7話 自炊
森の中を駆け回ると数体のゴブリンが倒れている。
「おい、そっちいったぞ!」
「おう、分かってるっ!」
ナイフが飛び交い、ドサっと何かが倒れる。
「あと一体!」
「こっちよ!ファイアーーー!」
ガサガサっと音がして出て来たゴブリンの顔面を炎が包んだ。
最後の一体を仕留めると、やっと野営の準備をする。
安心して眠れるようにと近くにいる魔物を掃討したのだった。
沢に降りると水を汲んでくるカイトに対して、他のみんなは
火の周りを囲んで談笑し始めたのだった。
火をつけて、水を沸かし、食材を中に入れていく。
調味料を混ぜ合わせ入れれば、スープができる。
乾いたパンと一緒に食べればお腹も膨れる。
「食事できたよ〜」
「遅いわ〜、ちょっとぉ〜肉が入ってないじゃない〜」
「そうだぞ、なんで干し肉を使わないんだ?」
倒したのがゴブリンでは肉を食べれない。
「だって、まだ先が長いし…」
「出せよ!干し肉買って来たんだろ?」
「それは……」
奪い取るようにダルカがカイトの荷物を漁った。
奥の方にまとめて入れてあった干し肉をつかみだすとパンと
一緒にかじり出す。
つられるようにレイアも出すと、みんなに配る。
各自鞄を持っているのに、食材は全部カイトが背負っている。
いつも報酬もカイトだけ少ないと言うのに、こう言う時の買
い出しは全部カイトが担って来た。
「次の村で買い足せばいいだろ?ケチケチすんなって」
「でも………支度にお金かかってて…もうそんなに買えないよ?」
「なんだよ、いつもわけ前やってるだろ?何に使ってんだよ!」
「そうよ、無駄に遊んでるからこうなるのよ」
自分たちは酒を呑んだり、好き勝手買っているのだろうが、カイト
にはそんな余裕な資金はない。
種を買って、ヒールの練習をしたり、薬草採取をしてポーションの
ランクを上げようと毎日訓練していた。
そのせいで、ギルド依頼を受けれてなかったせいでお金は減る一方
だった。
「ちょっと、何よ…これ?」
「ん?こんなもん食べれねーだろ?」
鞄の下に入っていた巾着の中には無数の作物の種が入っていた。
誰がどう見ても冒険に種を持っていく意味がわからない。
植たってすぐに旅立つと言うのに、こんなものをなぜ持ってくるのか?
そう言いたいのだろう。
「要らないわね!捨ててあげるわ」
「待って!それ僕のだからっ!」
カイトが手を伸ばすが、一足遅く地面に散らばるとカイトは慌てて拾い
集めた。
その間に鍋にあったスープは全部なくなり硬いパンだけが残っている。
干し肉も残り少ない。
たった一回の食事にこれだけ食べてしまうと後が思いやられる。
種を全てかき集めると大事にしまっておいたのだった。