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【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!  作者: DAI


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第24話




ここはウエス国の森の中。


「ふわぁー、よく寝た」

フィーネは、穏やかな朝を迎えていた。

「もうちょっと布団の中にいよう」

二度寝の時間はフィーネにとって至福の時だ。この幸せは何人にも邪魔はさせない。

「……….」

フィーネは何かに備えて待っている。が、何も起きない。

「おかしいわね。いつもなら起こしに来るのに」

いつまでまっても、リリィは起こしに来ない。

フィーネは、どうも様子がおかしいと思いながらも、ベッドから出てダイニングに向かった。

外では、土に両足を入れてモックとドンキーが寝ている。

フィーネは、モックを起こした。

「モック!起きて」

「んー….何だキー….」

モックとドンキーもまだ寝ているなんておかしい。いつもならリリィがみんなを起こして回るのだ。

フィーネは、まさかと思いながら、リリィの部屋に向かった。


トントン


ドアをノックするが返事が無い。

「リリィ、開けるわよ」

フィーネはそう言ってドアをゆっくりと開けた。

ベッドにリリィはいなかった。

いよいよおかしいと思ったフィーネはイブの部屋に行く。

イブは、凄い寝相で寝ていた。

「イブ!起きて! 」

「うーん、ぼくはもうお腹いっぱいだぞ……」

「イブ!イブ! 」

フィーネがイブの体を揺さぶる。

「ん-、なんだ、今日はリリィじゃなくてフィーネが起こしに来たのか? 」

やっとイブが起きた。髪の毛が寝ぐせで凄いことになっている。

「イブ!リリィが居ないの!どうしよう」

「スザクが知ってるんじゃないか? 」

フィーネはイブに言われてハッとした。スザクは?

すぐにスザクの部屋に行く。


バタン!


スザクの部屋のドアを開けて中に入ると、ベッドにスザクの姿は無かった。

「まさか、スザクがリリィを!? 」

フィーネは嫌な予感がして、家の中を隅々まで探した。が、リリィはいない。

公園にも、露天風呂にも、裏の薬草倉庫にも、リリィの姿は無かった。


「リリィが誘拐された! 」

フィーネは混乱していた。まず何をどうしたら良いんだろう?

スザクと一緒だとしたら、人買いの連中と一緒かもしれない。

ああ、私がもっとしっかりしていれば。こんなことにはならなかったのに。


「フィーネ!しっかりしろ! 」

イブがフィーネに怒鳴った。

フィーネはハッと我に返る。

「きみがそんなことでどうする?まずは落ち着こう」

イブの言葉でフィーネは落ち着きを取り戻した。





フィーネ、イブ、モック、ドンキーがテーブルに座っている。

リリィを見つけるため、まずは何をするべきか。

まずフィーネが口火を切る。

「私の千里眼だと、見える範囲が限られる。もし、遠くまで行っていたら分からないわ」

「人買いのアジトを探すしかないんじゃないか? 」

イブが言う。

「何か手がかりがあれば良いんだけど、何もないわね」

フィーネがつぶやく。

「リリィはエルドランド王の隠し子だと言っていたから、エルドランドに連れていかれたのかもしれないな」

イブが言うと、フィーネもうなずく。

「よし、エルドランドに行きましょう」

「ドリアードは森を離れられないキー」

「離れられないキキー」

モックが言う。

「モックとドンキーは、私たちが留守の間、この家を守ってくれる? 」

フィーネが話すと、

「わかったキー! 」

「守るキキー! 」

モックとドンキーがこたえた。


「じゃあ、イブ、旅の支度をしましょう」

「長い旅になりそうだな」





こうして、フィーネはのんびり生活に別れを告げ、リリィ救出の旅に出る決意をしたのだった。





そのころ、エルドランド=サウザン同盟国内、某所。


「良くやった、ホウオウ、ゲンブ」

ビャッコは満足げに言った。

「これで、あの方もお喜びになりますね」

ゲンブが言う。

「スザクはどうしますか? 」

ホウオウがビャッコに聞くと、ビャッコは少し考えて、

「もう、スザクには用は無い。殺せ。ホウオウ、出来るな? 」

鋭く冷たい目でホウオウに向かって言った。

「……畏まりました。ビャッコ様」

ホウオウは唇を噛みしめながらこたえた。





人買い組織の地下牢。

「リリィ、すまない。私がホウオウの口車に乗ったばっかりに」

「もういいわ、スザク。私は怒ってない。それよりも、ここから出る方法を見つけましょう」

スザクとリリィは、同じ牢に閉じ込められていた。

牢屋に窓はあるが、高い場所にある上に鉄格子がはめられている。

1時間に1回は見張りが巡回に来るので、怪しい動きがあればばれてしまう。


「スザク、あの窓、私がスザクに肩車してもらえば届きそう」

「届くと思うけど、あの鉄格子はどうするの? 」

「見て、ボロボロに錆びついてる。もしかしたら足で蹴っ飛ばせばいけるかも」

「やってみる価値はありそうね」

「見張りの巡回が行ったすぐ後にやりましょう」

「わかったわ」


「ねえ、スザク。ここってどこなの? 」

「エルドランド王国のガルムヘルムって町だよ」

「私がエルドランド王の隠し子って話は本当なの? 」

「本当だ。リリィの母親は、エルドランド王の愛人だったんだ」

「お母さん……」

リリィが涙ぐむ。

「妃に子供が出来て、リリィたちが邪魔になったエルドランド王は、少しの金だけ持たせてエルドの街から追放した」

「ひどい……」

リリィは必至に涙をこらえている。

「その話を聞きつけたビャッコが、リリィたちの行方を追ったんだ」

「それでお母さんは….殺された」

リリィの目から一筋の涙があふれ出た。

「リリィを狙ったのはエルドランド王を脅すためと聞いてる」

ここまでスザクが話すと、見張りの巡回が来た。





いよいよ脱獄作戦の決行の時が近づいていた。



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