プロローグ
少女漫画を目指しました。
初連載です。よろしくお願いします。
恋がしたい。
時にその身を焦がすような、
時に蜜に溺れるような、
時に胸が切なく苦しむような、
そんな、恋というものに憧れているの。
だけど私は公爵令嬢。政略結婚が常の身分ならば、どんな方が相手でも、自分を騙して愛を捧げましょう。
……そう、思っていたの。
「ご紹介に預かりました、マリアンヌと申します」
「ルーカス、です。よろしくお願いします」
ぎこちなく挨拶を返した彼は、頬をそれはそれは真っ赤に染めてこちらを見ていた。青く澄んだ瞳に、私のピンクブロンドの髪が映り込んでいるのが見える。その青い目が、私の黒い瞳と重なると、パッと視線を逸らされる。彼の艶やかな黒髪がはらりと動き、真っ赤になった耳が露わになった。
ああ、なんて……なんて……
『かわいい……!!』
私の心の声と、彼の呟きがぴたりと重なった。
その時、私は誓った。
彼と絶対に恋をして、
彼と絶対に恋人になって、
彼と絶対に婚約者になって、
彼と絶対に夫婦になって、
彼と!
絶対に!絶対に!!絶対に!!!
「やっぱりね。相性いいと思ったんだ」
私たちの仲人が言った。
どうせ苦笑まじりに言っているのだわ。
私の目は真っ赤になって震える可愛い人に釘付けで、仲人、もとい、この国の第一王子の表情は見えていなかったけど。
仲人ありがとうございます、つい数時間前まで私と婚約していた第一王子様!
私、幸せになります!