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最弱冒険者はパーティーから捨てられる  作者: 秋元智也
旅の始まり
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65話 卵の分類

別に同情しようとは思っていない。

でも、やっぱり魔物といえど後味が悪い気がする。


どんなに強くても、被害なないのに退治する理由はどこにもない。

ましてや、棲家にこもって子育てしていた魔物をわざわざ退治に

いく事自体もカイトには賛同できなかった。


「ごめんな……僕がもっと早く来てたら………いや、それでも結果

 は一緒かもしれないか……」


焼けこげた死体に大事そうに抱えられた卵は熱で少し暖かかった。

てっきり焼けて焼き卵にでもなったと思っていたが、カタカタッ

と動いたのだ。


「まだ生きてるのか……」


驚いて手を当てると中で動くモノがいた。

生きている。

生きているけど…一体どうしたらいい?


魔物は飼育できない。

そう思っていた。


それは、魔物が人を襲うからだった。

もし、人の手によって育てられた魔物だったら?


ちゃんと食料を見極めて食べるように躾けたら?


もしかしたら、環境さえ整えば、普通に平穏に生きられるかもし

れない。


さっそくカイトは布に卵を包むと収納ボックスの中へと入れてみ

たのだった。


生き物は入らない。

瀕死、もしくは死体はものとしてカウントされる。


なら、卵は?


中に収納された事を確認すると、卵はモノとしてカウントされる

らしかった。

そういえば他に食材で、卵という表示になっていたのを見た事が

あった。

それと一緒なのだろう。


「卵………食べ物カウントなんだ………」


少し、少しだけ同情した気分だった。


ワイバーンの群れの生き残りはこの卵だけとなった。

他にも数個卵の状態を見つけたが、中身はどれも焼け死んでいた。


親が必死に守った卵だったが、森の火災も重なったせいで、一個

だけでも生存しているのが奇跡のようなものだった。


死体の解体と余分な部分は火葬したのだった。


収納ボックスは予想以上に便利だった。

荷物も軽い腰のポーチくらいで済むし、大荷物を持たなくていい。

武器の出し入れも簡単で、便利過ぎるくらいだった。


魔法と補助魔法、剣術、を一通り習って、あとは遠距離武器の戦い

も教え込まれた。


昔のかつての仲間をリリーが召喚したので動きは大分と理解した。

もちろんパーティーとしての動きとなると、前いた『黄金の翼』を

思い出す。


そのまま足を王都へと向かわせたのだった。



その頃、ロイエンの街では前日の報酬を受け取るべくギルドを訪れ

ていたのはナナ達3人だった。


「報酬楽しみだな〜」

「だよな〜!今回カイトさんが色々動いてくれたけどさ〜、次会う

 時には俺らも頼れるくらいにはなろうぜ?」

「まぁ、少しは信頼してくれるように、頑張らないとな?」

「そうだね!報酬も預かるし、早く王都で会いたいな〜」


呑気に会話をしながら受付まできていた。受付嬢のヘレニアに声を

かけるとすぐに用意してくれたのだった。


「この前の報酬ですね、少しお待ちください。」

「はーい」


ナナはワクワクしながら待っていた。

奥から袋を持った職員が戻ってきたのだった。


「こちらが報酬4人分になります。残りのお二人は別でという事で

 宜しかったですか?」

「はい!大丈夫です」


報酬も入ってホクホクしながら宿屋に戻ったのだった。

宿の食事を取ると、確実部屋の戻ったのだった。


バンとゲイルは同じ部屋に、そして向かいの部屋にはナナが泊まっ

ている。





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