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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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86話 戦い方

やっとダンジョンへ入る許可が降りた時には昼を回っていた。


「まーったく、酷いですよね〜」

「カイトさんがそんな事するはずないのに〜」

「ありがとう。そう思ってくれてる人がいるってだけで嬉しいよ」

「でも〜」

「大丈夫、きっとステラさんに任せればなんとかなりそうだし」


シェナはみんなの態度が気に食わないという。

あれからギルドホールに戻ると、腫れ物にでも扱うように、勝手に

殺人犯であるかのような視線が飛び交った。


心無い人には、出て行けて言われた。


「冒険者とはそんなモノですよ。さぁ、サクサク攻略を進めて本当

 に王都にでも行こうかな〜」

「私達も一緒に行きたいな〜」

「前にも言ったでしょ。それに……僕とは一緒じゃない方がいいかも

 しれませんよ?」

「どうして?」


シェナとエルドラは全く信じてなかったが、別の街ではきっと違う

だろう。


完全に門前払いされるかもしれない。

そんな時に、一緒に来た人間までもが同じように扱われる可能性だ

ってあるのだ。


「そんなの平気だし〜」

「そうよ、シェナちゃんは野宿も平気で出来る子よ!」

「いや、いや、そういう事じゃなくてね……さぁ、昨日の復習と行こ

 うかな〜」

「「はい」」


気を取り直して、二人が構える。


「後ろは僕が担当するよ。思う存分やってみて」

「任せて!行くよ〜エルドラ!」

「シェナちゃん、任せて〜」


魔力の運用もかなり上手く出来るようになった。

そのせいか応用も結構多彩になったのだった。


これなら誰と組ませても、遜色はないだろう。


シェナも自分にかける強化魔法から、スピード重視のものやら、継続

時間もかなり伸びてきた。


前はただ、腕力を上昇させるだけのものだったが、今は細かく区別で

きるようになったのだ。


だから無闇に強化してへばる事もなくなった。


スピードなら、スピード特化にする事でなんでもかんでも、強化する

のとは別で魔力消費量も少ない。


元々魔力残量が少ない分、効率的にコントロールしていく必要があっ

たのだった。


それ以上に、最近はカイトによって魔力も増やす練習もしている。


シェナが前に出ると、一気に魔物に切り掛かっていく。

その後ろで援護をするのはエルドラの役目だった。


惹きつけてからの魔法での応戦。

このダンジョンはちょうど土が多いので、次々に地面に埋めていく。


足元が抜ければスポッとハマる。

それを連続で繰り返して行けば、あとは止めを指すだけになる。

岩で押しつぶすように落とすと、次々に押し潰して行ったのだった。

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