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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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74話 魔力コントロール

地面に書きながら説明していく。

隣で聞いていたシェナは魔法が強化特化らしく、自分にしか

かけれないので、完全に魔剣士タイプだった。

それも数分で切れてしまうという。


「シェナ、それはきっと魔力を無駄に流しすぎているせいだ

 よ。自分の魔力を感じて、少しだけゆっくり流す感じでや

 ってみて。そうしたら持続時間も伸びると思うよ」

「分かったわ、やってみるわ」


素直なところがいいところなのだろう。

そして、エルドラには少し応用を教えていく。


「君は魔法の出が遅いと言っていたよね?それはどの魔法で

 も一緒なんだ、練る時間に応じて威力も変わって来る。そ

 して君の場合は……見てて」


さっきのエルドラの魔法を素早く再現して見せる。

そして少し手を加えてみると、設置型の罠が出来上がる。


「これは………」

「そう、時間がかかっても確実にダメージを与える方法だよ」

「それなら私にもできそうです」


自信を持てたのか、必死に練習していた。

エルドラに教えたのは、落とし穴だった。


安直に言って、簡単でシンプル。

だが、下に尖った岩が無数に突き出していたらどうだろう。


確実に止めをさせるわけだった。

簡単だが、確実な方法だったのだ。


シェナに追い込んで貰って、あとは誘い込めばいい。

ダンジョンの魔物で検証していく事になったのだった。


まずは、魔力感知で近くの魔物を探る。


そして手前に罠を仕掛け、目印をつけておく。

あとはそこにシェナが誘い込めば終わりというわけだった。


「わぁ〜!本当に簡単に落ちますね〜」

「そうだろう?落ちたら最後流石に無傷というわけにはいか

 ないしな……ダンジョンでもここみたいな地面の場所では

 有利だろ?」

「はいっ♪」


嬉しそうに頷くと、こっちもほんわかして来る。


「シェナの方はどうだ?」

「な……なんとかですかね〜。まだまだですけど…」

「うーん、少し運用が滞ってるかな……ちょっと触れても

 いい?」

「はい、構いません」

「背中向けてくれる?」


魔力の回路が見える。

鑑定を使った時、彼女の魔力が途中で停滞している事が載っ

っていた。


これでは上手く使いにくいわけだった。

そこを他人の魔力で通してやれば、詰まりは解消されるのだ。

それは普通師匠がやるものだが、彼女にはそんな存在はいない。

カイトだって、師匠がいなければ魔法なんて一生使えなかった。


人より魔力が多い事も、全く知らなかった。


リリーと別れてから毎日練習してきた事がある。

それは魔力のコントロールだった。

今回のような精密な作業には、常に魔力コントロールが必要

不可欠だったのだった。


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