04S.初めての戦闘
「リーリスの御加護」が、示すには「湖の中を通って行くと、地下道が広がって居るので、その道を進むと短時間で、山脈を横断することが出来る。」と「御加護」が、示しました。リアンナは、水面に近づくと、今度は「イグアン」に、変わりました。そして、そのまま水面下に、入りました。
水中に潜った「イグアン」は、とても早いスピードで、泳ぐことが出来ました。地上を、歩くイグアンは、とても遅かったのですが、水中では段違いのスピードで、移動しました。イグアンは、水中移動に特化した両生類でした。しかし水中は、とても危険でした。水中で活動出来る「キュービアン」は、このイグアンしか、該当が無く、ここで死ねば、全滅しました。
「リアンナが、水中を行く場合は、最後の手段として、それしか方法が、無いときにのみ、行った方が良い」と、思いました。今回は「リーリスの御加護」が、示したので、水中に入りましたが、多分「問題は無い」と、思われました。
水中を、暫く進んで行くと、前方に大きな横穴が、見えました。「その中を、そのまま進め」と「御加護」が、示しました。イグアンは、その中に入って行くと、抜け穴に沿って上昇しました。暫く上昇すると、水面が明るく成りました。イグアンは、水面から顔を出すと、目の前には「地下洞窟」のような「広大な空間」が、拓けました。
「イグアン」は、陸に上陸すると、夜目の効く「ネコン」に、変わりました。ここは「地下世界」でした。「キューブィ第1世代」に於いても、そこは「俄かに発光」して居ました。全くの暗闇では、有りません。今は、ネコンのしなやかな身体で、地下通路を、走り抜けました。ネコンの身体は、イヌンと違い「身体の重さ」を、全く感じませんでした。狭い通路も、苦も無く入って行けました。
暫く地下通路を走ると、空間が大きく成りました。何だか急に、辺りが獣臭い匂いと、何かの死骸のような、匂いがしました。どうやら近くには、何かの「大きなケダモノ」が、潜んで居るようでした。ネコンは、危険を察知すると、直ぐに5体に、分離しました。「リアンナ」も、出現しました。リアンナの臭覚でも、凄まじい匂いがしました。向こうのケダモノも、こちらに気付きました。
そのケダモノは、2本の足で立って、こちらの様子を、伺いました。薄明りの中で見えた、その怪物の姿は「ゾンビ化した熊」のような姿でした。このまま時間が経てば、この魔物は襲って来るのが、分かりました。この「腐った熊」は、身長が3m位有る「巨大なもの」でした。
この広場は、縦方向に頭上が高かったので、この「熊の怪物」の寝床と、成って居たようでした。早速、前衛担当の「イヌンとネコン」が、激しい唸り声を上げながら、熊に向かって行きました。イヌンが腕に咬み付き、ネコンが足に、咬み付きました。腐った熊も、攻撃に転じましたが、イヌンとネコンの動きが素早い為、熊の攻撃が、中々当たりませんでした。
その隙に「トリス」が、熊の背後に回り込んで、熊の後頭部辺りを盛んに、爪と嘴で攻撃しました。熊の体内には、トリスの痺れ毒が、注入されたようでした。暫く3体の攻撃が続くと、やっと透明化した「イグアン」が、熊の足元まで、近づきました。イグアンは、背後に回り込むと実体化して「腐った熊」の足元を、鋭い牙で咬み付きました。
熊は、一瞬悲鳴のような声を上げると、ぐら付きました。しかし熊は、倒れることが、有りませんでした。イグアンの牙は、致死率の極めて高い、とても危険な毒を、咬み付くことで、相手に注入することが、出来ました。巨大な熊でも「一瞬で殺せる毒」でした。しかしこの腐った熊には、効き目が有りませんでした。しかしトリスの毒が、効き始めました。
熊の動きが、怠慢に成りました。かなり痺れた様子でした。このままだと、いつかイヌン達が「熊の攻撃」を、受けてしまい、大怪我を負ってしまうかも、知れませんでした。リアンナは、自分の魔獣達に、後退を命じました。イヌン達は、彼女の後ろまで後退しました。今度は「リアンナの出番」でした。
彼女は、熊の前で立ち停まると、両腕を前に構えると「魔銃ミラージュ!」と、叫びました。すると彼女の両手の中には「漆黒の外骨格」を、模したような「禍々しい拳銃」が、出現しました。リアンナは、躊躇うことも無く、引き金を引きました。弾丸は、腐った熊の両足に当たると、魔獣の足ごと、吹き飛ばしました。
その弾丸の発射音は、魔神の雄叫びのような「凄まじい轟音」でした。この魔銃の弾丸に、撃ち抜かれた生き物は「凄まじい激痛を感じる。」と、言いました。今この熊は、その激痛に襲われました。
リアンナは、今度は熊の両腕に狙いを定めました。そして今度も、躊躇うことも無く、引き金を引きました。弾丸が当たると「熊の両腕」が、吹き飛びました。腐った熊は、惨めな絶叫を、上げました。足と腕を失った熊は、尚も上体を起こして、リアンナのことを、睨み付けました。
彼女は、最後に熊の頭に、狙いを付けました。そして引き金を引くと、腐った熊の頭が、吹き飛びました。上体が前かがみに倒れ込むと、熊の身体が、一回ピクリと痙攣したように、見えました。それから全く動かなく成りました。腐った熊は、絶命したようでした。その後、暫く経つと、熊の身体中からは、白い煙が、巻き上がりました。
「白い煙」が、熊の身体を覆い尽くすと、煙が消えた後には、茶色い石ころの山が、出来ました。どうやら、あの腐った熊は「ゴーレムの一種」でした。ネコンが、何か気になるものを、見付けたらしく、暫く石ころの山を漁って居ると、何かを見付けました。するとそれを口に咥えて、リアンナの所へ持って来ました。
良く見るとそれは「1枚のカード」でした。図柄は「腐った熊」でした。このカードを、リアンナが手に取ると「魔神リーリスの思念」が、届きました。「そのカードは、大型ゴーレムのもので有る。相手が巨大な敵で有るときや、銃火器を装備した厄介な敵が、現れたときに、使える〝便利なカード″なので、貴方に授けましょう。」と、伝えました。
「カードの図柄は、熊でさえ有れば、好きなように、変更可能です。図柄を変えたいときには、イメージをカードに送りなさい。そうすれば絵柄を自由に、変えることが出来ます。」と「魔神リーリスの思念」が、彼女に教えてくれました。リアンナが、ネコンの口からカードを受け取ると、カードが3枚に、増えました。
「魔神リーリス」は、3体分くれたので「腐った熊」の図柄は、嫌いだったので、もっと明るい色が良いと、考え「桃色と黄色と水色」の熊のイメージを、3枚のカードに、送りました。すると早速カードの図柄が、巨大な「桃色の熊」と「黄色の熊」と「水色の熊」に、変わりました。見ためが大分、綺麗なカードに成ったので「これでよし」と、リアンナは思いました。
「腐った熊の瓦礫の山」の坂道の先には、外界への出入口が、開いて居ました。その穴から表に出ると、そこは山脈を越えた場所でした。眼下には、人の町が見えました。その先の小高い山道の先に、弟と住んで居た家が、有りました。




