無数の矢に分かれて、ゲンブを襲う。

「グォーッ!!」

ゲンブは全身に力を込めて硬化し、無数の矢を弾き返した。

「ライトニングショット。」

今度はリリィの手から光の玉が放たれた。

ゲンブはそれを両手で受け止める。

「グヌーッ!!」

ドーン!

弾かれた光の玉は、鉱山に激突した。

「どうした!もう終わりか?」

ゲンブは両手を広げて叫んだ。

「ライトニングソード。」

リリィの両手に光の剣が現れた。

「光の剣か。面白い。剣を扱える様には見えないがな。」

ニヤリと笑ってゲンブは構える。


「その勝負、待て!」

その時。2人の間に割って入ったのは....

「フウジン!ライジン!何故ここに?」

ゲンブが驚きの声を上げる。

ゲンブとリリィの間に立っているのは、フウジンとライジンだった。

「ゲンブ。よく生きていたな。魔神様もお喜びになる。」

フウジンがゲンブに向かって話す。

「ライジンとフウジン......」

リリィは、光の剣を消した。しかし、魔力を両手に集中している。

「リリィ、あなたが『女神の魂を持つ子供』ね。大人しくしてれば何もしないわ。」

フウジンがリリィに言う。

「ゲンブ、お前はもう下がって良い。後は俺たちに任せろ。」

ライジンが言うと、

「畏まりました。」

ゲンブはそう言って何処かに消えた。


「さて、お嬢さん。俺たちに大人しくついてきて貰おうか?」

ライジンが、リリィの方を向いて言う。

「私は行かない。お前たちを倒す。」

リリィは、ライジンたちの方を睨みつける。

「ハハハッ!面白い娘だ。まだ力の制御も出来ないだろう?」

ライジンは、笑いながら言った。

「ライトニングショット!」

リリィの左右の手から光の玉が放たれ、ライジンとフウジンに向かって飛んでいく。

ドーン!ドーン!

光の玉は直撃した。土煙が上がり何も見えない。

「やったわ!」

リリィが喜びの声を上げたが、その時、

「素晴らしい!でも、惜しかったな。」

ライジンとフウジンが無傷で立っていた。

「そんな......」

リリィは膝をついた。全ての力を使い果たしてしまったのだ。

「力を使い果たしてしまったようね。私達と一緒に来て貰うわ。」

フウジンがリリィに近づく。

リリィは、目に涙を浮かべて、その場に力なくうずくまった。


「待ちなさい!」

リリィを連れ去ろうとするフウジンの足が止まった。

「誰だ?」

ライジンが叫ぶ。


「酷い目に遭ったわ。お陰で砂だらけよ。」

そう言って、口から砂を吐き出したのは、フィーネだった。

「フィーネ!生きてた!」

リリィの瞳から涙が溢れる。

「リリィ、よく頑張ったね。」

フィーネは、リリィのところに歩いて行き、リリィの頭を撫でた。


「おいらもいるぜ!」

単独行動をしていたハクだ。

「ハク!何処にいたの?」

フィーネが驚いて言う。


「マズイな。竜神まで出てきた。フウジン!ここは引くぞ!」

ライジンがそう言うと、フウジンとライジンの2人は消えた。


「ふう、とりあえず、終わったわね。」

フィーネは安堵のため息ついた。

「フィーネ、良かった。ありがとう。」

リリィが泣きながら言う。

「ごめんね、心配かけて。」

フィーネはリリィを抱きしめた。


「みんなは、何処に居るのかしら?」

フィーネが言うと、

「さっきから、みんなの声があの辺からするぞ。」

ハクが、指を差しながら言う。

ハクが指差した方には、崩れた様な場所があった。


石を全てどかすと、大きな穴があり、そこにイブやスザクたちが閉じ込められていた。

「助かった!フィーネ、ありがとう。」

スザクたちは、特に怪我もなく無事だった。

「喉が渇いたキー!」

「喉が渇いたキキー!」

モックとドンキーはマイペースを崩さない。

ホウオウが桶に水を汲んできた。

「生き返るキー!」

「生き返るキキー!」

水に足をつけると、萎れていた葉が活き活きとし出した。


「酷い目に遭ったわね。みんな、一休みしたら、帰りましょう。」

フィーネが言うと、皆頷いた。


ゲンブ、ライジン、フウジン。そして、魔神。

フィーネたちに立ちはだかる敵との戦いは、まだ続く。



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