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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
81/163

79話 成長

少し休んでから、再び次の階層を探検したのだった。


時間的にも、もういい頃合いだと思うと、帰還を促したのだった。


「宿屋は取ってるかい?」

「はい、二人部屋を取ってます」

「それなら、今日はここまでにしよう。それ以上今進むのは危な

 いからね。そろそろ疲労が溜まって来ているんじゃないか?」


カイトに指摘された通りに、二人とも疲労困憊という状態だった。


こんな状態では。ダンジョン内での仮眠などできないだろう。

まずは宿に戻ってゆっくりと休養をとって、再び潜ればいい。

そういうと、少し悲しそうに頷いたのだった、


「明日も一緒に行けますか?」

「一緒に?他に女性のパーティーを探した方がいいんじゃない

 かな?」

「うんん、そんな事……ない」

「そうよ!私たちがあそこまでスムーズに行けたのもカイトさ

 んのおかげだもの」

「まぁ、君たちがいいなら、僕は構わないけど……」

「やったぁ〜」


こうして、明日も一緒にダンジョンへといく約束をしたのだっ

た。

二人のきゃっきゃとした声がギルド内に響いたのだった。


「はぁ〜、疲れた………」


魔物を倒すよりも、人に教える方がよっぽど疲れる事を知った

のだった。



カイトの役目といえば、魔物の指示と方向、そして何体などの

情報を伝える事だった。


それ以外は、教えた通りに忠実に動くので、飲み込みが早いせ

いか、時々自分なりのアレンジを効かせて攻撃のバリエーショ

ンを増やしているようだった。


「今のはいいね。反応も早くなったし、確実に仕留めていく

 のは大事な事だともうよ」

「えへへ〜褒められちゃった!」


エルドラの魔法の応用は、目を見張るものがあった。

多少コツを教えて、魔力のコントロールの方法を教えただけな

のに、自分なりに考えて変えていく力があるのだ。

末恐ろしい才能だと思う。


初めから備わっているスキルというのはここまで上手く扱える

のかと、羨ましく思えたのだった。


「シェナはどうだい?魔力の保持時間は少しは伸びたかい?」

「はい、さっきは10分も持ったんです。これってコントロール

 をもっと上手くできたら………カイトさん、このままこの街に

 留まりませんか?」

「僕はこのダンジョンをクリアしたらかんがえるよ」

「絶対よ!」

「はいはい、今日は奢るよ。何が食べたい?」


ギルドでの魔物の換金を終えると魔石などの高いお金になるやつ

は魔道具を扱うお店に直接買わせるのが一番いい。

マージンがない分、高く買い取ってもらえるのだった。


「これはどれも品質がいいね。いい値段で買わせてもらうよ」

「はい、お願いします。それと分配は均等でお願いします」

「そ、そんな………剥ぎ取りや、解体はほとんどカイトさんがやっ

 たじゃないですか〜」


カイトは首を振ると、自分は解体しただけだと言った。

どれも倒したのは二人で、その指示しかしていないのだと言った

のだった。




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