表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!  作者: DAI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/60

第32話


ここは、ウエス国の森の中。

ウエス湖のほとり。


フィーネとハクは、ライジンとフウジンと睨み合っていた。

「面倒くさいけど、あなた達を倒すわ」

フィーネが言う。

「おいら、なんかムカつくから、お前らをやっつける」

ハクが続ける。


「面白い。では勝負だ! 」

ライジンがフィーネに切り掛かった。

「防御せよ、シールド! 」

魔法によって物理攻撃が無効化される。

「おいらに任せろ。水流の舞! 」

激しい水流がライジンに襲いかかる。

ライジンは素早い剣捌きでそれを受け流す。

「何だこれは。水遊びか? 」

ライジンは涼しい顔をしている。

「コレならどう?光よ、出でよ。ライトニング! 」

無数の光の矢がライジンとフウジンに放たれる。

素早い剣捌きでも全ては防ぎ切れない。何発かは当たった。

「クッ」

フウジンはかなりダメージを受けている。

「これならどうだ!雷鳴剣! 」

ライジンが剣を天に向かって振り上げると、稲妻を受けた剣が雷を纏って光だした。

「行くぞ! 」

ライジンがフィーネに襲いかかる。

フィーネは素早い身のこなしでかわしていく。

「あっ! 」

フィーネの右腕にライジンの攻撃がかすった。傷は浅いが血が出ている。

「やるわね。ライジン。本気で相手しないといけないようね」

フィーネが右腕の傷に左手を当てると、青白く光り傷が治った。

「私のことも忘れないでよ! 」

フウジンとライジンが同時にフィーネに切り掛かる。

フィーネは、さっきよりも素早い動きで攻撃をかわしていく。

「まだ遅いわよ」

フィーネがフウジンに蹴りを入れる。

モロに蹴りを受けたフウジンは、飛ばされて地面に叩きつけられた。

「グハッ....!! 」

口から血を吐き出す。フウジンは、すぐには動けないようだ。

「水流の舞・水玉! 」

ハクの手から放たれた水の塊がフウジンの体を締め付け、動きを封じた。

「エルフ!私もココからは本気だ」

ライジンの剣捌きのスピードが更に上がる。

フィーネは、間一髪かわしながら攻撃を加えるが防御される。

フィーネはライジンから距離を置いた。

「光よ出でよ、ライトニング! 」

無数の光の矢がライジンを襲う。

「闇よ出でよ、ダークネスサンダー! 」

ライジンが黒い稲妻を放つ。光の矢はことごとく弾かれた。

「コレならどう? 」

こんどは太い一本の矢がライジンに向かって飛んでいく。

「力比べといこうか」

ライジンが黒い波動を放つ。光の矢を受け止めた黒い波動が光の矢を押し返して行く。

「クッ、魔法の力比べなら負けないわよ」

フィーネが更に魔法の出力を上げる。

「やるな。たがまだまだ! 」

ライジンも更に押し返す。

2人の力は拮抗している。持久力勝負だ。

「このままじゃ、押し負ける....! 」

フィーネがそう思ったその時、

リリィの声が頭の中に聞こえた。

『フィーネなら出来るよ』

「そうね、リリィ。私なら出来る! 」

フィーネは、更に力を込めた。

「これで終わりよ! 」

「クッ、グォーー!! 」

ライトニングが黒い波動を一気に押し返す。

ドーーーーン!!

ライジンの身体が弾き飛ばされ、湖の向こうの山に激突した。

フィーネは、その場に倒れ込んだ。

「おい!フィーネ!大丈夫か! 」

ゴブローとオルガが駆け寄る。

オルガがフィーネを抱き上げると

「疲れたわ.....」

そう言って、意識を失った。





ライジン、フウジン達を退けたフィーネ達は、ウエス湖から丸太小屋に戻った。フウジンはその場に残し、ハクは一緒に丸太小屋まで連れてきた。





それから数日後、


「う....ん....ここは? 」

フィーネが目を覚ますと、寝室のベッドにいた。横には、リリィが突っ伏して寝ている。フィーネはリリィの髪に触れた。

「リリィ、あの時はありがとう」

フィーネがつぶやくと、リリィが目を覚ました。

「フィーネ!良かった! 」

リリィがフィーネに抱きつく。

「フィーネ!気がついたのか! 」

イブとスザクが部屋に入ってきた。

「フィーネ!目を覚ましてよかった! 」

オルガとゴブローもやってきた。

「みんな、ありがとう。私はもう大丈夫」

フィーネは、笑って言った。



水竜のハクも加わり大所帯になった仲間達は、今回の戦いで大きなダメージを受けたが、多くの情報も手に入れた。まずは、その整理から始める。


「ビャッコは、人間から魔物に変化していた。人間を魔物に出来るのは、魔神だけだ。だから、すでに魔神は復活していると思う」

イブが言った。

「ライジン、フウジンも魔の力を使った。イブのいう通り、魔神は復活してると考えて間違いないだろう」

ゴブローが付け加える。

「おいらが居れば、魔神なんて簡単にやっつけられるけどな」

ハクが口を挟むと、

「ハクは少し黙ってて」

フィーネが窘める。

「私がハクホウにトドメを刺されそうになった時、リリィの体から不思議な光が出て、ハクホウを人間の姿に戻したんだ。あれは何だったんだろう? 」

スザクが言う。

「それは、恐らく『女神の力』だな。リリィが『女神の魂を持つ子供』で間違いないだろう」

イブが腕組みしながら言う。

「私が『女神の魂を持つ子供』……」

リリィはショックを受けているようだ。


「とにかく、ライジンとフウジンは逃げてしまった。魔神が復活したことは間違いない。私たちのやることは決まったわね」

フィーネが覚悟を決めたようにつぶやく。


「魔神を倒して、世界を救う。か」

オルガが重い口を開いて皆の意見を代弁した。


フィーネたちの運命の歯車がついに動き出したのであった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ