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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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71話 賢者のいなくなったダンジョン

カイトはロイエンの街を出てから、1日と経たぬうちに次の

街へときていた。

乗り合い馬車でいくより、自分の足で走った方が早いという

のも、不思議な気分だった。


疲れても居ないし、魔法とは便利なものだった。


「もう、こんなに来たんだ〜」


風魔法は音を消す外にスピードには長けている魔法だった。

圧縮すれば鋭い牙になるし、竜巻のように辺りを巻き込む魔法

も便利だった。


一人のせいか気楽に魔法も使えた。

誰に見られる事もなければ、使いたい時に使っても誰にも咎め

られないからだ。


全属性が使えるなど、普通ではないからだ。


昔の大魔法師リリー・クライゼンは全部の属性魔法を網羅し最強

の魔導士の称号を持っていたくらいだ。


弟子も取らず孤独に死んでいったと書かれていた。

それが数百年前の事のはずだった。


カイトの前に現れた女性は確かに書物で書かれている女性にそっ

くりだった気もする。


「やっぱりリリー師匠は最高の魔法師なんだよな〜………」


ダンジョンを出てから、彼女は消えてしまった。

再びダンジョンの奥に行ったが、彼女の姿はすでになく、回復の

泉も枯れ果てていた。


彼女は一体、どこへ行ってしまったのだろうか?


一応置き手紙を置いておいたが、気づいてくれるといいかくらい

におもっていた。


もう、あそこには彼女の魔力は感じられなかったのだった。


リリー・クライゼンが消えてからダンジョンにも異変が起きていた。


ボスがリスポンしなくなったのだ。

それを知る人は誰もいない。

なぜなら、まだカイトがクリアした後でボスの部屋まで辿りついた

人が居ないせいでもあった。


ダンジョンボスが次の日にはリスポンする事で有名だった。

それはリリーが後ろにいて、魔力を補給していたからだった。


しかしその補給が消えてしまえば普通のダンジョンと同じになって

しまう。


要は一カ月経たないとリスポンスしないという事だった。


もちろん、冒険者たちはそんな事情は知らない。


今日も何人もの冒険者が賢者の試練に挑むのだった。

その賢者の弟子となったカイトは、のうのうと別の街で宿をとり、

美味しいものを食していたのだった。


「やっぱり道中で魔物を狩っていてよかったぁ〜」


ズタズタになったワイバーンの死骸を含め、ジャイアントベアに

つのうさぎの毛皮なども高く売れたのだった。



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