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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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78話 ボス部屋

連携も上手く取れて来たし、カイトもそれに合わせてやれば、

ここの中央のボスくらいなら倒せるような気がしていた。


カイトに取ってはそこまで苦戦はしないだろうが、彼女達に

取っては初めてのボスだというので、きっと多少は苦戦する

だろうと思っていたのだった。


「さぁ、この扉の奥がボスかな……」

「なんで分かるんですか?」

「中に大きな魔力の塊がいるしね、それに………この扉を見れ

 ばなんとなくね」

「なんとなく…ですか……」


シェナはボス部屋というのを見たことがないのだろう。


「まず入る前によく聞いて。ボス部屋にはいくつか特徴があっ 

 てね、まずはこういう大きな扉があって入る場合はボスが出

 た瞬間ドアが閉まって、倒すまで出れないパターンと。もう 

 一つは、ボス部屋に簡単に出入りできるパターンかな」

「それって、どういう違いがあるんですか?」


エルドラが手を挙げて質問してくる。

いつもこうなのだろう。

謙虚で可愛いい。


「まずはボスの部屋が締まられる場合でいうと、しっかりした

 パーティーを組んでう挑むべき場所って事。もう一つのボス

 部屋を出入り出来る場合だけど……このパターンでは、ボス

 部屋から出てこれない場合が多いので扉の外からの遠距離攻

 撃が主流で、消耗少なく、怪我もしなくて安全に攻略出来る

 ってわけのなるかな」

「なるほど………後者のが楽ですね」

「でしょ?でも、そのパターンは少ないけどね」

「まぁ、そうだよね〜。」


色々パターンだけ教えながら、ボス部屋へと入っていく。


「さぁ、しっかり前を見るんだ。絶対にボスから目を離しちゃ

 いけないよ?」

「「はい」」


二人の威勢の声に、カイトは指示だけ飛ばす。

もし危なそうなら助っ人に入るつもりだった。


のだが……。

予想外の出来事で終わりを告げたのだった。


エルドラの魔法は土属性だ。

地面の中を空洞にして尖った岩を何個も精製する。

そして、足場を崩して落として大ダメージを与える。

そういう作戦だった。


その為に、最初はシェナに囮を任せたのだ。

準備が整うと、誘導して穴に落としたのだ。


落としてから、這い上がって来るところを仕留めればいい。

そういう作戦だったのだが………地面の下で息絶えているボスを

見て哀れに思えたのだった。


呆気ない最後に、ボスを倒したという実感が湧かなかったのだろ

う。


「お疲れ様……本当なら普通に苦戦すると思うよ?本当なら…ね」


一応と言葉を付け加えたのだった。


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