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【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!  作者: DAI


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第26話


ここは、エルドランド王国ガルムヘルムの町。


フィーネたちは人買い組織からリリィを救うため、アジトに侵入していた。


大広間にいた男たちを魔法で拘束すると、部屋の中に入ってリリィの痕跡を探す。

すると、ほかの部屋で騒ぎを聞きつけた男たちが更にやってきた。


「ああ、もう面倒くさいなあ」

「拘束せよ!フリーズ! 」

後から来た男たちも拘束され動けない。

フィーネは男たちを一か所にまとめて、奥の部屋に向かった。


ガタガタガタ!

扉を開けようとしている音がする。どうやら鍵がかかっていて開かないようだ。

ゴブローが力ずくで扉を破壊して開けた、すると。


扉の向こう側には、スザクとリリィがいた。


フィーネが叫ぶ。

「スザク!リリィから離れなさい! 」

フィーネはいつでも魔法が打てるように、右手をスザクの方に向けている。

「フィーネ!スザクを許してあげて! 」

リリィが訴える。

「スザクは私たちを騙して、リリィを誘拐した。リリィも騙されないで」

フィーネは完全にスザクを疑っている。

「フィーネ、スザクも騙されてたんだよ!お願い! 」

リリィが更に訴える。が、

スザクがリリィをフィーネの方に行くように促す。

「リリィ、もういい。私はここから消えるよ」

「スザク!そんなのだめ!私たち家族じゃない! 」

「私を家族と言ってもらえて嬉しかったよ。それじゃ、元気でね、リリィ」


スザクがその場を離れようとした時だった。


パチパチパチパチ。

拍手の音が聞こえた。


「素晴らしい家族愛ですね。感動しました」

「ビャッコ! 」

フィーネたちの背後に現れたのは、ビャッコ、ゲンブ、ホウオウだ。


「あなたたちの家族ごっこももう終わりです。さあ、ホウオウ」

ホウオウは素早い動きで、リリィの体を抱え、ビャッコの前に連れてきた。

「リリィ! 」

フィーネが叫ぶ。

「さて、ホウオウ、やるべきことをやるのです」

ビャッコが冷たく言うと、ホウオウはうつむき

「畏まりました……」といった。


ホウオウは、弓を引き矢を放った。

シューッ! ブスッ!

スザクの胸に矢が突き立っている。それを見たスザクは、目を見開きホウオウの方を見たまま仰向けに倒れた。床には大量の血が流れている。


「スザク!ホウオウ、何をするの! 」

リリィが涙声で叫ぶ。


「スザクはもう家族ではない」

ホウオウは冷たく言い放った。


「では、リリィは頂いていきますよ。みなさん、ごきげんよう」

「待ちなさいよ!リリィは私たちの家族よ。連れて行かせないわ」

ゲンブとホウオウが前に出た。

オウガとゴブローも前に出る。

「俺はホウオウを、オウガはゲンブを頼む! 」

「わかった! 」

オウガが剣を構える。なんと二刀流だ。

ゴブローは体同じほどの大きさの大剣を構えている。

「行くぞ!うおー!! 」

ゴブロー対ホウオウ

オウガ対ゲンブ

の一騎打ちが始まった。


「スザクのことはぼくにまかせろ! 」

イブがスザクの所に走っていく。

「回復せよ!ヒール! 」

イブが回復魔法を唱える。


そして、フィーネはビャッコと対峙していた。

「あなたは絶対に許さない。私の大事な家族を酷い目に合わせた。その罪は償わせるわ」

フィーネが鬼気迫る表情で、ビャッコを睨みつける。

「怖い顔をしないでください。あなただって、一人でのんびりが良かったんでしょう?今更家族ごっこなんて、面倒くさくないですか? 」

ビャッコは冷たい冷静な口調でフィーネに揺さぶりをかけようとする。

「黙りなさい。とても面倒くさいけど、あなたを倒すわ」

「さて、出来るかな? 」

ビャッコは黒い波動を持っている剣に纏わせた。

「黒波動剣! 」



一方、ゴブローは、その剣技でホウオウを圧倒していた。

「くっ!このゴブリン、強い! 」

ホウオウは完全に押されている。





その一方、オウガはゲンブに苦戦していた。

「くそ、硬くて剣が効かない! 」

「カカカカ!どうした!傷一つ付かないぞ! 」

ゲンブの一撃で、オウガは壁に打ち付けられてしまった。





「黒波動剣! 」

ビャッコは素早い動きで、フィーネを翻弄する。

「ちょこちょこと、面倒くさいわね」

フィーネは軽々と剣の攻撃をかわしていく。

「逃げてばかりでは勝てませんよ! 」

ビャッコが剣を振りかぶって、フィーネの脳天に振り下ろした。

ビシ!

何と、フィーネは剣を右手だけで受け止めた。

「ハイ、これで終わり」

右手で剣を掴んだまま、左足でビャッコの腹に蹴りを見舞う。


そのままビャッコは吹っ飛び、オウガと戦っていたゲンブを巻き込み壁に激突した。


オウガが唖然としている。

「フィ、フィーネ…..ありがとう……」

「大したことないわよ」


ゴブローとホウオウの戦いも決着がつこうとしていた。

「くらえ! 」

ゴブローの大剣がホウオウの横っ腹に直撃する。

「グハッ! 」

ホウオウは床にたたきつけられ動けなくなった。

「勝った……」

ゴブローは右手を挙げて勝ち名乗りを上げた。





「リリィ! 」

フィーネがリリィに駆け寄る。

「私は大丈夫。それよりもスザクが……」

リリィはスザクの心配をしている。

「スザクは大丈夫だ、命に別状はない」

イブが言う。


「フィーネ、こいつらどうする?とどめを刺すか? 」

ゴブローがいうと、フィーネは少し考えて答えた。

「これだけ痛めつければ、しばらくは大人しくしてるでしょう。帰りましょう」

「我が家に帰るか! 」

イブが言う。



フィーネたちは建物から出て、歩き出した。愛しい我が家に向かって。




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