61話 真相
カイトも魔法学校へ行ってみたいとは思っていた。
だが、それには誰かの推薦もしくは多額の入学金がかかるのだ。
「ナナ達は学校でも仲がいいの?」
「まぁ〜普通ですかね〜。私達商家の家で生まれたんです。だから
魔力があるって知ってから魔法学校に入れてもらえたんです」
「そっか……」
「カイトさんだったら、学校もすぐに入れてもらえますよ〜」
「いや、無理かな。僕にはそんなお金ないし……」
「実技試験で難易度MAXで合格できれば入学金免除だって聞きま
したよ?」
「僕には無理そうだよ〜」
「そんな事ないです!絶対に合格しますよ!」
ナナはカイトには一緒に魔法学校に通って欲しいようだった。
確かに知識は欲しい。
が、別に学校へ行くかなくても王都へ行けば、大きな図書館がある
と聞く。
それなら、知識を増やすには十分だった。
「もう、学校って年齢じゃないし……僕はいいよ。もし王都に行く
時は案内してよ」
「はい!ぜひ!」
「そうだ、これ。持っておいて。」
「これは………?ポーションですか?」
「うん、でも、絶対に人前で使わないでね。それと、どうしてもっ
て時だけ使って。分かった?」
「はい、もちろんです。」
ナナは素直に頷いたのだった。
最近、カイトが作った一番出来のいいポーションだった。
リリーほどではないが、効果は絶大だった。
瀕死であっても、たちどころに治るほどに効果が高い。
ハイヒールでも治せないほどの傷でもたちどころに治す事ができる。
ただ、死んでいなければという条件がつく。
そんな事はナナには言わない。
ただの餞別として渡したのだった。
帰って来るとカイトは次元収納へと薬草を入れた。
ナナはすりつぶして粉にすると混ぜ合わせている。
夕方にはやっとギルドからの馬車が到着した。
明日の朝イチで出発すると言っていた。
即席パーティーだったが、なかなかに悪くはなかった。
「あとは明日ロイエンに戻ったら解散だね〜、寂しくなるがこれが
冒険者さ。またいつかどこかで会えれば、よし。どこかでくたば
っちまえばそれまでさ」
「セオドア、そんないいかた……、みなさんもこれからはしっかり
クエストを見極めて、一緒に組むパーティーにも気をつけて下さ
いねー、では、乾杯!」
セオドアの後をメンデが引き継いだ。
食事を終えると、各自宿屋に戻る。
早朝に集まるとそのままロイエンの街へと戻ってきたのだった。
「お疲れ様でした。調査報告を聞いてもいいですか?」
「それなんだが、上で話してもいいかい?それとギルドマスター
はいるかい?」
セオドアの真剣な顔つきに、受け付けのヘレニアは、すぐに奥へと
連絡を入れた。
しばらくしてから、上の部屋へと来るように言われたのだった。
ぞろぞろと向かうと、そこにはタークが待っていた。
このロイエンのギルドマスター、元A級冒険者だった男だ。




